卒業生からのメッセージ

自己投資のための二年間〜防大総合安全保障研究科の二年間を終えて〜

三等海佐 浦口薫 第8期卒業(国際安全保障コース)

浦口薫

本研究科の二年間は、部隊業務から完全に離れ、自らの立場を学問的な観点から振り返るとともに、心身ともにリフレッシュして、将来の勤務のために備えるというのが、正しい使い方であるように思います。私は、この二年間を自己投資のための二年間と位置づけ、いくつかの目標を掲げて有意義な二年間とすべく尽力しました。

中でも最も重要なのは修士論文の作成ですが、私は「海戦における機能的目標選定の確保をめぐる国際法上の諸問題 -陸戦法規に対する海戦法規の特殊性-」と題する論文の執筆に取りかかり、自分自身の努力もさることながら、担当教官である真山教授をはじめとする諸先生方の親身なご指導や、優秀な同期からの様々な指摘により、無事に修士論文を完成させ、さらに山崎学生奨励賞まで頂くことができ、誠に光栄に感じております。

この二年間のうちには体もリフレッシュすべきであると考え、古巣であるレスリング部の練習に顧問として頻繁に顔を出し、学生のスパーリングパートナーとして一緒に汗を流しました。学生と一緒に全自衛隊レスリング大会に選手として参加したり、自衛隊体育学校での合宿に参加したことで、私自身の体のリフレッシュは言うまでもありませんが、現代の若者の考え方に触れることができ、今後の部下指導にも少なからず反映していけるものと思います。

また、TOEIC730点獲得という目標も掲げ、日々の教務の予習のための英語文献読み込みに加え、TOEIC用の参考書や問題集を購入して勉強を重ねました。結果としては、目標を達成することはできませんでしたが、点数自体は大幅に向上させることができ、それなりの効果は得られたものと自負しています。

さらに、忙しい中にも旅行や基地見学等の様々なイベントを企画して同期間の団結を図りました。この二年間で培うことのできた、陸海空及び内局の垣根を越え、さらには海上保安庁や韓国海軍をも含んだ同期の絆は、今後の勤務の上での私の宝物であると思っています。

今後はこの二年間の自己投資を糧に、国家のために、海上自衛隊のために、誠心誠意尽くしていきたいと思っています。今後入校を希望される後輩諸君、総合安全保障研究科の二年間はかけがえのない時間です。皆さんが自分なりの目標を持って同研究科にチャレンジされ、有意義な二年間の学生生活を送られることを期待します。

浦口薫
1969年三重県生まれ。防衛大学校卒(37期生、国際関係論専攻)。なだしお船務士、はやしお水雷長、あきしお船務長、第二潜水隊群幕僚、たけしお機関長を経て、防大総合安全保障研究科学生(2004-06年)。現在、潜水艦まきしお副長兼航海長。

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