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応用分析化学 国内学会等 海外学会等 NIST留学記 NDA留学記

【報告-第10回】 2000年3月 
みなさま:
第10回目の報告となりました。3連休ですね!

もう卒業シーズンも終わったのでしょうね。
アメリカは春は学会シーズンですので、日本とはちょっと雰囲気が違います。
来月は、自腹を切って(発表しないから)ENCに参加してきます。
(ENC : Experimental Nuclear magnetic resonance Conference)
サンフランシスコから200kmぐらい南のモントレーで開催されます。
アメリカは広いので、あっち(西側)まで飛行機で6時間かかります。
しかも乗り換えが一度シカゴであります。私は一応、夏のロッキーマウンテン学会では発表する予定です。

さて、日本でもデビットカードが本格的に使えるようになっているようですね。
私が持っている銀行カードは、デビットカードです。ですが、このカードはVISAなのです。
VISAなんですけど、クレジットカードとして使うと、すぐに引き落とされる仕組みになっていて、
口座にある金額以上は使えません。普通のクレジットカードのように、
1ヶ月の使用額をプールして一度に引き落とさないところが違います。
また、デビットカードとして使うときには、暗証番号を入力して、その場で決算されます。
私が開いている銀行口座は、本当は銀行ではなくて、
Credit Union(日本で言う農協と同じだと思う)なのです。
これはNISTの中に支店があって、メリーランド州内に2、3箇所あるぐらいの小さな銀行もどきです。
NISTの信用で、すぐに口座を開く事ができますし、デビットカードなら、すぐにもらえます。
アメリカでは、クレジットカードをとるのは、
こちらで使用した経歴がないために信用がないので大変なのです。
私は新たに銀行口座を開いてみようと思っているので、
そのときにクレジットカードも要求してみようと思います。

このデビットカードですけど、アメリカだとVISAと同じカードが手元にくるので、
デビットが使えないところでもVISAが取り扱い可能ならVISAカードとして使えます。
特に”デビットカードが使えます!”とは書いてません。
デビットとしてではなくて、VISAとしても使えるからです。
日本だと、銀行のカードを使用するとニュースで聞いたのですが、
数百の銀行のマークが売り場に設置してあるのでしょうか?
自分のカードがその場所で使えるのかどうかを知るには、その場で聞くしかないんでしょうかね?不思議です。

さて、前回の報告で、AT&TからMCIに長距離電話会社を変更して、
すぐにまたAT&Tに変更したとお知らせしたんですけど、
なんか、AT&Tからクーポンを送ってこないし、ダマされたか!と思っていた時、
Bell Atlanticから請求書が届いたので見てみたら、MCIのままでした。
AT&Tはどうなったんかいな、と今考えていますが、
来月もMCIなら、やはり変更されてないのかもしれないです。
後で思ったんですが、相手の名前と、電話番号を聞いて、クーポンを送ってきた後に変更すると言っとけば、
こんな感じにはならなかったのにな、と後悔しています。

さらに、頭にきているのがAOL。
アメリカオンラインが21ドル95セントも課金してくれて、
早速抗議の電話をかけてやりましたが、今月も課金されていたら、
銀行口座を閉めようかとも考えています。
AOLの無料接続CD-ROMって、クレジットカード番号を入力させておいて、
最後に無料接続時間が終わっても課金してもいいか?というのにNOとしないと、
勝手に課金するという、とんでもない無料お試しCD-ROMをばらまいているんです。知ってました?
半年以上前にちょっと、というか1分間接続して、これは使いづらいと思って止めたんですが、
その時に確かにNOとしたはずなんですけど、恐ろしい。
こんなことしているから、AOLがNo1になってるんじゃないかなー。
マイクロソフトと変わりませんねー。まじめに本当の番号をいれた私が愚かだったのか。。


