査読論文の刊行
2023/12/13刊行
論文のタイトル「航空自衛隊における救難組織の創設経緯―急がれた部隊建設」
掲載誌 『安全保障戦略研究』第4巻第1号
統率・戦史教育室准教授 村上 強一2等空佐
1954 年 7 月、航空自衛隊は発足するが、 1954 年度を初年度とする警備 5 か年計画をもと建設しようとした航空部隊は、 直接侵略に対処する装備を目指したものであり、航空機搭乗員の損耗を防ぐ捜索救難にも配慮したものではなかった。ところが航空自衛隊は 1958 年 3 月、 まだ計画になかった救難部隊を急遽、浜松基地に設立する。本稿は、国立公文書館に保管されている日本政府の記録等を用い、その理由が「航空事故の多発」、 「航空自衛隊による対領空侵犯措置任務の開始」、 「米空軍救難部隊の本国への撤退」、「ICAO加盟国としての義務」にあったことを再検証した。