貴金属代替触媒に関する研究

田邉 講師


 自動車排気ガス浄化技術や省エネに用いられる触媒の多くは、白金(プラチナ)などの貴金属と呼ばれる非常に高価な金属です。貴金属の代わりに安価なニッケルや銅などの複数の異なる金属を混ぜ合わせて、貴金属と同等以上の触媒性能を発現する「金属間化合物」の研究をしています。金属間化合物の特異な表面構造は触媒反応の活性点として機能します。また、触媒合成の出発物質として用いることでナノポーラスや合金ナノ粒子を創出することができます。この様に金属元素の多様な組み合わせやナノ組織を利用することで貴金属を代替する触媒の創出を目指しています。

溶融金属めっきに関する研究

篠塚 助教


 錆びやすい鉄板の耐食性を高めるためによく用いられる手法として,溶融金属に鉄板を浸漬する溶融金属めっきがあります。鉄板に亜鉛をめっきしたトタンや,錫をめっきしたブリキは昔から使われています。現在,主に研究を行っているのは鉄の溶融アルミニウムめっきです。アルミニウムは緻密な保護性酸化被膜を形成するため耐食性が高く,浸漬中に形成する金属間化合物の融点がアルミニウムより高いため使用可能温度を高くすることができます。しかし,その金属間化合物(Fe2Al5)は成長速度が速く,短時間の浸漬で厚く生成してしまいます。Fe2Al5は脆いため,あまり厚いと鉄板の加工時にめっき層が破損することがあります。また,長時間高温で使用すると,表面にいたAl原子が鉄板の内部に拡散して表面のAl濃度が低下してしまい,耐食性を悪くします。そのため,鉄中のAl原子の移動速度を低下させることを目的に,金属間化合物の生成メカニズムを検討しています。