卒業生からのメッセージ

総合安全保障研究科を修了して

二等陸尉 佐藤陽子 第4期卒業(国際安全保障コース)

総合安全保障研究科で学ぶことの出来た2年間は、非常に有意義な時間でした。防衛大学校本科で国際関係を専攻していた私は、総合安全保障研究科が発足するという話を聞いた時から、是非研究科に入校したいと思うようになり、幸いその機会を得ることが出来ました。

曲がりなりにも、国際関係を学んでいたわけですが、本科を卒業してから4年、「言葉に聞き覚えはあるのだけど・・・」と思いながら書物を紐解く日々が始まりました。英語に奮闘し、読むべき資料の膨大さに圧倒されながらの毎日でした。

授業の大半はゼミ形式で行われますので、他の同期生の発言によって理解を深め、また、全く違った視点からの考察を行うことが出来ました。理論研究、地域研究、国際法等、本研究科では学ぶことのできることが数多くあります。いずれの授業も教官が熱心に指導して下さり内容が充実していて、自分自身の理解が追いつかないこともありましたが、興味深く、暫らく学問から離れていた私にとって新鮮な事柄ばかりでした。

現時点での私の職務は、研究科で学んだことがそのまま直接関連してくることはまだ少ないですが、国家防衛の任務を持つ自衛官にとって、国家の在り方、国際社会のシステムを歴史を通じ又現在起こっている事象を通じてじっくりと考察してみるということは非常に重要だと思います。近年自衛隊は、国際貢献などを通じて様々な形で国際社会との関わりをもつようになってきました。そして、この傾向は今後ますます高まっていくのだろうと思います。

また、研究科においては、海空自衛官、事務官、海上保安官、韓国留学生といった普段接する機会の少ない方々と同期生となり、共に学ぶことが出来たことも大きな収穫でした。修士論文では中東地域を対象としましたが、部外の研究者の方々の講義を聴いたり、同じ地域について学ぶ他大学の学生の方々とゼミを行ったことは、論文を作成していく上での刺激となりました。今後は、この2年間で得る事の出来た見識を高め、また自ら考え抜くという姿勢を忘れずに、研究科で得た成果を色々な場面で発揮できるように、研鑚していきたいと思っています。今後入校される方々の実り多きことを祈念いたします。

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