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  応用分析化学分野では、核磁気共鳴、円二色性、熱分析などの分光学的手法や分子動力学計算の手法を用いて、身近なモノの構造や運動性を、分子や原子レベルで測定・解析しています。解析により得られる結果は、モノの特性の由来を明らかにする手がかりとなります。このような分子レベルの基礎的情報は、高分子複合素材の物性やシルクフィブロインを基材とした再生医療素材の探究、ペプチドの自発的構造変化など、より良い新規素材開発にとって重要な方向性を与えます。

研究例1:ゴム材料や高分子複合材料の構造解析

天然ゴムの原料は、ゴムの樹の樹液に含まれるcis -1,4 ポリイソプレンを主成分とする液状物質です。これを集めて凝固乾燥させたのち、洗浄、燻蒸、加硫などの様々な操作後に我々の生活用品などに加工されて利用されています。固体高分解能NMR法では、試料管を高速回転〈数+kHz〉させることにより、高分解能なスペクトルを得ます。天然ゴムの13C NMRスペクトルを測定すると、分子鎖がきれいに並んだと考えられるNMRスペクトルが得られます。このようにNMR法を用いてゴムや高分子材料の分子運動、構造などについて研究しています。

研究例2:ペプチドの構造解析

30残基程度までなら、比較的容易に人工的にペプチドを化学合成することができます。合成したペプチドを種々の条件で処理し、CD(円二色性)分光計やNMR測定装置により得られたスペクトルを解析すると、立体的な構造がわかります。またペプチドをコンピューター上に描いて、エネルギーが最小になるように計算してみます。得られた立体構造が、一番安定な構造と考えられ、実際に形成される可能性が最も高い立体構造ということになります。