「大英博物館の至宝展」



 人間文化学科2学年は、11月21日、東京都美術館で開催されている「大英博物館の至宝展」を研修しました。
大英博物館は今年、創立250周年を記念して、特別展を開催しています。私たちがいくつかある校外研修の候補の中から、ここを選んだのは、やはり、展示品の歴史的、空間的スケールの広さからでした。ルネサンス期はもちろんのこと、ギリシア・ローマ期から、b.c3000年以前の古代オリエントのものまで、ユーラシアから、南北アメリカ、アフリカ、太平洋の島々まで、多くの貴重な品々が集まっています。

  それらの一例として、チケットの半券にある五つの展示品を紹介します。まず、「牛頭のある女王のリラ」。b.c2500年頃のシュメール時代のある女王の墳墓から出たものです。リラとは小さな竪琴のことで、牛頭はそれについた装飾です。先日、自衛隊のイラク派遣候補地に近いナシリヤで爆破事件があり、問題となっていますが、シュメールの代表的都市のひとつであるウルは、この付近にあり、この牛頭も1920年代の調査のとき、ここから発掘されたものです。
  次は「テーベの女性神官のミイラボード」。ミイラはふつう、何重もの棺に入れられており、これは最も内側の棺です。この棺は、「悪魔のミイラ(本来は棺であるのに、間違ってミイラとなっている)」とも呼ばれ、これを船で運び出そうとしたイギリス人4人がいずれも原因不明の熱病で命を落としています。
  次は「聖エウスタキウス聖遺物容器」。この人は、ローマ帝国の領土を最大化したトラヤヌス帝に迫害され死んだ辺境の王です。容器の中には、この人の遺骨の一部と思われるものが入っていました。
  次は「ルチアの肖像の絵皿」。絵皿の中に1524年とかいてあります。この絵は、ルネサンス期イタリアの当時流行の女性を描いたもので、広い額と眉毛が特徴です。この皿自体はルチアという女性に贈られたものと思われ、こういった皿は当時盛んに作られました。
  最後に背景画「メランコリア」。ルネサンス期ドイツの画家デューラー(1471〜1528)によるもので、絵画の苦悩を描いたものとしては最初の絵です。素人の私は、絵が表現する苦悩よりも、その線の細かさに驚かされました。本展では、このほかにも数点デューラーの絵が展示されています。
  このほかにも、順路を進んでいくと、突然聖徳太子の絵があり、マーシャル諸島で使われていた竹でできた海図があり、どう見てもふざけているようにしか見えないアメリカインディアンがつくった焼き物などがあり、飽きることがありません。

  このように見る人をあきさせず、世界を紹介する大英博物館は、イギリス啓蒙主義の賜物と呼ばれています。この博物館を創立したのは、サー・ハンス・スローンという人で、彼は、西インド諸島にわたり、医者として働きながら、一方で学者として、研究のかたわらたくさんのコレクションを集めました。1753年彼の遺言がもととなって、大英博物館法が制定され、世界で始めて教会や修道院に属さない、広く市民に開放された博物館が誕生しました。当初8万点から始まり順調に数を伸ばし、数度の移転や大戦からの疎開を経て今日に至ります。

  東京都美術館の周りにはほかにも幾つかの建物が並んでおり、飽きさせません。西郷どんの像も有名です。場所はJR上野駅のすぐうしろで日帰りにちょうどよく、制服でも問題ないので、1学年におすすめです。ぜひ一度足を運んでみてください。



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