人間文化学科第1回「映画で考える」

12人の怒れる男たち


佐藤 功



 人間文化学科名物「映画で考える」。平成15年度の記念すべき第1回目はシドニー・ルメット監督の名作 「12人の怒れる男たち」でした。

あらすじ
 ある夏の暑い日、裁判所の会議室で12人の陪審員による評決が行われます。 それは父親を殺害したとされる少年の有罪、無罪を問うものでした。 目撃者の証言、物的証拠、不確かなアリバイ、殺人の動機、どれを取ってみても少年の有罪を確信させるものばかり。 その年一番の猛暑の日、扇風機もきかない部屋の中で、評決は五分で決まるはずでした。
 ところが1人だけ少年の無罪を主張する男が現れます。 ヘンリー・フォンダ演じるこの男は他の11人に即断の危険性を説き、さまざまな思い込み、偏見を次々と崩していきます。 そして確かなものだったはずの証拠も次第に揺らぎ始めて、最後には12人全員が無罪を確信する、という法廷劇でした。 白熱する議論を通して12人の心情や性格が次第に浮かび上がってくるところもこの映画の見所です。

感想
 今回から人間文化学科第3期生となる私たち50期生も参加しての会となりました。 私は昨年からこの会を楽しみにしていましたが、まさか自分がレポートを書くことになろうとは予想もしていませんでした。
 さて、本題に入ります。この作品中には終始会議室の様子しか映っていません。 しかしその狭い部屋の中で大きく揺れ動く12人それぞれの心模様が見事に描かれていました。 感想を一言でいえば他者を説得するということは実に難しい、ということでした。 頑固一徹な老人がスラムで育った少年は嘘つきであるはずだと主張したり、 息子を愛するがゆえに殴って鍛えようとしたが喧嘩別れしてしまい、 そのことが心の傷となっている中小企業の社長が自己を正当化するために被告の少年の有罪を主張したり、 と実にさまざまな人々がさまざまな立場から有罪を主張するのですが、 彼らを次々と説得していくヘンリー・フォンダの熱演は見る者を引き付けて離しません。
 鑑賞の後、ディスカッションとなりました。最初は井上教官の鋭い指摘や先輩方の質問攻めに圧倒されそうになりましたが、 侃々諤々の議論をするうちその雰囲気にも溶け込んでいきました。 またなにより人間文化学科の持つエネルギーを感じることができ、この学科を選んで本当によかったと思う瞬間でもありました。

 最後に この映画は本当にお薦めです。派手なアクション映画を見るのもいいですが、 たまにはこういったクラシックの名画を鑑賞してみるのもよいのではないでしょうか。


人間文化学科ホームへ戻る