職名 | 氏名 | 専門分野 | 担当科目 |
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教授 | 林建二郎 | 水理学,海洋工学 | 水理学,環境衛生工学など |
教授 | 八木 宏 | 水理学,海岸環境工学 | 流体力学,海岸工学など |
准教授 | 多田 毅 | 水文学,河川工学 | 水理学,河川工学など |
講師 | 鴫原良典 | 海岸工学,津波防災工学 | 水理学,海岸工学など |
我々の社会生活や環境は,豊富な水資源と,その水の循環システムの上に成り立っている. したがって,水は非常に多岐にわたる問題を我々に投げかける. 水資源の確保や水環境を保全することの重要性は言うまでもないが, 人口の多くが水際に分布している我が国では, 集中豪雨や洪水・津波などから生命や財産を守ることも重要である. また,国土が狭い我が国では海洋の空間利用や海洋資源の開発も重要になってきた. 水資源を確保し,環境を保全し,水災害からの安全性を高めるためには 多岐にわたる水の運動特性を解明する必要がある. 本分野では,理論・実践・数値解析を通して水の運動の基礎理論を学び, 水文学・河川工学・海岸工学・海洋工学等に関する諸問題を解決する技術開発能力を涵養する.
近年,市街地や住宅地を含む低平地での洪水氾濫の多発とその被害が 深刻化しており,これまでより詳細なハザードマップの作成が望まれている. そのために,浸水域の到達時間,浸水深の時間変化の予測といった 詳細なシミュレーション技術が必要とされる.
本研究室では,水理実験により段差やあぜ道のような微細な凹凸が 浸水域の広がる速度に与える影響を検討し, レーザープロファイラによる超高解像度地形データを組み合わせることにより, 住宅地の街路や水田の区割り,あぜ道の高さなどの影響を考慮した, 精密なシミュレーション技術の開発を行っている.
2004年のインド洋津波では, 各国沿岸の市街地において甚大な被害が報告されている. 津波の波長は数十キロメートルと普通の波浪と比べても非常に長く, 数メートルの水の壁が数十分間押し寄せることになるため, 沿岸の市街地では洪水氾濫の様相を呈する. また,単に水が氾濫するのみではなく,津波の力によって被災し, 破壊された構造物や船舶が新たな凶器となって 市街地を襲う様子が各地で確認された.
市街地における構造物に対する流体力の評価や, 被災を考慮した津波予測は現在の技術では困難である. そこで本研究室では,非構造格子を利用した津波数値計算手法の開発を試みている. 建物の部材に沿って格子を配置することで複雑な形状の建物周りの流れを精度良く 把握できるだけでなく,構造物に働く流体力を各部材に対して評価でき, 構造物の破壊・それに伴う水の内部への進入など, より現実に即した解析が可能になる.