さて、今回のメインの話題は、車の免許をアメリカで取得する!です。
(おいおい、今からメインかよというのは、おいといて ^^;)
第2回で、私が日本の免許をアメリカの免許に書き換えた時のトラブルについてお話ししましたけど、
今回は、全く免許を持っていない人が、アメリカで免許を取る場合について、お話します。
と言っても、妻がまだ途中経過ですので、取得した所までは報告できません。
取得できたら、特別編第2弾として妻が苦労話を報告することでしょう、たぶん。
(特別編はメールされません。ホームページ上のみの公開。)

昔は、アメリカで車の免許を取得するのは、大変簡単だったようです。
学科試験に受かったら、2週間後に実技試験が受けられて、合格したら、
もう公道を運転できる、正規の運転免許証がもらえたようです。
確かに去年の7月1日以前はそうでした。
去年の7月1日からメリーランド州では法律が変わって、大変厳しくなりました。
そのおかげで、私も書き換えに大変苦労したわけです。
最近は、他の州も厳しくなってきているようですので、だいたい同じと考えて良いのではないかと思います。
特に、ここメリーランド州は厳しいようです。

結論から先に言えば、日本で免許を持っていない人が、一人で、
アメリカで免許をとることは大変難しいと考えた方がいいです。
(例外地域もあります。14才から取れるところもありますし。)
メリーランド州で正規の運転免許証をもらうには、
1:IDチェックをしてパスする。
2:学科試験を受けてパスする。
3:最低4ヶ月間で40時間の運転練習+教習所で講習を受ける。
4:実技試験を受けてパスする。
5:4で合格したらプロビジョナル(provisional、準)免許証がもらえる。
6:1年半後、無事故無違反の場合に限り正規の免許証が交付される。

という課程をクリアしないといけません。

(1)のIDチェックの苦労というのは、私が報告した通りですが、
これが、日本の免許証を持っていない人となると、さらに大変です。
アメリカは住民票というのがないので、住んでいるという証明書2通が必要ですし、
その人本人であるという証明書も2通必要です。プライマリ(本)証明の場合。
まず、誰もが持っているパスポートが本人証明の1つになります。
また、一人で自立している人は仕事をしているわけですから、
SSN(Social Security Number)を持っているので、これで2通となります。

ところが、配偶者となるとSSNを持っていません。
ので、準証明書2通をもって、本証明書1通と数えられるものを揃えます。
銀行口座を夫とジョイントアカウントにしているという証明書(郵送されてくる明細書でOK)1通と、
アパートを契約したときの契約書(コピー)1通で、本証明1通分となります。
これには、必ず夫婦両方のサインが書かれているからです。これで本人証明が2通分揃った事になります。

住居証明は、自立している人は電話会社とか銀行の明細書が送られてきますので、
それでOKですが、普通契約するにはSSNが必要なので、配偶者は契約できません。
ということで、住居証明を2通揃えるのは大変です。普通の手紙ではダメです。
で、配偶者などは納税の申告時に納税番号が必要になりますので、
その番号を税務署に申請して、交付してもらう必要があります。
これが送られてくると(政府からというのとFirst Mailということが重要)
この手紙&納税申告番号が住居証明になります。
あとは、メリーランド州の正規運転免許証を持った人が、
確かに住んでいると証明書にサインする事で、2通揃う事になります。
この納税番号を申請するには、NISTでは納税対策関係の人に証明してもらった
証明書(パスポートのコピーに判とかサインが書かれる)が必要です。
こういった郵送されてくる証明書を揃えるまでには最低2ヶ月はかかります。

これでやっと(1)のIDチェックが通りました。
実は、ここで納税申告番号は本人証明にもなるのです(SSNのかわり)が、
日本語でサインしてしまったために本人証明になりませんでした。
(アパートの契約書は住居証明または本人証明になりえます。)
運転免許を申請する書類には英語でサインしていたので、
サインが一致しないと言う事で、住居証明にしかならなかったのです。
(ですが、パスポートは日本語サインでOKなのが納得いかないし、
私のSSNは日本語でサインしているのに通るのです。)
教訓として、サインは、パスポートから全て日本語に統一するか、
英語に統一するかのどちらかにした方が楽という事です。
しかし、ここでも以前は日本語はダメと言われたのが頭に残っていて、英語にしたんですが、
中には日本語で免許を取得した人もいたので、担当者によって、大きく違うということです。
いいかげんなものです。

