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応用分析化学 国内学会等 海外学会等 NIST留学記 NDA留学記

【報告-第5回】 1999年12月4日掲載 

~ 防衛情報もネットでゲット ~

- インターネットさまさま -
国際関係や安全保障の研究に、今やインターネットの活用は欠かせません。
大使館や専門の研究機関に足を運ぶことなく、国境を越えて資料を集めることができるからです。 
必須の資料は別として、関連情報をつかんだり先行研究の厚みを知ったりするには、
30万冊の蔵書を誇る防大図書館に終日こもるより、パソコンにキーワードを入れて
ポンとたたいたほうが、ずっとたくさんのヒントにぶつかります。
最近は、学術論文の引用文献欄に
「インターネット検索で入手した」と記載するものが目立つようになりました。 





防大生1600人が一斉に食事をとる学生食堂

日々の授業でも大活躍です。 「比較防衛政策」という各国の国防政策を比べて分析する授業では、 ふつうなら分厚い国防白書や論文集をひっくり返して調べるところを、 その国の国防省のウェブページや米CIAのページなどから要領よく資料を入手し、 短時間で見事な発表レジュメをつくってくるクラスメートもいます。 偉そうにインターネットの効用を説く私自身、恥ずかしながらまったくのビギナーです。 耳学問で試行錯誤を繰り返しています。 資料収集やヒント探しには防大の先生方や先輩たちも同じように苦労しています。 そんな悩みを一気に解決しようとリンク集をつくってしまった方がいます。 総合安全保障研究科の2期生で航空自衛官の山田尊也さんです。 教授からの問い合わせに1つひとつサイトを教えていたのがきっかけだそうです。 各国の安全保障関係の研究機関や大学、政府機関、NGOなどが網羅されています。 ご興味がおありの方は、 (http://www4.ocn.ne.jp/~war-law/ms-links/index.htmをご覧ください) - いとしのカンボジア - 防衛大学校が建つ横須賀・小原台は紅葉まっさかり。校内は落ち葉のじゅうたんを敷きつめたようです。 海抜80メートルの豊かな自然は、授業で疲れた心身をいやしてくれます。 防大生活の楽しみに、ほぼ1カ月ごとに開かれる課外講演があります。 4月以来、来校されたのは佐久間一・元統合幕僚会議議長、 中曽根康弘・元首相、中坊公平・前整理回収機構社長などの方々です。 制服姿の学生が聴講する課外講演

なかでも、ヒ素ミルク訴訟の弁護団長を務めた経験をもとに、 「人を説得するには現場に足を運んで、 自分の五感で現実の本質を見抜かなければならない」と、 現場主義の大切さを説いた中坊氏の講演は秀逸でした。 大勢を率いる自衛隊幹部も、自分の目で確認した重みがあって、 初めて説得力ある指揮ができるというわけです。 11月の講師は、元新聞記者の友田錫・亜細亜大教授でした。 演題は「日本のアジア外交」。 カンボジア和平プロセスで果たした日本の役割についてのお話です。 折しも都内では、カンボジア内戦を取材中に行方不明となった戦場カメラマン・一ノ瀬泰造氏を描いた映画 「地雷を踏んだらサヨウナラ」が封切られたばかり。 私自身も1992、93年と国連平和維持活動(UNTAC)による 大規模な復興支援活動を取材した経験があります。 インドシナ特有の粘りつくような熱気と、 アンコールワット遺跡の荘厳さを思い浮かべながら、感慨深く聞きました。 私にとってのカンボジアは、国際政治の重要テーマである 「地域紛争とは何か」を身をもって味わった地でした。 総選挙間近にポル・ポト派が総攻撃に出るのでは、 と全土に広がった恐怖と不安の入り交じった戦場特有の空気は、忘れられない思い出です。 - 「空の番人」はアルフィスタ・・クラスメート紹介(2) - 今回ご紹介するのは航空自衛隊春日基地(福岡)で戦闘機の要撃管制官をしていた柳谷武志1尉です。 約5年半、日本の領空に接近する未確認機に対し、 地下の防空指揮所からスクランブル(緊急発進)の指令を出す「空の番人」でした。 入校前の97年には中東・ゴラン高原で国連のPKO任務にもついていました。 アルファロメオを乗り回す慶応ボーイ。戦争法や戦史について語らせれば右に出る人がいないほどで、 「博学の柳谷さん」で通っています。 「率直に言ってこんなに勉強させられるとは思いませんでした。 受験するときは、もし受かったら『高等遊民』できるかな、なんて淡い夢を抱いていたんですが。 ちょっとだまされた気分ですね。 ただ、どの授業もすばらしく知的好奇心を刺激されます。 もっとも、この好奇心を完全に満たすためにはあと3年は必要でしょうね。 誰か『任期延長』できる方法を教えてください」
Q and A
前回の問題は、国際関係学の基本的概念についてでした。
 「リアリズム」は、人間を利己的で満たされない存在とみる悲観的な世界観です。
 人は生きるために他人から奪い、闘争する。
 それが政治であり、戦争は避けられないとする考え方です。
 先駆者にトゥキュディデスやマキアヴェリ、ホッブス といった人たちがいます。 

 一方、「リベラリズム」は、逆に法律や制度などをつくることによって戦争は避けられるとする考え方です。
 国家は平和的な共同体をつくりあげるものだとする理想主義的な世界観を前提にしています。
 グロティウスなどが先駆とされます。
 国際政治の理論にはもう1つマルクス主義があり、国際関係学ではこれら古典的な理論やそれから発展した
 政治理論を用いて現実や将来を読み解こうとしています。
 
次のQ&Aは趣を変えて、戦争法に関してです。
人類は残忍な戦争にも一定のルールを設けてきました。それがジュネーブ法やハーグ法などの戦争法です。
 さて、交戦国でのスパイ活動はこうした戦争法で認められているでしょうか。
 また、スパイ活動で捕まった場合、捕虜として保護の取り扱いを受けることができるでしょうか。
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