「ジョイ・ラック・クラブ」
まずこの話は2世代に渡る女たちの物語です。移民とその娘。育ってきた文化的な背景も、
背負ってきた人生の苦しみもまるで違うのです。世代の違いと文化の違い、この二つが母と娘の間の
大きな垣根でした。
私は私よ、好きにやらせて!
こんな親子今でもけっこういますよね?母は苦い過去の経験から娘を立派に育てようとやっきになり、
娘はそんな母親の思いがプレッシャーになり、関係がギクシャクしてしまうわけです。
中学や高校でこの映画を見ていたら、母と娘のどちらに強く感情移入できていたか、
それはわかりません。ちょうど20歳前後という、親の気持ちも少し分り始めた年齢が客観的な
視点を与えてくれました。誰が正しいという問題ではありません。
物語はジョイ・ラック・クラブの女性たちそれぞれにスポットを当てながら進んでいきます。
ある親子は、結婚相手の問題で関係が悪化します。娘は自分の結婚する相手を母親が全然気に入って
くれないことに苛立ちを覚えます。その母親は昔、中国の伝統的社会の結婚でひどい体験をしています
(それがきっかけで彼女もアメリカに渡ってくるわけですが)。最後は仲直りするのですが、
これもやはり母の愛情の強さと、世代・文化の違いによる考え方の違いが生んだ苦しみでしょう。
世代の違い、文化の違い、悲劇の過去、様々な要素でこの映画は味付けされています。
あまりにも様々な視点で物語を読み解くことが可能なので、きっとこの映画を見た人誰もが感動の
ポイントが違うでしょう。私にはとある母親の悲しいエピソードがいたく心に迫り、涙をはらはらと
流してしまいました。もちろん最後のシーンも、涙が溢れて仕方ありませんでしたね。
悲しくてつらい話が多い映画ですが、見終わった後は静かな感動の余韻に浸れます。もちろん、
ハッピーエンドですよ。ぜひ一度はご覧になってください。
文責 和田幸佑
今回の映画は、「ジョイ・ラック・クラブ」です。ひとつの麻雀卓を囲んで楽しみ(ジョイ)と
幸運(ラック)を分かち合おうという、アメリカに移住してきた中国人女性4人の密やかな楽しみ、
それがジョイ・ラック・クラブ。
物語はホームパーティーの場面から始まります。長年の親友である
4人の女たちの一人(主人公の母)が死んでしまい、その娘(主人公)が中国にいるという生き別れた
姉に会いに行くのです。パーティーはそのお祝いですが、その中で移民してきた彼女たちの過去、
その娘達のエピソードが挿入されながら物語は進んでいきます。細かい話は見てからのお楽しみという
ことで、今回は簡単な紹介と感想を書いてみたいと思います。
主人公は幼い頃から母の期待を重苦しく感じて育ちました。母親は思っていました。私の娘はピアノの
天才だ、と。ある日彼女はピアノの発表会でわざと失敗します。
中国で子供を失ったというあまりにもつらい過去を背負った母親にとって、この娘(主人公)を
立派に育てなければならないという気持ちは、何よりも強い使命感だったのでしょう。
親の過剰な期待というものは時として子供を歪ませてしまうことがありますが、
それも愛情の強さゆえの失敗だといえるのではないでしょうか。
夫に従順で文句を言わない、おとなしい妻を演じてきたある女性は、その態度が原因で離婚の危機を
迎えます。アメリカ人の夫は、彼女の考えていることが分らなくなるのです。従順な女性であることが
美徳である中国と、本音のコミュニケーションが大切なアメリカ。よくもここまで文化が違うのに
結婚できたな、と思いましたが、ともかく最後は母のアドバイスによって彼女は主張を始めます。
ここでも母の歩んできた苦い過去の経験がそう言わせているのです。
ある女性は結婚したはいいものの、とんでもない夫との冷めきった関係に悩んでいました。
その母親は離婚を勧めますが、娘は踏ん切りがつきません。しかし母は見抜いていました。
この結婚は長続きしないことを。実はその母親もつらい結婚を体験していたのです。
やがて人生をやり直すことを決心した彼女は・・・・・
あとは映画を見てください。