研究室の紹介

  電気電子工学科では、私たちの日常生活は高度に発達した科学技術に支えられており、ビデオやCDは言うに及ばず、携帯電話やパソコンなどは今や個人レベルでの必需品となっています。このような科学技術を根底から支えているのが電気電子工学であり、現在、家電製品だけでなく環境サイエンス、情報通信システム、先端医療、ロボット技術、宇宙開発、さらには防衛などの様々な分野の主要な部分に、その応用技術が活かされています。

  陸海空の各自衛隊では,電気電子工学の高度な応用技術に支えられた防衛装備品等を十分に使いこなし、また、その知識や技能を活かして新しい装備品の開発ができる有能な人材を必要としています。

  電気電子工学科では、下に掲げるような分野の専門の先生方により、基礎から応用に至るまでの一貫した教育を行うことによって、幅広い科学技術の進歩を見通す確かな目と豊かな人間性を持った若者の育成を目指します。


電気電子工学科の教育分野は、次の8分野(研究室)から構成されます。

電気基礎学 電気機器工学 電子制御工学 量子電子工学
電子物理学 電子デバイス工学 電子情報工学 電子計測学





 電気基礎学

電波応用技術に関して、電磁界解析法の研究や各種アンテナの開発ならびに設計法や解析法の研究を行っています。最近は、自動車内電磁界分布の解析、 ITS用誘電体レンズ装荷ホーンの解析、ITS用の広角のビーム走査可能な誘電体レンズアンテナの開発、RFIDにおける超小形電子タグ用の超小形メアンダラインアンテナの研究に取り組んでいます。




 電気機器工学

非平衡プラズマは、プラズマディスプレイや半導体の微細加工など、実に様々な技術に応用されています。近年はマイクロマシンの作製や環境汚染ガスの無害化などへの利用が図られています。これらの技術をさらに発展させるために、プラズマの物理・化学現象を自由にコントロールできるプラズマ生成機器の実現を目指して研究を行なっています。

・プラズマ診断
・非平衡プラズマ
・マイクロプラズマ
・プロセッシングプラズマ
・表面ナノ構造
・量子ドット形成







 電子制御工学

省エネルギー・クリーンエネルギー利用を目指した電気エネルギー制御技術の研究、パワーエレクトロニクスにおける各種制御法、ならびに、数理・情報科学的手法と電子計算機を援用し、人間のように環境変化に適応できるインテリジェントな自動制御系の設計法などを研究をしています。

・繰り返し制御
・半導体電力変換機器
・インバータ
・PWM変調方式
・パルス・パワー制御
・適応制御
・ロバスト制御
・制御系 CAD
・ディジタル制御
・ロボットアーム制御
・非線形制御
・パワーエレクトロニクス
・制御系の計算機援用設計







 量子電子工学

超短波長・超短パルスレーザーを用いた新たな物質プロセシングの開拓と、それを基にしたデバイス製作に関する研究を行っています。薄膜形成、表面改質、マイクロファブリケーションを主体とし、光導波路・マイクロレンズアレイ・光触媒など、「光」をキーワードとした微小デバイスを独自の手法で製作することができます。

・レーザープロセシング
・レーザーアブレーション
・薄膜
・光検出デバイス
・フェムト秒レーザー
・フッ素レーザー







 電子物理学

我々は超伝導エレクトロニクス、特に高温超伝導体を用いたジョセフソン発振器や検出器等のミリ波・サブミリ波デバイスの研究を行っています。この研究は薄膜の結晶成長からデバイス製作、特性評価まで一貫して行われます。これらのデバイスは、医療、情報通信、計測の分野に有用なテラヘルツ光源やイメージセンサ等に応用できます。

・超伝導エレクトロニクス
・ミリ波・赤外線工学
・結晶成長技術
・半導体レーザ
・高温超伝導体
・磁束量子
・ジョセフソン効果







 電子デバイス工学

電子デバイスは情報化社会を実現するための基盤となる大変重要なものです。本研究室では、電子デバイスの基本的動作原理と特性を理解しうる教育を行うとともに、超音波や液晶を活用するデバイスに関する研究を行っています。具体的には、超音波の波動伝搬、超音波と液晶による音響光学効果、液晶の表示素子及びその他の応用の研究に取り組んでいます。




 電子情報工学

電気・電子産業を底辺から支えるのが信頼性・安全性技術です。システムの開発・設計・製造・運用の各段階で故障要因の特定、信頼性の予測、評価、データ解析が必要になります。本研究室では様々なシミュレーション手法、数値計算手法、統計解析手法を駆使し、複雑なシステムの信頼性・安全性評価技法の開発を行っています。

・信頼性
・システム
・最適化
・オペレーションズ・リサーチ
・モンテカルロシミュレーション
・最適保全政策







 電子計測学

移動通信端末として、極限まで小形・軽量化が図られた携帯電話等の新アンテナの提案、各種高特性アンテナの設計、および、アンテナ特性評価に関する研究、機能素子としてのセラミック振動子の非線形現象解析、並びに、機械的振動特性の評価と、精密測距に関する研究、また、自動車・船舶等の移動体における、GPS位置測定の高精度化に関する研究を行っています。



Department of Electrical and Electronic Engineering, National Defense Academy