グローバルセキュリティセンターの研究部門は、本センターを拠点とした防衛大学校教官による研究活動を企画し、必要に応じて支援することをその役割としています。
現在の研究プログラムは、①アジア安全保障、②サイバーセキュリティ、③宇宙安全保障、④海洋安全保障、⑤感染症対策と安全保障、⑥防災・危機管理、⑦ジェンター・メンタルヘルス、⑧ミリタリープロフェッショナリズム、⑨安全保障・軍事作戦法規、⑩デュアルユース・テクノロジー、⑪シミュレーション・オペレーションズ・リサーチの11分野に重点を置いて研究を進めており、研究を実際に進め又は統括する責任者として研究主幹を置いています。各プログラムの下で30近くのプロジェクトが設立され、既に優れた研究成果が生まれています。現代の技術的諸条件の大変動の時代にあって研究分野の発展、拡充及び再編成が急速かつ動態的に展開していくことが予想されますが、研究プログラムも、そのような状況に敏感に適応していかなくてはならないでしょう。
研究の企画に際しては、人文社会科学系、理工学系双方にわたり全学で約300名の教官の研究分野及び内容を踏まえてその自律的な研究の進展を支援し、防衛大学校における教育内容の向上にも貢献すること、文理交錯も視野に入れた学際研究、及び実務との交流の必要に特別の考慮を払うこと、学内及び防衛省・自衛隊内にとどまらず国内外の研究機関との連携を確保し発展させること、国の文部科学政策、防衛政策及び社会的ニーズを踏まえた研究の推進を図ることなどに意を払います。また、企画・発信部門との協力により対外発信を強化することによって、防衛省・自衛隊内部のみならず国内外における認知とプレゼンスの向上を試みたいと思います。
本研究部門では、研究者の専門性及び自主性を尊重しつつ、これを質の高い研究成果へと方向づけるために必要な支援とは何かを常に問いつつ、的確な支援へとつなげていきたいと考えております。グローバルセキュリティセンター自体がいまだ育成途上の組織であり、利用に供される資源も決して潤沢ではありません。しかしながら、まずはできることを確実に実施しながら、しかも日々の業務に埋没することなく、将来の更なる飛躍への展望を常に見失うことのないように心がけたいと考えております。ぜひとも積極的なご協力をよろしくお願い申し上げます。
グローバルセキュリティセンター 研究部門長
公共政策学科教授 山中 倫太郎