寶嶋 賢二
我々人間文化学科3学年は去る9月に東京都の上野公園にある、東京都美術館で開かれた、「飛んでイスタンブール♪」でお馴染みのトルコ共和国が誇るかつての3大文明(ヒッタイト帝国、ビザンツ帝国、オスマン帝国)を一挙に集めた「トルコ三大文明展」に行ってきました。
本年は「2003年日本におけるトルコ年」として、トルコを日本に紹介するイベントが多く予定されており、その一環として行われたのがこの文明展というわけです。私は、高校時代は日本史選択でした。世界史も1年生のときにやったのですが、1年間のカリキュラムではオスマントルコ成立を迎えないまま志半ばにして終えてしまったので、今回の展覧会はまさに未知との遭遇、わくわくした気持ちで上野へとバスは進みました。
2時間ちょっとのバスのたびを終え、美術館の中に入るとそこには受付に並ぶ人の長蛇の列が・・・しかし、私たちは団体予約のお陰ですぐに入場することが出来たのは良かったのですが、中も変わらずの盛況ぶりでした。このトルコ三大文明展はヒッタイト帝国の遺産、ビザンツ帝国、オスマン帝国と順路に沿って順番に見ることが出来る構成になっていたため、時代に沿って発達を遂げる道具、そしてキリスト教文化からイスラム教文化へと変化した過程などがリアルに見て取れたので大変興味深く、また感銘を覚えました。
今回のこの「トルコ三大文明展」はトルコ政府の特別許可を得て、貴重な文物の数々が公開されていました。特に私自身また学科の仲間、他のお客様の目を一番引いていた世界最大級のエメラルドを散りばめた短剣、通称「トプカプの剣」は日本初公開であり、18世紀のオスマン帝国の宝飾技術の最高傑作の一つであり、その輝きには光物にはさして興味のない私もさすがに目から鱗でした。
現在のトルコ共和国は、2つの大陸にまたがり、3つの海(黒海・地中海・エーゲ海)に囲まれ、アナトリア高原を中心とした全長1500キロにもわたる広大な国土を持つ国です。この土地では、さまざまな民族・宗教がとけあって、歴史上類まれな文明を育み、そして花開かせてきました。トルコは、文字通り「文明の十字路」にふさわしく、東と西の人類・文化が融合された稀有な存在です。本展では、トルコの地に花開いたヒッタイト、ビザンツ・オスマンの各帝国とその文明に焦点を当てていました。ヒッタイト帝国は古代エジプトと対峙して人類史に多大な影響を与え、ビザンツ帝国は、ローマ帝国千年の都市コンスタンチノープルにキリスト教文化をはぐくみ、そしてオスマン帝国は600年以上も続いた大イスラム帝国を築き上げました。
私は今回、トルコ4000年の歴史絵巻をこのように壮大なスペクタクルに彩ったトルコ三大文明展に行くことが出来たことは、私の教養力アップ!以上に大きなものを心に刻むことが出来たように思います。そして、これで「トルコってどんな国?」と聞かれたときに「・・・。あー、サッカーが最近強いね」としか言えなかった自分ではなくなったと思います。これを機会に私はさまざまなことに興味を持って、毎日の生活の中で目に映るもの、耳に入ってくることなどを積極的に取り入れてみようと思いました。それは、展覧会に真剣に見入っている人々のまなざし、自分とは比較にならない感性を持って鑑賞している仲間に影響を受けたというのもあると思います。このトルコ三大文明展を自分の中でいろんな意味でいいきっかけに出来たらいいなと思いました。