フランス陸軍士官学校 研修記


薗田 直隆


 今回私は10月5日〜10月27日の約3週間、歴史と伝統あふれるフランス陸軍士官学校へ運良く!研修に行かせていただける機会を得た。言葉が通じるかどうかが大きな不安であったし、また私が一番質問されたのがそのことについてであった。

 集合場所の駅に着くと、迷彩服を来た数人の人々。一目で分かる軍人さん達。
  「Bonjour!
と言って握手を求めてくる。なんて積極的な人達なんだろう。ここでやっとフランスへ来た、というか来てしまった!という気持ちになった。以前フランスに中学校の修学旅行で来たときは、日本人以外に話したのはホテルの人ぐらい。そのときは名所を走りまわり、常に時間との戦いであったため、モナリザ見たなぁくらいしか残らなかったフランス旅行であったが、やはり、今回のように現地の人々と多く話して初めてフランスという国に行ってきた、と実感できた。

 プライドが高く、英語なんかしゃべってもくれない、しかもワールドカップの決勝トーナメントに出られなかったから、機嫌が悪いかも・・・こういったイメージを持っていたフランス人であったが、私が受けた彼らの印象は、非常に友好的で、表情豊かで、面倒見がよくて、お祭り好きで、それでいて自分の国の歴史には非常に高いプライドを持っている、といったものであった。
 コミュニケーションに関しての不安は思っていたより軽いものであった。(あっちも英語は母国語でないため、お互いに多少のすれ違いや、単語が出てこないために伝えたいことを伝えきれないということは少しあったが)言葉が通じないときは、絵や身振りなどでどうにかなった。

 その中でも私が一番感じたのは、彼らの表情が豊かで、開けっぴろげな性格であった点である。見ていて飽きなかったし、そういったところが彼らの魅力だと感じた。はっきりしていて、曖昧な部分というのがない。「私はあなたがどう思うかは知らないがこういう人間だ!」と主張しているような感じであった。したがって、日本人の曖昧な「はい」「いいえ」の使い方でいくと誤解を招いてしまい、はっきり答えた方が伝わるし、また、日本人は遠慮しがちだが、あまり断らない方が雰囲気を壊さないし、ベターであると感じた。(断るかどうかは「as you like 」とは言われたのだが)

 次に、日本人は日本語しか話す機会がないが、フランスにおいてはスペイン語、英語と他国語を話す機会が多い。ヨーロッパの人々にとっての他国語は、同じアルファベットを用いているものであり、いわば私達日本人にとっては「方言」と同じニュアンスのものであるようだ。そのため、彼らは、日本の隣国の言語である韓国語や中国語について日本人が話せるものだと思っていたようだ。四周を海で囲まれた日本において、私達が日本語以外を話す機会は全くと言っていいほどない。
 彼らも、どうやら「漢字」=「日本語」と思っていたみたいで、中国語と日本語の区別がついていなかったし、さらには中国人と日本人の区別もつけられなかったようだった。区別をつけてもらうため、日本語独特の「平仮名」「カタカナ」など日本語の特徴を説明することになったわけであるが、このとき初めて日本語の構造について考えた気がして、これまで普通に思っていたのを不思議に感じてしまった。

 また、フランス人は日本の文化に非常に興味を持っているようだった。パリには日本のもののみを展示した博物館や寿司屋(写真:スシパラダイス)があったし、CDショップや本屋において、日本のCD、アニメ、漫画などを多く見た。「菊次郎の夏」や「WASABI」といった日本人の出演する映画についても彼らはよく知っていた。
 また、学校の武道の授業の中に柔道があったが、フランスでは全国的に柔道が盛んで、話を聞く限りでは、日本人よりも柔道をやっている割合が多いかもしれないと感じた。(写真:フランス人の柔道)しかし、日本に興味があるとは言っても、多少の誤解はあったようである。(私達も同じなのだろうが)

 今回の研修において、フランスの学生の騒ぐときは騒ぎ、遊ぶときは思いっきり遊び、締めるところはしっかり締める、といったケジメのよさや、「Noblesse oblige 」という考えなど見習うべき点が多々あったし、また、彼らと色々なことについて話すのを通じ、外国と比較することで自分の国が見えてくる、ということを実感できた気がした。

 ちなみにワールドカップの決勝トーナメントに出られなかったことを受けて、街にはフットボールグッズの類のものはほとんどしまいこまれて、売られていなかった。フランス人にとってショックがかなり大きかったようだ・・・。

 


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