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□ 誘電泳動による細胞分離の高効率化

従来、多種の細胞を含む細胞懸濁液サンプルから特定の細胞を分離する方法として、交流不均一電場による誘電泳動(Dielectrophoresis ; DEP)の原理を応用した技術が数多く提案されています。

DEPとは、不均一電場を負荷された溶液中の誘電体微粒子が、電気力学的作用(DEP力)により電場のこう配に沿って移動する現象です。この原理を利用すると細胞を誘電特性の違いにより素早く正確に分離出来るため、効率の高い臨床検査技術の確立が期待出来ます。特に最近では、高効率CTC検査法の確立に向けてDEPを利用する技術が注目を集めています。

CTCとは「Circulating Tumor Cells(血中循環腫瘍細胞)」の略語で、原発腫瘍組織または転移腫瘍組織から遊離し、血中へ浸潤した細胞を指します(図1)。CTCはがん患者の末梢血中に微小量存在しており、血液サンプルからこの微量なCTCを検出することで、極めて初期のがん診断(超早期診断)も可能になります。

本研究では、新しい細胞分離法として流路内全域に3次元不均一電場を生成させるDEPデバイスを提案し(図2)、さらに、酵母の生・死細胞を血球細胞の代替試料に用いた実験と数値シミュレーションを行い(図3)、デバイスの細胞分離性能について評価を行い、デバイスの最適設計条件についても検討しました。


fig.1 fig.2 fig.3

担  当:
多田教授,中西(B4)
論  文:
◯Shigeru Tada: Numerical simulation of dielectrophoretic separation of live/dead cells using a three-dimensional nonuniform AC electric field in micro-fabricated devices, Biorheology, Vol.52, No.3, pp.211-224, 2015.
学会発表:
◯多田茂,中西有咲,塚本哲;誘電泳動による細胞分離の高効率化; 日本機械学会第28回バイオエンジニアリング講演会;2016年1月9日(土)~10日(日),東京工業大学 大岡山キャンパス

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