(2)の学科試験は、勉強すれば受かります。さらに、、、
私が受かってしばらくしてから、過去問が日本人会にあることが判明して、
その問題と回答(回答はなし、個人が各々解く、)を丸暗記でもすれば、
英語がわからなくても、なんとか合格できます。
それを使って奥さん達は学科試験を突破しています。
その過去問も完璧じゃないんですけど、参考にはなります。
7割はこれで解けますが、パスするには85%以上の正当率が必要ですから。
学科試験を合格すると、45ドルでラーナーズ免許(仮免許)がもらえます。
写真付きですので、本人の証明(パスポートのかわり)にもなります。1年間有効です。

さて、一番の難関と苦労が(3)の運転練習です。
これは40時間の運転練習が課されます。
40時間、正規の免許を持っている人が隣に座って、公道を練習するのです。
いくら早く40時間の練習が終わったとしても、4ヶ月が過ぎないと、実技試験を受ける事は出来ません。
しかもその40時間は、きちんと、日付や運転項目がうまくいったかどうか、
といったログ(ログ本がある)を、教えてくれた人が記入してサインをし、
証明しないといけません。ちょっと面倒くさいです。

一人でこちらにいる人が免許を取得したい場合は、
こちらで非常に親しい人で、しかも根気良く40時間付き合ってくれる人を探すか、
ドライビングスクールに全て任すしかないと思います。
話によると、1時間あたり20‐25ドルで請け負うという話です。
:と書いたんですが、2時間60ドルでした。結構高いです。)
こちらのドライビングスクールというのは、講習が主体で、
日本のようにテストコースを持っているわけでも無く、すべて公道での練習です。

隣に座って練習を教えられるスーパーバイザーは3年以上の運転歴が必要です。
これはアメリカ国内だけで3年という意味ではないようです。
ですから、私もスーパーバイザーになれて、ログを記録しています。
もちろん、日本の免許&以前大使館に大枚はたいて手に入れた
日本の運転免許証の英訳を車に常備して教えています。

さらに、ドライビングスクールで教育課程を受講して、証明書を発行してもらう必要があります。
これは30時間の講習と6時間の運転練習で220ドルです。
1日3時間で10日間、その間の3日間に2時間ずつ3回の運転練習で修了です。
(現在、妻はこの講習の半分を終え、今週で修了します。)
これに加えて、3時間のアルコールとドラック講習を受けたという証明も必要です。
こちらは30‐35ドルです。

このように3種類の証明書を4ヶ月以内に取得して、ようやく実技試験を受けることが可能となります。
実技試験に合格しても、もらえるのは準免許というものです。
これは18歳未満の人は、夜間の運転不可という限定免許です。
また、準免許期間(1年半)の間に事故や違反を犯した場合、その度合いによって、
正規の免許がもらえるまでの期間が延びたり、不可能になったりという、非常に厳しい制約もあります。
しかも、他の国や州で取得した免許が1年半未満の場合、
メリーランド州で書き換え可能な免許は準免許となります。

メリーランド州では15才9ヶ月から免許の取得に挑戦できますので、
最速で16才1ヶ月で準免許、17才6ヶ月で本免許が交付されます。

このように、日本で取得する方が金額的にはずっと多くかかりますが、
楽ではないかと思います。教習所で全部できるわけですし。
ログの記録と練習の付き合いと言うのは、結構大変です。
我が家の場合、土日しか練習できないので、4ヶ月というのは非常に短いです。
また、取得してから3ヶ月住んでいないと、日本に帰った時に書き換え出来ません。
準免許でも18歳以上の人は制限はありませんので、日本でも書き換え可能という
情報を、親切な日本の友人から教えていただきました。
わざわざ調べていただいたようです。ありがたいことです。

はたして、私の妻の野望は達成されるのかどうか、続きは最速で5月下旬に判明します。

では、次回までさようなら。
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