防衛大学校システム工学群建設環境工学科

学科について

学科長挨拶

 防衛大学校建設環境工学科は、防大の前身である保安大学校が1952年に開設(防大への改編は54年)された時に、国防を担う自衛隊幹部の教育に欠かせない学問分野の一つとして土木工学専門が設置されて以来の、長い歴史と伝統を有しています。昨今の地球環境問題の重要性に鑑み、2000年度に防大教育体制が改革されたおり、学科名を変更しました。

 建設環境工学科での教育内容は、他の国立大学土木工学科と同様に、道路・鉄道、橋・トンネル、港湾・空港、河川、発電、上下水道など快適で便利な市民生活を営む上で欠かせない社会基盤施設(infrastructure)の計画・設計、施工、維持管理に関わる全てのことがらです。なかでも防大建設環境工学科では、卒業生が活躍する自衛隊の任務の多様さを考え、また教育・研究レベルを高く保つことも意図して、構造工学系・地盤工学系・水&環境工学系の3本柱を建て、特に衝撃関連、防災関連、地盤・環境関連の実験設備を充実させて、活発に研究も進めてきました。

一般的に、防大教育における専攻と卒業生の任官後の職種は直接にはリンクしないのですが、卒業生が陸海空のどのような分野に進んでも役に立つ、合理的な思考能力、小異に惑わされることなく大局を見るセンス、自然環境やそこに生活する人々の心を思いやる人間としての優しさ・・そのようなバックボーンを教え、育てていきたいと考えています。土木の世界で昔から言われたように「兵に将たるのではなく、将に将たる」ために・・・。

教育方針

建設環境工学科の教育の核となる土木工学 (Civil Engineering) とは,地球上の社会基盤施設を計画・建設または維持したり,あるいは環境保全を図ることなどにより,より良い生活環境を実現するための技術に関する学問を指します。すなわち,豊かで文化的な社会生活の基盤を創造するための総合的な工学です。その歴史はピラミッドの建設などのように古く,世界的・社会的視野と科学,文化全般を基礎として研究・開発されながら発展してきました。

明石海峡大橋などの橋梁,黒四で有名なダム,青函トンネルのようなトンネル,東名・名神などの高速道路,東海道・東北新幹線のような鉄道,成田や関空のような空港,横浜港などの港湾,油田開発などに使われる海洋構造物,ガス・電気・上下水道のようなライフライン施設など,建設・管理の対象となる構造物は多種多岐にわたっています。また,これらの構造物は単品生産のオーダーメイドであり,いずれも公共的な性格を有しています。したがって,その一つ一つの機能はもちろん,経済性や美観など周辺環境との調和が必要です。特に,近年は積極的に環境を保全し改善することの重要性が認識されるようになってきました。そのため,環境分野への配慮をも重視した教育を行うことを表すため,「建設環境工学科」 (Civil and Enviromental Engineering) と呼称することとしました。

建設環境工学科では,道路・橋梁・港湾などの建設や都市計画に関する理論及び実際を学習する土木工学と,津波・地震・落石などの自然災害から人命を守るための防災工学や人間の社会生活に関わる環境問題を扱う環境工学に関する幅広い教育を行います。すなわち,構造物と土と水と環境問題に関連する総合工学の教育を通して,自然との調和を図りながら豊かな社会生活を確保するために必要な知識と技術を学びます。その際,授業で習った知識と実際面との対応をより深く理解できるように,工場見学や現場見学を通じて確かめることができるようなカリキュラムを組んでいます。

また,学習の総まとめである卒業研究は,地震,津波や落石に対する防災問題や地盤・川や海に関わる環境・設計問題など最新の知識・技術が必要とされるテーマを対象とし,学生は教官とともに問題追求しています。

本学科の学生は,卒業後,陸上・海上・航空の各自衛隊で幅広い職種に従事しますが,とくに国内での災害派遣や国際平和維持活動(PKO)は,土木・建設による技術貢献が期待されていますので,本学科では単なる知識・技術の習得だけでなく,社会活動に貢献できる人材を育成することを重視した教育を行っています。