憲政と皇居に思いを巡らせ
荒川 明秀
去る6月12日、我々人間文化学科2学年23名は東京に校外研修に赴いた。梅雨シーズン真只中であったが幸運にも当日は快晴であり、絶好の研修日和であった。
まず我々が訪れたのは衆議院憲政記念館であった。憲政とは憲法に基づいて行われる政治のことだ。この施設は1970年(昭和45)にわが国が議会開設80年を迎えたのを記念して、議会制民主主義についての一般の認識を深めることを目的として設立され、1972年(昭和47)3月に開館された。当館は永田町にあり、国会議員の方々も訪れることで知られる。
憲政史シアターでは西欧の議会思想が移入された幕末から明治維新、帝国憲法の制定、帝国議会の開設を経て、戦後、新憲法の制定によって新しい国会が発足したという一連の流れを学ぶことができた。先人たちがいかに苦労して現在の議会政治を作り上げたのか、またその議会政治の重要性を改めて認識する良い機会になった。このシアターで学んだことは憲政史の概略であるから、これから時間を見つけて詳しく勉強していこうと思う。館内には他にも憲政の歩みコーナー、映像検索コーナー、国会の仕組みコーナー、情報検索コーナー等といった趣向を凝らした展示物が設置されており、老いも若きもわかりやすく憲政について学ぶことができるようになっている。立憲政治は一部の人間のものではなく日本国に生きる我々にとっては切っても切れないものであると再認識した。昼食を憲政記念館内のレストランでとったのち我々は次なる目的地、皇居に歩を進めた。実は私が皇居に訪れたのは今回が初めてではない。小学生の時分に剣道の全国大会に参加した際、武道館で稽古をさせて頂いたことがある。今回は一般参観コースにて皇居を見学した。本コースでは皇居の奥までは立ち入ることはできなかった。見学には中学生の修学旅行生や海外からの観光客、アベックなど様々な人びとが訪れていた。イギリスでも「開かれた王室」として、例えばウィンザー城の一般公開などをしている。
この機会を生かして事後の私の勉学の糧にしていこうと思う。最後になりましたが今回このような研修の計画を立ててくださった関係各位の皆様、とりわけ野村教官と川崎教官には厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
校外研修に関するレポート
神塚 悠史
国会議事堂のすぐそばにある憲政記念館から我々の校外研修は始まった。ここでは、憲政の歴史や憲政功労者に関する資料が収集されるとともに、国会の運営および組織等が映像や資料によって分かりやすく説明されており、一般市民が議会制民主主義についての認識を深めるのに役立っているそうである。まず初めに我々は「憲政史シアター」を見学した。このシアターでは幕末から明治、大正、昭和、そして平成に至るまでの憲政の歩みを紹介している。私は高校の時に日本史を選択していたが、シアターを見ていくうちに憲政の歴史には教科書で名前を見たことのある人物が多数関わっていることに気がついた。高校生の頃は単なる知識として覚えていた名前が、急に身近に感じられた気がした。次に、「憲政の歩みコーナー」へと足を進めた。このコーナーでは憲政に関する貴重な資料が多数展示されており、憲政の歴史の深さを感じることができた。また、記念館内のレストランで昼食をとっていた時に、現職の国会議員にお目にかかることもできた。将来このような人たちと仕事をするということを考えると非常に感慨深かった。
憲政記念館を見学した後、我々は皇居へと向かった。正月などにテレビでたまに見ることはあるものの、私は皇居についてのはっきりとしたイメージを持っていなかった。実際に中に入ってみて、私は皇居の広さに驚いた。もう少しこぢんまりとしたものを思い描いていたが、まさか1時間強歩きまわる程の広さとは想像していなかった。休憩所で説明を聞いた後、我々は一般参観コースと呼ばれる経路を歩いて行った。その途中に、宮内庁庁舎があった。この建物は昭和10年に建築されたものであり、レトロな雰囲気を醸し出していた。ここの3階は昭和44年まで仮宮殿として使用されていたという。私は宮内庁が皇室関係を司ることは知っていたが、皇居内に庁舎があるとは知らなかった。こうすることで皇室との緊密な連携が取れるのであろう。しばらく歩いて、宮殿東庭に到着した。恐らく、皇居と言えばここをイメージする人は多いのではないだろうか。私もこの場所はテレビで見た記憶がある。非常に荘厳な雰囲気である。機会があれば、一般参賀にも来てみたいと感じた。今回の皇居研修で東御苑内、特に江戸城天守閣跡を見学できなかったのはとても残念であった。機会があれば、是非とも行きたいものである。
今回の研修で見学した憲政記念館および皇居は、このような機会がなければなかなか行けない場所ではないだろうか。しかしながら、実際に行ってみると思わぬ発見をたくさんすることができた。次回の研修でもそのような発見ができることを期待している。
校外研修レポート
清水創一郎
私は今回の校外研修において、多くのことを得たと思う。まず、最初に訪れた「憲政記念館」という場所であるが、私は校外研修で憲政記念館に行くと知るまでは、そのような場所があることも知らず、それに関する予備知識も全くなかった。私にとって、憲政という言葉とはとても縁遠いものだったのだ。しかし今回、憲政記念館を訪れ、「憲政とは何か」についての展示を一つ一つ見てゆくうち、段々わかってきたことがある。私には「憲政の歴史」は、「明治維新以降の日本が、どのようにして諸外国に負けないような国をつくろうとしてきたか」の歴史であると見えた。そこには高い理想を掲げ、自らの身も省みずにより良い政治を作り上げようとする無数の人々の足跡があった。私の頭では名前を覚えきれないほどの多くの人々の努力によって、私の生きているこの国は形作られてきたのだなと感じた。
私は自らの立場上、軍事や外交の問題については非常に興味がある。この記念館の展示資料にも、やはりその類の問題について大きく取り上げられていた。しかし、この記念館の展示の視点には、私の視点と決定的に違う部分があった。私の物の見方はあまりに単純で、「このようなことが起こり、そしてこの国はこのように動いた」という程度の知識しかもっていなかった。しかし、政治はその事件との一次的な因果関係を捉え対処するだけではなく、二次的・三次的な関係をも先読みして動いてゆかねばならない。そうしなければ国民が非常に大きな損害を被る。ここでも、私たちが日々安穏と過ごしているこの国は、多数の方々の目に見えぬ努力によって動いてきたことを知った。
次に訪れたのは皇居であった。私は前々から、皇居はどのような場所なのだろうかと興味を持っていたため、研修前から非常に楽しみにしていた。晴れ渡る空の下、我々は桔梗門より見学コースに入った。その時に感じたのは、ここは日本の中心なのだろうな、というどこか郷愁にも似た感情だった。天皇の存在については多種多様な意見があるが、私の思う「天皇」は、有史以来常に日本の歴史の中心にいるというイメージである。東京の真ん中に巨大な堀と緑があり、日本の象徴である天皇がおられる。そのことに今更ながらに気付き、ここには「日本」があるのだな、と感じた。
今回の研修では、「日本」というものについて認識を新たにしたと私は思う。「政治」という側面からの日本、そして「象徴」という視点からの日本。それぞれ、私がただ日常を過ごしていただけでは気付くことができなかった世界であった。今回の研修を通してそれを知れたことは、非常に得難いことであった。