助手 副田賢二の生活<若松>本日は学生5人によるインタビューです。よろしくお願いします。
<波賀>先生、聞かれたらまずい質問とかありますかね?
<副田>何もありません。裏表何にもありません、ガッハッハ。
<原>じゃあ、とりあえず副田先生の半生でも・・・。
<波賀>生まれはどちらですか?
<副田>ええとですね・・・、生まれは九州の佐賀県で、裕福とは言えない家に生まれました。親父はあんまり学問の香りのする人ではなかったですね。兄弟は姉が2つ上にいます。大学はそんなこんなで、結構大変でしたね。だから、金のかからない国立にいきました。山口大学。そして大学院は九州大学、その後慶応へ行きました。まあ、労働者階級出身って感じですね、ジョン・レノンのワーキング・クラス・ヒーローという歌に共感を抱きます。小学校のときに新聞配達をしていたんだけど、この話を慶応の友達にしたらすごくびっくりされてね。信じられなかったみたい。
文学を好きになったのはね、小学校のとき、家を親父がいろいろ増築してくれてね、そのときに便所も一緒に改造したんだけど、本を置くところを作ってくれてね、そこで太宰の「晩年」を読んだ。これがまた田舎の便所の雰囲気と合うんだわ。![]()
中学の頃から音楽はすごく好きで、稼いだ小遣いは全部CDにつぎ込んでいました。特にロックが好きで、ブルース・スプリングスティーンとかジョン・レノンとか・・・。この時期に趣味に夢中になれたことは、今でもすごくよかったと思います。若い頃はよく遊んでいて、あんまり勉強した覚えはないですね。偏差値ってやつが嫌いなんよ。だから、当時はあんまり意味がないと思っていて、受験勉強した覚えがないなあ。ただ、大学の学部の時に出会った先生がよい先生でね、それで近代文学にのめりこみました。君らの文芸部みたいなもので「読書会」っていうのがあったんだけど、ここでよくディスカッションをしたね。だから、明治から大正、昭和にかけてのあらゆるジャンルの本を読みました。
大学入学当初1年間誰とも話さない時期があってね。サークルはダサいし、俺、チャラチャラしてるのが嫌いなんで、コンパとかも行かなかったし。で、大学の寮で内田百ばっかり読んでた。ボロい寮でね、ドアもなんもあらへん、窓は破れてるし、猫も入ってくるし。あ、3匹ぐらい飼ってたけどね。そんな生活が大学2年ぐらいまで続いたかな。で、2,3年で「読書会」に入って話のわかる人に出会った。ディベートが好きでね、人とバトルするのが面白くてね、はまっちゃいました。で、研究で飯食っていこうと思った。まず九州大学の大学院にいったけどあまり収穫がなくて、そのあと慶応大学へ行きました。4年間慶応に行って、そのあと防大に来ました。
<宝嶋>どうして文学を?
<副田>よくわからないけど、好きだったし自分の中のもやもやしたものを追及したくて・・・。別に絵画や音楽でも良かったと思う。
<若松>文学とか芸術ってすごくストイックですよね。
<副田>そうやね。俺が考えるのは、芸術というのは自らを少なくとも2回はぶち壊してはじめて完成するということかな。ピカソとかいい例だよね。 中島みゆきは昔よく聴いてたけど、やっぱり落ちたよね。アートとして終わった。新しく再生してないよね。その点井上陽水なんかすごい。パフィーのアジアの純真とかびっくりしたよね。完全に昔のものをぶち壊して新しいものを創っている。
海外ではジョニ・ミッチェルだね。本を一冊書きたいぐらい好きです。一回聞いたぐらいだとスーッと流れていくのだけれど、聞けば聞くほどいいんだよね。あと、ニール・ヤングっておっさんがいるんだけど、どんなのかっていうと、9.11テロの後イマジンを流すのは自粛しようって動きがあったんだけど、そんなときにテレビに出て、イマジン歌った人。・・・。どちらかと言えば、音楽はイギリスよりアメリカのロックの方が好きだね。
<外崎>今後の目標なんかは?
