防衛大学校システム工学群建設環境工学科

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環境防災工学研究室

環境防災研究室では,地震・火山噴火・土砂災害などの自然災害や 火災・車両の衝突・重化学工業プラントの爆発・テロといった人為的災害における災害軽減技術に関する教育・研究指導を行っている.

主な研究テーマ:災害復旧支援と自衛隊,コンクリートの窒素ガス試験方法,衝撃荷重を受ける超高強度鋼繊維補強コンクリート梁の設計方法

教員

教授藤掛 一典 専門分野コンクリート工学,動的材料学 本科担当科目鉄筋コンクリート工学,建設施工学,構造・コンクリート実験 研究科担当科目動的部材強度学(博士前期),防災構造工学特論(後期) Emailfujikake[at]nda.ac.jp Web(個人のページへのリンク)
講師本山 紘希 専門分野地震工学 本科担当科目防災構造学,構造・コンクリート実験,測量実習,図形科学,大規模災害対処計画論 研究科担当科目防災構造学特論(博士前期),防災構造工学特論(後期) Emailhiromoto[at]nda.ac.jp

主な研究テーマ

地震災害時における人命救助への制御放電衝撃破砕技術の開発と適用

大地震で倒壊した建物に閉じ込められた人々の救助は,地震発生から72時間以内に行うことが重要である.迅速な救助のためのアクセスを確保するための瓦礫の除去には,放電衝撃破砕工法を用いることが有効であると考える.放電衝撃破砕工法では,図に示すように放電衝撃破砕装置内のコンデンサに一時的に充電した高電圧エネルギーを極めて短時間で放電することによって放電カートリッジ内の自己反応性液体を急激に燃焼させることにより爆薬の爆発に近い大きな破砕力を発生させるものである.本研究室では,地震災害時における人面救助のための基礎的な研究として,放電衝撃破砕によるコンクリート中に入る亀裂の進展方向を制御する技術開発を行っている.

衝撃荷重を受ける超高強度鋼繊維補強コンクリート梁の設計方法

圧縮強度が200MPaを超える超高強度鋼繊維補強コンクリート(反応性粉体コンクリート:Reactive Powder Concrete)は超高強度ならびに高じん性を有する高性能材料として衝撃荷重を受ける構造物への適用が期待されている.本研究室では,超高強度鋼繊維補強コンクリート梁の衝撃特性を調べるとともに,超高強度鋼繊維補強コンクリートの材料レベルにおける載荷速度効果を踏まえた構成モデルを用いてその衝撃挙動を解析的に評価する手法の開発を行っている.

急速一軸引張載荷試験
急速一軸引張載荷試験
衝撃載荷試験の説明
衝撃載荷試験

コンクリートの窒素ガス試験方法

ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)の研究グループと共同で, コンクリートの新たな強度試験法の開発を行っている. 本試験方法では,コンクリートの円柱供試体を両端が開放された鋼製の円筒載荷容器の中に入れ, コンクリート円柱供試体の側面に不活性のガス圧を作用させると, ほぼコンクリートの引張強度に等しいガス圧で供試体が軸方向に破断されることを利用している. 本試験方法は,試験装置自体が一般的なコンクリートの強度試験に用いられる 油圧載荷装置と比較して非常に安価であること,建設現場においても容易に試験が行えること, 供試体の端面処理が不要であることなど多くの利点を有している. 本研究室では,現在,新たな強度試験方法におけるコンクリート 供試体の破壊メカニズムの解明を最大のテーマとして研究を行っている.