自動車工学研究室

傾斜地におけるクローラ車両用摩擦モデルの構築

クローラ車両(装軌車とも言い、戦車のような走行システムの車両)の走行を数値シミュレーションするとき、クローラと路面の間に働く摩擦を計算する摩擦モデルを用います。一般に用いられるクローラの摩擦モデルは、車両の移動速度とクローラ速度の差であるすべり速度の式で表されます。このモデルを使うと、車両が停止している状態では、クローラと地面の間にはすべりがないために摩擦は生じません。水平平坦な路面で走行をシミュレーションする場合は問題ありませんが、傾斜した路面でのシミュレーションは実験値よりも斜面方向に車両が流れてしまう結果となります。この摩擦モデルでクローラ車両が(ブレーキを掛けて)斜面に静止した状態を考えると、クローラと路面にすべりが無いので摩擦は計算されず、斜面方向の重力成分に釣合う力が車両に作用しないことから、斜面上で静止ができないことになります。実際にはそのようなことは無く、最大登坂角以下の斜面でブレーキを掛ければ車両は静止できます。この研究では、斜面を走行するクローラ模型車両に作用する摩擦を測定して、斜面での走行がシミュレーションできるクローラの摩擦モデルを構築しています。


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傾斜地におけるクローラ車両用摩擦モデルの構築