(坂井照幸)
今回の教官インタビューは人間文化学科を率いる敏腕学科長、水野教授です。 授業中に絶対に上着は脱がないという「不思議なこだわり」と、 時にその美声を披露してくれる「サービス精神」に溢れる教官であります。
今回は私と「鬼才」星奈学生にてインタビューを挙行いたしました。まず教官の専門である儒教・陽明学について、話をお聞きしました。
高校時代に医学部志望の学生であった先生がなぜ儒教や陽明学に興味を持たれるようになったのですか?
私が大学に入学した頃は学生運動の真っ盛りで、大学は無秩序な状態にあったのです。その不安定な世の中にあって、自分の中で 倫理・規範を求める気持ちが高まり、東洋の古い思想に傾倒していったわけです。 卒論では老子について研究し、大学院から陽明学を専門に勉強しました。しかし論文はなかなか出来上がりませんでした。 夜も寝付けず、食事も喉を通らず、ついに頭部に直径5センチほどの禿部ができました。 あの頃は苦しかったですね。しかし
「毛なんかどうでもいい!思いっきりやってやろう。」
と決意を新たに取り組み、最終的に論文を書き上げることができました。
授業で歌を歌い始めるきっかけは何だったんですか?
高校で倫理の教師をやっていた頃、学生がテストでなかなか良い成績をとったので、まぁ軽くモノマネでもやろうかということで 始めたわけです。当時人気のあったヤクザ俳優の鶴田浩二のマネをして大ウケしてしまって病みつきになったんですね。 それ以来、学生の興味を引きつけるためにやっています。ただ歌の歌詞はなかなか使えましてね、人間の一面がよく表れているんです。
「これからも心の歌を歌い続けますから!」
と心強いことおっしゃってくれました。先生は植物を育てるという趣味をお持ちなのです。殺伐とした現代社会に疲れた私が求めていた癒しの世界が植物との対話の中から 見出せるのではないかと思い、かなり突っ込んでお聞きしてみることにしました。
先生の趣味は植物を育てることだと伺ったんですが・・・。
ええ!昔、母親が「菊の枝を切ってそれを土に埋めたら、根が生えて来るんだよ」と教えてくれましてね。 実際やってみたら生えてきたんですよ!感激しましたね。無から有を生じる、まさに神の意識でした。 それ以来、ずっと植物にはまっています。大学院時代には、 蘭を買うのに20万円つぎ込むくらい入れあげていました。
それから植物を植えるいい鉢がなかなか見つからなくてね、 底の浅い食器を使うことにしたんですよ。普通じゃ考えられないことですよ。鉢には底に穴が開いていて、 そこから水が抜けるようになっているんですが、食器には穴がない・・・。そこで特殊な土やらを使うわけです。 この方法を「味わうごとく植える」という意味で
『味植流』
と名付けましてね、私が家元です。
植物はそこにあるだけで人と人との間を 取り持ってくれるものなんですよ・・・。こうして私達のインタビューは無事終えることが出来ました。甘い羊羹と爽やかな緑茶、 そして名前は知らないが可憐に咲いた薄紅の小さな花を眺めながら、 楽しい一時を過ごさせて頂きました。マイルドセブンの淡い煙漂う研究室で今日もテーブルの上の小さな花が先生の心を 和ませていることでしょう。
(^へ^)y−〜・・・