イーサネットに使われているケーブルには様々な種類がありますが、 最近では100BASE-TXとか10BASE-Tという規格で知られるネットワークに 使われているのはツイストペアケーブルが主流だと思います。
ツイストペアケーブルはその名の由来の通り2本の細いケーブルを撚ったものが 4組、8本の細いケーブルをまとめて(チューブに入れて)1本のケーブルになっています (この2本ずつ撚るというのがミソらしい)。 太さはせいぜい5mmくらいで両端はRJ45といわれるコネクタがついています。 見た目は電話線を少し大きくしたようなものです。
vケーブル自体にもいくつか規格があり使用に制限があります。 10BASE-Tにはカテゴリー3以上(つまり、3〜5)、100BASE-TXには カテゴリー5という規格のケーブルを使用しなければなりません。
さらに結線の仕方によって、ストレートケーブルとクロスケーブルがあります。 ストレートケーブルはハブと端末(コンピュータ)とを繋ぐのに用いられるもので、 いわゆる延長ケーブルに相当します。 それに対して、クロスケーブルはケーブル(束)内で極性が反転していて、 ハブ(ルータ、ゲートウェイ)とハブとの接続に用います。
このケーブルは完成品を買ってもそう高くはないですが、 比較的簡単に製作することができるので、沢山ケーブルが必要な人で、 かつ、労を厭わない人は自分で作ってみましょう。
ツイストペアケーブルにはいくつか規格がありますが、カテゴリー5ならば 100BASE-TX、10BASE-T両方に使えます。 コネクタの付いていない未加工ケーブルならば加工済ケーブルと比べると かなり安いはずです。
カシメ器はRJ45コネクタにケーブルを接着する工具です。 物によっては数万円もします。 これがなくてもうまく接着せきるのかも知れませんが、 筆者はやったことがありません。
ツイストペアケーブルは撚り線4組がビニールチューブの中に入っています (さらにアルミでシールドされている物もある)。 まず、外側のチューブを剥いて、内側のケーブルが約1〜1.5cm程出るようにします。 内側のケーブルの被覆は剥してはいけません。
2本ずつ対になっている撚り線を解き、下図の順番にならべます。 上下の図はそれぞれケーブルの両端での並べ方を示しています。 ストレートケーブルの場合はどちらも同じ順番です。 ただし、橙と橙白、緑と緑白、青と青白、茶と茶白が対に撚り線になっているものとします。 ここで、重要なことは3番と6番は撚り線対にしなければなりません。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
橙 白 | 橙 | 緑 白 | 青 | 青 白 | 緑 | 茶 白 | 茶 |
橙 白 | 橙 | 緑 白 | 青 | 青 白 | 緑 | 茶 白 | 茶 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
次に、RJ45コネクタにケーブルを差し込みます。 奥までしっかりと差し込みます。 差し込む前に、ケーブルの先端を揃えておくと良いかも知れません。
最後にコネクタをカシメ器でガチャンと接着します。 テスタがある人はここで導通テストをしておきましょう。 ケーブルの反対側も同じ手順でコネクタを付けます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
橙 白 | 橙 | 緑 白 | 青 | 青 白 | 緑 | 茶 白 | 茶 |
緑 白 | 緑 | 橙 白 | 青 | 青 白 | 橙 | 茶 白 | 茶 |
3 | 6 | 1 | 4 | 5 | 2 | 7 | 8 |
クロスケーブルとストレートケーブルは結線順を見れば区別が付きますが、 混乱を避けるためにもクロスケーブルは10〜20cm程度の短いものを作り、 RJ45中継器とストレートケーブルを繋ぎ長いストレートケーブルとして 利用するのが便利です。
コンピュータ同士を直接イーサケーブルで接続する場合(ピアツーピア接続)は クロスケーブルで接続する必要があります。 ノートパソコンをお使いの方は、短いクロスケーブルとRJ45中継器もパソコンと 一緒に持ち歩くと人とのデータ交換に便利です。
RJ45中継器は10BAE-T用が500円程度、100BASE-TX用が1000円前後で売っています (1999〜2000年)。
ハブにもいくつか規格があります。 100BASE-TX用のハブだと、クラス1、クラス2の2種類があります。 クラス1のハブではハブによるカスケードは2段までしかできません。 ケーブル長はハブ間、または、ハブと端末間が100m以内、 ノード(端末)間のケーブル総延長が205m以内と定められています。
クラス2のハブはいわゆるスイッチングハブで、ハブ間のケーブル長は100m以内で なければなりませんが、何段でもカスケード接続をすることができます。 さらに、100BASE-TXと10BASE-Tを混在させて利用することができるハブもあります。
なお、10BASE-Tのハブ(リピータハブ)は4段までカスケード可能です。 ケーブルの総延長は500m以内です。