防衛大学校システム工学群建設環境工学科

理工学研究科

防衛大学校理工学研究科は前期課程と後期課程から成り,それぞれ一般大学の修士課程(博士前期課程)と博士課程(博士後期課程)に相当する.

博士前期課程

地球環境科学専攻 土木環境工学大講座

 地球の自然環境の中で,現在も未来も快適で豊かな人間の営みを可能にするためには,地球の大気や海洋にみられる様々な現象や地球の地殻活動,また地球惑星を含む宇宙の構造と進化などの地球環境に関する自然現象を科学的に理解し,それを応用する技術が必要である.そのためには,地球の自然現象に関わる諸々の問題を理論的・実験的かつ数値シミュレーションによって科学的に分析・予測できる手法や技術等について研究することが重要である.そこで,研究の実施にあたっては,研究分野ごとの理論の学習とともに,現象を野外において実地に観測し,また数値実験及び数値解析を行い,地球科学に関する高度の知識・技術を修得する.
 また,現在,狭い日本の国土の中で都市間交通システムやライフライン施設など社会生活に密接な基盤施設構造物が高密度で発展している.進歩・発展の裏では,高速・高密度化にともなう自然災害に対する脆弱性や人為的な事故の発生の増加とともに,大気汚染・水質汚染・土壌汚染等の環境問題が深刻な社会課題となっている.21世紀においても豊かな社会生活が営み続けられるためには,地域的あるいは地球規模での自然環境と調和のとれた施設・構造物を整備することが重要である.そのためには,各種の防災技術や設計工学並びに環境工学に関する高度の知識・技術を修得することが必要とされている.
 土木環境工学大講座は,構造工学・衝撃工学・地盤工学・水工学の4つの研究分野で構成される.

構造工学 ( Structure Engineering )

 土木構造物,特に大地震や土石流災害などに対する防災のための構造物の設計に資する知識や技術について教育・研究する.構造設計は,意思決定技術の応用分野の一つであり,それらを体系化した「最適設計理論」や「信頼性工学」について研究する.また,災害の発生源である地震や土石流の規模や発生頻度の推定法について,「確率論」や新しい「情報処理技術」を応用することについて研究する.さらに,主たる土木構造材である鉄筋コンクリートの応答について,「鉄筋コンクリート工学」やその動的応答を解明する「振動工学」によって研究するとともに,その破壊限界について「破壊力学」等を用いて研究する.そして,災害発生時の「危機管理対応」に関してリスクの定量化を基に研究をする.

衝撃工学 ( Impact Engineering )

 土木建築の分野では,落石・地震などによる自然災害による事故と車両や航空機などの衝突,重量物の落下・爆発物の爆破など人為的な事故によって衝撃外力が発生する事象が多くある.こうした事故から人命を守るためには,衝撃力を受けても構造物が破壊することがないような耐衝撃設計が必要である.そこで,衝撃力を受ける構造部材の破壊メカニズムや材料の物性について実験的に調べるとともに,数値解析によるシミュレーション手法について研究し,衝撃工学に関する知識や技術を修得する.

地盤工学 ( Geotechnical Engineering )

 人類の営みを支える地球上の構造物は,自然や地盤とのかかわり合い無しでは創造できない.地盤工学分野では,地盤構造の設計・施工、地盤災害,自然・地盤環境等に関連する諸問題を解決するために必要な土・地盤の工学的諸学術について学ぶ.設計施工・環境物性等に関する物理化学的性質や圧密・せん断等に関する力学的性質等に関する地盤工学はじめ,補強土工法の解釈と適用、廃棄物の有効利用と応用,地盤汚染の修復と防止,開発と自然環境の保護保全等に関する自然環境・環境地盤工学に関する科学的思考・知識・技術を修得する.

水工学 ( Hydraulic Engineering )

 我々の社会生活や環境は,豊富な水資源と,その水の循環システムの上に成り立っている.したがって,水は非常に多岐にわたる問題を我々に投げかける.水資源の確保や水環境を保全することの重要性は言うまでもないが,人口の多くが水際に分布している我が国では,集中豪雨や洪水・津波などから生命や財産を守ることも重要である.また,国土が狭い我が国では海洋の空間利用や海洋資源の開発も重要になってきた.水資源を確保し,環境を保全し,水災害からの安全性を高めるためには多岐にわたる水の運動特性を解明する必要がある.ここでは,理論・実践・数値解析を通して水の運動の基礎理論を学び,水文学・河川工学・海岸工学・海洋工学等に関する諸問題を解決する技術開発能力を修得する.

博士後期課程

装備・基盤工学系専攻 防災工学

 構造物全般と地盤並びに河川や海岸等で発生する災害に関し,それぞれの発生メカニズムの解明と,より合理的な防災,復旧並びに環境保全技術の開発を目指し,理論的かつ実証的な実験・解析を行い,広い視点に立った教育研究を行う.