安全保障研究のCenter of Excellenceを目指して
国際社会の平和と安全を担う人材を育成する
総合安全保障研究科は、価値判断や時系列で国際的な現象を捉えるよりも、何がどのようにその現象を引き起こしたのかを、科学的・論理的に捉える力を涵養するところだと言うことができます。これは、現実の問題解決や職務上の責任から離れ、研究科に入校して初めて可能なことではないでしょうか。その集大成として、二年目は学位の取得を目指して修士論文を作成します。
一年目は、ゼミをこなすだけでも大変だと思われるかもしれません。しかしこれは、具体的なテーマの選定に入る以前に、学術的な研究とは何か、学術論文を書くとはどういうことなのかを考える機会でもあります。ひとつの論文を与えられ、論理構造を把握し、それに対して問題提起をする。この作業の目的は、今、その領域で何が論点となっているのか、まだ明らかにされていないことは何なのかをつかむことです。そこから、二年目に書く論文の問題設定が出てきます。
論文を進めるにあたって、できるだけ多くの意見を聞くことは、とても大切なことです。総合安全保障研究科では、指導の先生はもちろん、グループごとに多くの先生方からご意見をいただきながら研究を進めることができます。ただ、論文を書く作業は、本来は孤独なもの。最後には、自分自身の出した結果として論文を受けとめることになります。
ご卒業後、研究科の方々は、それぞれ基幹要員として帰隊されます。総合安全保障研究科で培ったものを直接活かせるとは限らないでしょう。しかし、二年間という時間だけは誰に対しても平等に過ぎていきます。やるなら徹底的に。そして、楽しく。
1996年上智大学外国語学部卒業、同年防衛庁入庁。情報本部勤務を経て総合安全保障研究科(2003-2005年)、現在、情報本部勤務。