イーサ(ツイストペア)ケーブルの製作

2000.3.30

1. ツイストペアケーブル

イーサネットに使われているケーブルには様々な種類がありますが、 最近では100BASE-TXとか10BASE-Tという規格で知られるネットワークに 使われているのはツイストペアケーブルが主流だと思います。

ツイストペアケーブルはその名の由来の通り2本の細いケーブルを撚ったものが 4組、8本の細いケーブルをまとめて(チューブに入れて)1本のケーブルになっています (この2本ずつ撚るというのがミソらしい)。 太さはせいぜい5mmくらいで両端はRJ45といわれるコネクタがついています。 見た目は電話線を少し大きくしたようなものです。

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ケーブル自体にもいくつか規格があり使用に制限があります。 10BASE-Tにはカテゴリー3以上(つまり、3〜5)、100BASE-TXには カテゴリー5という規格のケーブルを使用しなければなりません。

さらに結線の仕方によって、ストレートケーブルとクロスケーブルがあります。 ストレートケーブルはハブと端末(コンピュータ)とを繋ぐのに用いられるもので、 いわゆる延長ケーブルに相当します。 それに対して、クロスケーブルはケーブル(束)内で極性が反転していて、 ハブ(ルータ、ゲートウェイ)とハブとの接続に用います。

このケーブルは完成品を買ってもそう高くはないですが、 比較的簡単に製作することができるので、沢山ケーブルが必要な人で、 かつ、労を厭わない人は自分で作ってみましょう。

2. 準備

以下のものを用意して下さい。
  1. カテゴリ5のツイストペアケーブル
  2. RJ45コネクタ2つ
  3. カシメ器
  4. ナイフ・ニッパー等

ツイストペアケーブルにはいくつか規格がありますが、カテゴリー5ならば 100BASE-TX、10BASE-T両方に使えます。 コネクタの付いていない未加工ケーブルならば加工済ケーブルと比べると かなり安いはずです。

カシメ器はRJ45コネクタにケーブルを接着する工具です。 物によっては数万円もします。 これがなくてもうまく接着せきるのかも知れませんが、 筆者はやったことがありません。

3. ストレートケーブルの製作

ツイストペアケーブルは撚り線4組がビニールチューブの中に入っています (さらにアルミでシールドされている物もある)。 まず、外側のチューブを剥いて、内側のケーブルが約1〜1.5cm程出るようにします。 内側のケーブルの被覆は剥してはいけません。

2本ずつ対になっている撚り線を解き、下図の順番にならべます。 上下の図はそれぞれケーブルの両端での並べ方を示しています。 ストレートケーブルの場合はどちらも同じ順番です。 ただし、橙と橙白、緑と緑白、青と青白、茶と茶白が対に撚り線になっているものとします。 ここで、重要なことは3番と6番は撚り線対にしなければなりません。









次に、RJ45コネクタにケーブルを差し込みます。 奥までしっかりと差し込みます。 差し込む前に、ケーブルの先端を揃えておくと良いかも知れません。

最後にコネクタをカシメ器でガチャンと接着します。 テスタがある人はここで導通テストをしておきましょう。 ケーブルの反対側も同じ手順でコネクタを付けます。

4. クロスケーブルの製作

クロスケーブルの場合は、ケーブルの両端で内側ケーブル並べ方が異ります。 両端で、1番目と3番目、2番目と6番目が入れ換わります。








5. おまけ

5.1 クロスケーブルは短めに

クロスケーブルとストレートケーブルは結線順を見れば区別が付きますが、 混乱を避けるためにもクロスケーブルは10〜20cm程度の短いものを作り、 RJ45中継器とストレートケーブルを繋ぎ長いストレートケーブルとして 利用するのが便利です。

コンピュータ同士を直接イーサケーブルで接続する場合(ピアツーピア接続)は クロスケーブルで接続する必要があります。 ノートパソコンをお使いの方は、短いクロスケーブルとRJ45中継器もパソコンと 一緒に持ち歩くと人とのデータ交換に便利です。

RJ45中継器は10BAE-T用が500円程度、100BASE-TX用が1000円前後で売っています (1999〜2000年)。

5.3 ケーブル長の限界とスイッチングハブの利用の勧め

ハブにもいくつか規格があります。 100BASE-TX用のハブだと、クラス1、クラス2の2種類があります。 クラス1のハブではハブによるカスケードは2段までしかできません。 ケーブル長はハブ間、または、ハブと端末間が100m以内、 ノード(端末)間のケーブル総延長が205m以内と定められています。

クラス2のハブはいわゆるスイッチングハブで、ハブ間のケーブル長は100m以内で なければなりませんが、何段でもカスケード接続をすることができます。 さらに、100BASE-TXと10BASE-Tを混在させて利用することができるハブもあります。

なお、10BASE-Tのハブ(リピータハブ)は4段までカスケード可能です。 ケーブルの総延長は500m以内です。


岩瀬康行(iwase@sci.hiroshima-u.ac.jp)