平成26年3月にサイバー防衛隊が発足、翌年4月からは防衛学の科目としてサイバー戦概論が開講しております。このように自衛隊、防衛大学校としてもサイバーセキュリティ教育及び人材育成に力を入れておりますが、昨今のサイバー攻撃の複雑化、発展性に追従していくには日々の研究活動をより充実させ、教育現場にフィードバックしていく必要に迫られています。また、自動車の自動運転に見られるように今やロボット技術もサイバー技術の一環であり、ドローンによる橋桁やトンネルの検査、測量など、これまでとは違った分野でもサイバーセキュリティの貢献が求められています。より一層、多分野との連携が必要な状況で、グローバルセキュリティセンターのサイバーセキュリティ・プロジェクトが活躍できる分野は広いと言えます。
さらにサイバー技術の導入より、組織運営への影響も見逃せません。これまでのような人的な信頼関係に裏打ちされた情報の取捨選択から、利用しているシステムへの技術的理解が扱う情報の信頼性を担保するような状況へ変わりつつあります。必然的に意思決定者の取り巻く状況は変化しており、これまでとは異なるアプローチが求められることとなります。また、「トロッコ問題」に代表されるような、技術で実現できても運用が難しい技術倫理、法律的な問題にも取り組んでいく必要もあります。