<副田>学問レベルに関しては文学のインチキさってやつを徹底的に暴いてやりたいですね。そのあとに残るものが本当に素晴らしいものだと思う。文学だけでなくいろいろ見てみたいよね。 人生レベルに関して言えば、子供を育てたいってことかな。子供には押し付けないで、自然といろいろ試せるって環境にしてやりたい。自分が生まれてきた意味を残したいしね。どんなやつか見てみたいやん。
<若松>教員として目指すものは?金八なんかはどうですか?
<副田>やっぱりものすごいイデオロギーを感じるよね。金八には。でも金八ほど現実はきれいじゃないし。ちょっと違うね。僕の場合は学生と触れ合って、そこで感じたこと、考えたことをフィードバックしたいって願いがあった。でも、高校には向いてないと思った。教科書にそっては授業ができないからね。自分のしたいことばかりやっちゃう。授業は最初から自分でつくりたい、小さくても自分でつくりたいと思った。で、学生とも触れ合いたかったから、今の職になったって感じです。 ここ防大は幹部自衛官になるところであって、文学専門に勉強するところじゃないでしょう。そういうところであるからこそ、文学を確実にしっかり教えたい。こういう学校で、文学に興味持つやつと話がしたい。 みんなには文学を疑うことから始めて欲しいですね。知識を送るだけじゃいけない。パワーとパワーをぶつけ合わないと面白くない。だから、学生の方からも影響を受けたいね。軋轢やらそういった負の要素を全部抱え込むくらいのパワーはあると思っているしね。
<波賀>先生の一日のタイムテーブルを教えてください。
<副田>こっちに来て起床時間とかがはっきりと決まったね。昨日は木曜だったから朝7時半に起きた。朝は本当に弱くて、防大の学生舎の暮らしは自分にはちょっと辛そうだね。朝は食べない、食べない方がいいってデータもあるし。で、昼も軽くしか食べないね。ラーメン一個とかお菓子とか。家が狭くて本が置けないので、いつも研究室にいるね。夕方の6時くらいごろから最近は阪神戦とか聞きながら授業の準備をしています。野球は阪神とダイエーが好きです。あと、研究室を住みやすくしようと思ってね、植物とかいっぱい置いてます。 で、だいたい夜中の1時か2時くらいに寝ます。森?外じゃないから、2時間寝て2時間起きて・・・。そんなのはムリです。
<波賀>深夜番組とかよく見られる方ですか?
<副田>うーん、テレビは最近あんまり見ないからね。ドラマとか見ないし。お笑いは見るかな?
<波賀>奥さんはどんな方ですか。何度か研究室にこられているところを見たことがあるんですが・・・。
<副田>九州大学にいるときに知り合ったんだけど、同じ文学研究者です。彼女は歌舞伎や演劇を専門に研究していて、いくつかの大学で非常勤講師をしています。
<波賀>共働きということは、家事などはどうされているのですか?
<副田>うちはどっちがやるとかは決めてないなあ。暇なほうがやるって感じかな。
<原>趣味とかは?
<副田>そうですね、山に登るのが好きだね。山小屋とか嫌いだからテントもみんな持って行って登ります。体力と根性だけあればできることだからね。車を運転するのも好きです。
<宝嶋>ではそろそろまとめの方を、学生に一言みたいな感じで。
<副田>パワー全開の自分をさらけ出せ!ですかね。ガッハッハ。
<若松、波賀、原、外崎、宝嶋>「ありがとう副田先生!」
副田先生は一見、おとなしくて穏やかな感じがしますが、本当はお茶目でとてもワイルドな人です。大変楽しいインタビュ−でした。皆さんも機会がありましたら、ぜひ副田先生の研究室へ行かれることをお勧めします。
<文責:波賀・若松>