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応用分析化学 国内学会等 海外学会等 NIST留学記 NDA留学記

【報告-第12回】 2000年6月 
皆様:
第12回目の報告です。
前々回に報告したように、妻が免許の取得にチャレンジしていたのですが、
ついこの前、取得に成功いたしまいた。
取得まで最低4ヶ月間必ずかかるのですが、それまでの苦労話は特別編2として、
私のホームページ上にて公開されています。興味がありましたら、お読みください。

さて、今回の報告は、、、、ちょっと手を抜かせて頂いて、
NISTでの最近の環境について報告いたします。

前回の報告で、サンフランシスコ郊外で開催されたENCに参加したことはお話しました。
この開催中、NISTのポリマーディビジョンでは、
大変な組織改変(reconstruction or rebuilding)があったのです。
しかも、みんな結構わけわからん状態になっていて、どうなるのか誰もはっきりわかっていませんでした。
今も混沌としています。

さて、ここでもう1度NISTのポリマーディビジョンについてお話しましょう。
(というか、詳細は報告してませんでしたね。。。。^^;)
Polymers DivisionはNISTの正門から直線距離で200mぐらい
の近さにあるビルディング224に存在しています。
ここNISTは大抵建物は3階建てで、224も3階まであります。
ポリマーが半分で、他にADAとファイアーディビジョンがあります。

ADAとは、American Dental Associationの略で、アメリカ歯科協会のことです。
ファイアーはポリマー関係の素材について、火事や防災について科学的に研究しているところです。
ここは、基本的にはポリマーと完全に独立してます。
ADAは、ポリマーを使って歯肉や骨などを修復するとか、治療するといった
先端の研究をしているのですが、ここは正確にはNISTではありません。
NISTに場所を提供してもらっているのです。が、
ポリマーディビジョンとは結構深い関係にあって、ポリマーと共同研究していたり、
ADAで研究している日本人は身分がポリマー所属となっていたりします。
ポリマーのメディカルグループがADAと共に研究しているからです。

ディビジョンは、大学で言えば学科と同じなのでしょうが、
ディビジョンチーフの権限を考えると学部長ぐらいだろうと考えられます。
しかも大統領制のアメリカですから、日本の学部長の権限とは比べ物にならないのでは?
と思うぐらい、チーフの決めた事は”絶対”ということみたいです。
興味深いのはポリマーのグループリーダーは、全部で7人で構成されているのですが、
そのうち3人は中国人というところです。
注:4人の台湾人の間違いのようです。失礼しました。)
(注2:3人の台湾人+1人のインド人の間違いでした。)

で、ポリマーのディビジョンチーフは、以前話したように、
Journal of Polymer ScienceのPolymer Physics Editionの編集長であるEric J. Amisです。
彼はNISTのポリマーディビジョンチーフになってまだ日が浅いらしいのですが、
彼の考えにもとづいて、今回グループ再編が成されました。
現在進行形のグループはその中核だけ残し、新たに名前を変更して、
小さな5つのグループになりました。
例えば、メディカルグループはバイオマテリアルとなってしまい、
歯科関係だけを研究していれば良いという感じでは無くなったようです。

私が所属していたのは、10人未満の構造解析グループだったわけですが、
このグループは名前を変更して、いきなり20人から30人規模の大グループになってしまいました。
その中でさらに3つに分かれていています。他のグループから分析、解析中心の人を一つにまとめたわけです。
で、このグループリーダーは、Eric J. Amisになりました。
このグループはプロジェクト毎に3つに分かれていて、それぞれ副リーダーがいます。
この副リーダーは上記の5つのグループのリーダーと兼務しています。ということで、
Eric管轄のグループで、しかも3つの大プロジェクトに関係するグループに所属という形になりました。

この改革は4月中旬に行われて、即日有効になりました。
ですが、予算はすでに通っているので、1年間は移行期間ということで、
あまり変わらないのですけど、予算の流れはボスに依存しているので、
ボスが変更になったことで、全く変わってしまったようです。

ゲスト研究員は組織変更があっても、これまでの研究には影響はありません。
(そもそも直属のボスと仕事をしているわけですから)
そのはずなんですが、最近の私は3つのプロジェクトに関わる関係から、
新たに3つのプロジェクトに関わることになってしまいました。
どうもポリマーディビジョンはこの先、グループというよりも
プロジェクト毎に突き進もうとうい考えのようですね。

これまでは比較的自由に研究していたのですが、そうも行かなくなってきたようです。
固体NMRは非常に有用な測定方法ですが、NISTでポリマー関係で解析できるのは、私のボスただ一人。
しかも新しい装置を把握しているのは、私一人。
ということで、これから更に忙しくなりそうです。とはいえ、、、
まだ試料とかないし、2月ほど前、固体1H用プローブを木っ端微塵にしてしまったので、
それが直ってこないと、実験もままならないのですが。。
というより、ロッキーマウンテン学会、大丈夫か?私。。

ということで、最近のポリマーディビジョンについて、お送りいたしまいた。

次回まで、ごきげんよう、さようなら。
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