防衛大学校システム工学群 建設環境工学科
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本学科教員が第16回シニア文学新人賞を受賞


本学科の山口晴幸教授が全国文芸同人会「コスモス文学の会」主催 第16回シニア文学新人賞(ノンフィクション部門)を受賞しました。

受賞者

  • 建設環境工学科 教授 山口晴幸

 

受賞日

平成22年8月1日

 

作品タイトル名

琉球王国生誕600年・・沖縄の史跡・古泉・渚を歩く 王朝風土を潤す〜琉球古水

 

概要

 11年程掛けて沖縄諸島、大東諸島、宮古諸島、八重山諸島の史跡、古水、渚を歩き、歴史的背景や逸話・伝説などの故事来歴を秘めた霊泉・聖泉や古泉・命泉を始め、今も生活用水として活躍している井泉・洞井、人家の庭先・軒先に忘れ去られた嘗(かつ)ての掘り抜き井戸など300箇所を超える水辺を訪ねている。沖縄独特の土着信仰の対象で、「生命(いのち)の水」であった「古水」を中心に私記している。
 水の乏しい島々に住み着いた古琉球の先人達の足跡を辿ると、水を求め移住し水の湧き出すところに集落を形成して、独特の風俗・文化を発展させ、やがて「琉球王国」という輝かしい「雅(みやび)」の王朝文化を成就させ、一大海洋王国を築き上げたのは600年余も前のことである。「水」は旱魃(かんばつ)から作物を守り、飢餓から庶民を救い、豊かな食料は生活を潤す。五穀豊穣は庶民の生活安定・子孫繁栄を約束し、しいては王国の繁栄安泰を保障する。その礎となっていたのが、まさに「水」で、「生命(いのち)の水」となり「生命(せいめい)の根源」であることを、古琉球の先人達が継承してきた「樋川(ひーじゃー)」や「川(かー)」の古水は明快に物語っている。古琉球から培われてきた沖縄独特の土着信仰と融合し、「古水には水神が宿る」として水を最高神に神格化し、王国最高位の宗教祭祀(さいし)と位置づけ、歴代国王自ら御願(うぐあん)する「東(あがり)御廻(うま-)い」の一大巡拝祭事は200年余も続けられた。この信仰精神は、今もなお脈々と受け継がれており、古水の水辺では祖霊供養・家内安泰・無病息災などの祈願に訪れる地域住民のかけがえのない精神的拠り所として尊崇の場となっている。「水の尊さ・大切さ」の深淵に横たわる世代継承の意義を、古琉球人の「水」に対する畏敬の思いから学ぶことができる。
 南島ブームといわれる一方で、政治・経済面では厳しい問題を抱える沖縄。琉球王国の礎を築いた古水に映える先人達のまなざしに触れる旅は、「水」の発する深奥さを感受させてくれるにとどまらず、コバルトブルーの海・サンゴ白砂の美しい自然と調和した独特な風土文化を育む島々はまさに日本の「宝」だと、いわせてくれる。


* 全国文芸同人会「コスモス文学の会」(長崎県長与町 広岡 航代表)について
 コスモス文学の会は、文学の創作活動を通して、「人生をより充実、豊かに、たのしくしていく」ことを趣旨とした全国規模の文芸同人会で、30年近く「コスモス文学賞」(年齢不問)などの授賞を続けてきている。近年、シニアの応募が増えてきたことから、2006年に60歳以上を対象とした「シニア文学新人賞」を設立している。コスモ文学賞と同様に、長編小説、中篇小説、短編小説、童話、ノンイクション、評論、脚本などの作品を対象とした11部門がある。また年間賞として、年間の11部門でのそれぞれで、シニア文学新人賞作品等の中から、特に優れた作品には、「シニア文学賞」が授賞される。


* シニア文学新人賞について
60歳以上の作品を対象に、毎年、3ヶ月ごとに4回全国公募し、年4回、11部門ごとにシニア文学新人賞を贈っている。今回の受賞はノンフィクション部門の作品に対する第16回シニア文学新人賞(2010.8.1付)である。





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