講義関連のページ


2003年の基礎ゼミのページ
戻る



基礎ゼミナール(1年前期)(2003)
副題:力学モデルと設計

 数式処理システムの発達は目を見張る物があり、工学、物理学では支配方程式を数学的または数値的にに解くことより式を立てることの重要性が増している。 しかしながら物理現象を観察し式を立てることが人間の主な役割であることを認識しつつもこれをトレイニングする場をなかなか学生には提供できないのが現実 ではないだろうか。
 本講義の目的は身近な物理現象を簡単な実験で観察し、その物理現象を支配するモデル方程式を自力で立てることができるようになることである。
 2003年はストローの下部を粘土ででふさぎ、またこの粘土がおもりとなるようにし、コップに水を入れその中にストローを浮かる。これを少し持ち上げ手 を離すと一瞬上下運動をしすぐに静止する。このような現象を観察し、どのような力が掛かっているかを討論する。また主だった力だけを使いモデル方程式を立 ててみる。さらに複雑な要素も鑑みモデル方程式を立てる練習をする。
 同時に理系にレポートの書き方を学習し、実際のレポートを書き、その添削を行う。

第1回 ストローの上下運動
1,基礎ゼミは少人数教育であるので、教官と学生の自己紹介を行った。
2,コップの中に粘土のおもりのついたストローを入れ、上下動させ現象を観察した。
3,どのような力が掛かっているか討論を行った。

第2回
1,第1回の続きでどのような力が掛かるか討論を行った。
2,静止状態の力の釣り合いについて考え、式を作ってみた。
3,モデル方程式の作り方のついて解説した。
4,浮力と重力に関してのモデル方程式を作らせてみた。
5,漢字の書き取り

第3回
1,モデル方程式の作り方について再び解説した。
2,浮力と重力に関してのモデル方程式について解説した。
3,ストローの位置や速度の方向に依らず同じ式に成ることを体験させた。
4,線形微分方程式の解析解について公式として解説した。

第4回
1,慣性力からの解説を試みた。
2,慣性力の解釈から式を作らせた。
3,これまでの内容をレポートにするように宿題を出した。
4,レポートの書き方について解説した。

第5回
1,ストローの大きさとコップの大きさがあまり違わないときモデル方程式を立てさせた。
2,正解の解説を行った。
3,三角形の浮体の上下運動について浮力と重力のみ考えモデル方程式を立てるように宿題を出した。

第6回
1,宿題の解説を行った。
2,減衰力を簡単にモデル化を行ってMATHEMATICAで解いた結果を示した。

第7回
1,線形常微分方程式の解析解について解説を行った。
2,減衰力が流速の2乗に比例すると仮定したときのモデル方程式について考察した。
3,減衰力が節水長さに比例し、かつ速さに比例するとしたときのモデル方程式について考察し、宿題とした。

第8回
1,宿題の解説を行った。
2,これまでの議論をもとに力学モデルの解説を再び行った。
3,固有振動数と設計について解説を行った。
4,付加質量について解説した。

第9回
1,レポートの書き方
2,これまでの講義を各自の視点でレポートにまとめる。

第10回 ビーチボールの落下試験
1,ビーチボールを建物屋上から落下させてビデオ撮影した。
2,ビデオを使いビーチボールの落下を観察した。
2,ビーチボールにどのような力が掛かるか考察した。

第11回
1,ビデオを観察した。
2,空気抵抗に関して資料を配付し空気抵抗と重力で運動方程式を立てた。
3,ガリレオ・ガリレイのピサの斜塔の実験の結果は本当か?
4,アリストテレスの力学(ガリレイ当時の教会)の力学の法則を現代的に記述するとどうなるか?

第12回
1,浮力に関する考察。
2,落下問題のシミュレーションと実験の比較。
3,天秤で量った量は本当に質量か?
4,空気の入った物体の浮力はどうなっているか?
5,電車が急停車したときにヘリウムを入れた風船は前後どちらに動くか?

第13回
1,作文の書き方の解説
2,作文コンテストの文章づくりの準備

第14回
1、作文の書き方の解説
2、作文

第15回
1,広義の設計とデザインスパイラル
2,本基礎ゼミの締めくくり
3,学生の感想、批評、提案






ホーム