マイクロキャピラリーを用いたシアフォース探針の作成

微小電極の代わりに先端がサブミクロンのキャピラリーを使えば,キャピラリ内部に様々な溶液を導入することによってシアフォース走査システムを多彩な用途への応用が期待できます.従来,微小電極とプローブは接着剤等で強固に接着していましたが,下図のように水晶振動子を斜めにしてキャピラリと接触させただけでシアフォースプローブとして十分機能することを発見しました.

下図はガラスキャピラリを水晶振動子に接触させて作成した探針の周波数特性カーブです.ピークがシャープであればより敏感にシアフォースを検出することができます.また,キャピラリに溶液を入れてても周波数特性に大きな変化はありませんでした.

このキャピラリー探針を用いて空気中で10ミクロン幅の白金バンド電極の形状を測定した結果が下図です.白金の膜厚は約150ナノメーターですが,この程度の段差であれば十分に認識することが可能です.