- 四苦八苦の論戦・・授業紹介 -
防衛大学校に入校し、早いもので半年になりました。
今回は、教場で実際にどういう具合に
授業が進められているのかをご紹介します。
「国際紛争論」。
東アジアの安全保障が専門の村井友秀教授が教えるこの科目は、
現実に起きている戦争について学ぶ機会を与えてくれます。
自衛隊幹部向けにふさわしく、「有事即応」型で変化に富んだ授業です。
戦争記録映画の鑑賞会になったりもします。
9月からは、夏休みの宿題レポートをめぐる討論会が続いています。
課題は
「現在起きている紛争を1つ取り上げて
(1)原因と背景
(2)経過
(3)その解決方法についてまとめよ」でした。
最初は、台湾の李登輝総統の「2国論」発言で緊張高まる「中台問題」。
授業の1時間前、私を含む3人に通告がありました。
「5分程度でレポート内容を要約・発表せよ」。
手近な資料をもとに、適当にまとめて提出していた私は真っ青です。
3人の考えは、台湾独立を好ましいとするもの、
中国の体制の変革を待つとするもの、
国際的な枠組みを作って解決を目指すもの、とさまざま。
教壇に立ってしどろもどろに説明を終えると、
教授や同級生からのつっこんだ質問が待っています。
「2国論と台湾独立はどう違うのか」
「中国は台湾に対し、今後どういう政策をとるか」……。
授業が終わるころにはへとへとです。
討論会は、「朝鮮半島問題」、「カシミール紛争」と変遷しています。
-「私、実は自衛官です」・・クラスメート紹介 -
安全保障研究科の17人のクラスメートのなかに2人の女性がいます。
今回は、陸上自衛官の林満称子(みなこ)2尉をご紹介します。
フランスにあこがれて外交官を志したものの、
なぜか自衛隊に入隊。女性小隊長として
広島で部隊を率いておられました。
1950年代のドイツ再軍備をめぐる
欧州各国の国際関係に関心があるそうです。
授業中の林満称子2尉
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「入隊は大学の教授の薦めでした。
私にとって、自衛隊は人のために何かやるというライフワーク実現の場。
『自衛官に絶対みえないけれど、実は自衛官』を目指しています。
ここに来るまでは、広島・海田市駐屯地(旧・第13師団)の
後方支援連隊で小隊長をしていました。
入校の動機は、情報分野に興味があったことと、
士官として自分なりのきちんとした意見を持ちたかったため。
ウイークデーは勉強、自炊、睡眠の繰り返しですが、
土曜は富士山の裾野で乗馬を楽しんでいます」
- ロシア駆逐艦がやってきた -
防衛大学校がある神奈川県・横須賀は、戦後、
海上自衛隊や米海軍の出撃拠点として
日米の海上戦略を支えてきた最前線の港町です。
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真珠湾やサンディエゴとならぶ
太平洋最大級の横須賀基地に、
9月16日、ロシア極東艦隊の
ミサイル駆逐艦が寄港しました。
アドミラル・パンテレーエフ
(満載排水量8500トン)です。
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駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ
信頼醸成のための親善訪問で、戦後、
ロシア海軍が横須賀に入るのは初めてだそうです。
一般公開されるというので、さっそく時間を作って足を運びました。
簡単な手荷物検査を受けて海上自衛隊の護衛艦とならぶ桟橋に近づくと、
艦橋下に8基の物々しいミサイル発射台を備えた巨体が目に入ります。
97年9月に北海道・小樽であった米空母公開ほどではありませんが、
見学者の列は約300メートルもあり、
見学はあきらめ船体を近くで眺めるだけにしました。
船上には、艦砲や高速機関砲、魚雷発射管などの
近代兵器がところ狭しと並んでいます。
しかし、その前ではロシア水兵が米海軍兵士と
肩を組んで写真におさまる光景が見られたり、
近くの三笠公園では、バルチック艦隊を打ち破った
戦艦三笠を見学するロシア兵であふれたりしました。
見学者は2日間で約8400人。
冷戦って何だったんだろう、
と改めて考えるきっかけになりました。
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肩を組むロシア兵と米兵
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- 臨界事故で自衛隊出動 -
茨城県東海村のウラン加工施設の臨界事故では、
県知事から自衛隊に災害派遣要請がかかり、
さっそく防衛大のクラスメートの間でも話題になりました。
「命かけてる同僚がいるのに、勉強なんかしている気分じゃないな」
とつぶやく隊員もいましたが、
「自衛隊に対処能力があったっけ? 」という声も。
派遣された化学部隊に一体どんな活動ができるのか、
だれにもよくわかりませんでした。
もちろん冷戦期には、自衛隊もNBC兵器(核、生物、化学兵器)による
攻撃を想定していたはずです。
わずかながらも放射性物質や放射線に対する備えはもっています。
しかし、自分の身を防護して活動するという程度のものです。
陸上自衛隊には隊員用の防護衣や防護マスクのほか、
化学防護車という放射線測定器や空気清浄装置がついた装甲車、
汚染除去のための除染車もありますが、
鋼鉄を貫通する中性子には無力です。
オウム真理教による地下鉄サリン事件では、
防護マスクを身につけた隊員が作業する様子が
何度もメデイアで紹介されましたが、
今回は原発関係者という専門家がいますし、
自衛隊の活動分野はごく限られたものになるでは、
というのが大方の見方でした。
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