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応用分析化学 国内学会等 海外学会等 NIST留学記 NDA留学記
   

  第13回
2000年8月8日掲載 

アメリカ漬けの日々



- オルブライトさんの隠し芸 -
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 現実の国際政治は夏バテ知らず。
 各国のダイナミックな動きや摩擦についての
 報道に混じり、おもしろい記事がありました。 
夏期の防衛大学校のキャンパスは
閑散としています
オルブライト米国務長官が、東南アジア諸国連合(ASEAN)
拡大外相会議の「隠し芸」大会で、余興を披露したそうです。
朝日新聞外報面(7月30日朝刊)で、
岡野直・シンガポール特派員が伝えています。 

黒い帽子に黒ずくめの服で登場した長官。
1930年代の名曲「サンクス・フォー・ザ・メモリーズ」を替え歌にし、
出席した各国外相を次々と皮肉ったそうです。 

初デビューの朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の白南淳外相のことは、
「ならずものと思っていたら、人気者」。
中国の唐外相には
「好きな男の1人だけど、優しくしなければ、
  第七艦隊を派遣します。これが米国流」。
ロシア外相も
「イワノフには満たされない。コソボ、本土ミサイル防衛。
  これはヘゲモニー(覇権)の印なの」……。 

男性外交官にはできないユーモアですね。
CNNが伝えているかインターネットで調べてみましたが、
見つかりませんでした。 
このところ、米議会の公聴会記録を
読みふけっています。
修士論文の作成作業は、本格的な資料集めと
読解の段階に入りました。
「米国の目から見て、日本への米軍駐留の意味    
  合いは冷戦終結をはさんでどう変わったか」
が、今の課題です。 
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勉強で火照った頭と体を、
プールで冷やすことも
あります
1980年代のレーガン政権から現在のクリントン政権までが対象です。
米国防総省が打ち出した安全保障戦略、連邦議会での証言、
公式声明などを大量に集めながら、在日米軍基地や
日本駐留に触れた部分の詳細に目を通しています。 

リアリズム理論からすれば、ソ連(ロシア)の軍事力という
共通の脅威がなくなった冷戦後、対抗相手を失った日米同盟関係は、
解消してもおかしくないはずです。それがなぜ今も継続しているのでしょう。
国際関係学の世界では、今もたくさんの研究者が
この「ナゾ」をめぐって論争したり、理論的な説明を試みています。 

私も、ささやかながらその周辺を探ろうと思っています。
というわけで、しばらくは朝から晩まで、
英語の資料を読みふける「アメリカ漬け」の毎日が続きます。 

 
- ネットで調べ、足でかせぐ -

学術論文も新聞取材と一緒で、足でかせいで、
いかにいい資料を集めるかが決め手です。
幸い、米国の安全保障問題についての資料探しには、
一般の人にも利用可能な機関や施設が国内にいくつかあります。 

私が主に利用しているのは、
駐日米国大使館の「アメリカン・センター・レファレンス資料室」
(東京都港区芝公園、ABC会館11階=
  http://usembassy.state.gov/tokyo/wwwh3001.html)
と東京大学の「アメリカ太平洋地域研究センター」
(東京都目黒区駒場、東大駒場キャンパス内=
  http://www.cpas.c.u-tokyo.ac.jp/index.html)です。
せっせと足を運んで資料を見つけ出し、
コピーした枚数はすでに2000ページを超えました。 
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   両施設とも、図書や政府刊行物、
   新聞・雑誌、マイクロ資料などが豊富で、
   資料検索や貸し出しの手続きが
   比較的簡単なのが利点です。
   ホームページもあって、訪ねる前に
   資料の有無を調べることもできます。 
東大駒場キャンパスにあるアメリカ太平洋地域研究センター
なかでも米議会関係はアメリカン・センターが充実していて、
マイクロフィッシュやCD-ROMの形で
約20年間の議会記録が保管されています。
アメリカ太平洋地域研究センターでは、
Congressional Information Service(CIS)社のインターネット画面を通じ、
議会記録の検索や引き出しが可能です。
また、最近の議会記録なら、THOMAS(US Congress on the Internet)
というサイトを通じ、自分のパソコンから直接の検索が可能です。
ただ、いずれも検索可能な年限が限られているため、古いものについては
どうしても国立国会図書館などで補う必要がありそうです。 

米国の資料収集では、インターネットの活用が大きな効果を発揮します。 
国防総省を中心に、安全保障機関のホームページをリンクした
ディフェンス・リンク(Defense LINK=http://www.defenselink.mil/)は、
キーワード1つで公式文書や声明などを探し出すことができます。
また、各種サイトのアドレスや実際の調べ方などを紹介した
ロナルド・A・モース『インターネットで学ぶアメリカ政治の基礎知識』
(麗澤大学出版会)も参考になります。 


- 「同期の桜」4人衆 -
私たち総合安全保障研究科の
3期生18人にとっては、この夏が勝負です。    
資料集めに米国や欧州まで足を延ばす人、
国内でこつこつ地道に集めて回る人など。 
「同期の桜」の  
佐々木さん、井上さん、田原さん(左から)
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3期に4人いる同期入隊の自衛官の取り組み方も、それぞれです。
ただ、みなさん猛烈な勉強家だという点では一致しています。
激しい訓練で発散してきたエネルギーを振り向けるのですから、
勉強に対する身の入れ方がちょっと違います。 

4人は、2等陸尉の階級をもつ27歳から28歳の若手幹部。
部隊では小隊長などとして20人から30人を束ねる指揮官でした。
男性3人は防大出身。大学時代から一緒に机を並べた仲です。
すでにご紹介した田原永紀さん(「新婚学生さん」参照)、
林満称子さん(「アーカイブ探訪」参照)に加え、
井上嘉史さん、佐々木司さんのお2人にもご登場願いました。 

井上嘉史さんインタビュー

佐々木司さんインタビュー
 Q&A

 日本と韓国は、ともに米国と同盟関係を結んで
 自国の安全保障を確保してきた間柄です。
 日本は1951年、講和条約とともに旧日米安保条約を、
 韓国は朝鮮戦争後の1953年に米韓相互防衛条約を結びました。 

 しかし、多くの点で両同盟の性格は異なります。
 最も大きな違いは、その起源です。 

 米国側の視点に立てば、日米条約のねらいは、
 冷戦の対ソ封じ込め戦略の一環として潜在的な経済力をもつ
 日本をソ連に渡さないようにすることだったのに対し、
 米韓条約は、
 休戦に抵抗する韓国の李承晩政権に戦後の安全を保障することで、
 休戦に持ち込むねらいがあったとされています。 

 「日米同盟が米国にとって『戦略的価値が高くコストの低い同盟』
 であったのに対し、
 米国にとって韓国自体の戦略的価値は低く、
 北朝鮮抑止のために大規模な実戦部隊を展開しなければならないから、
 米韓同盟は
 『戦略的価値が低くコストの高い同盟』としてスタートした、
 という指摘もあります
 (村田晃嗣「日米同盟と米韓同盟」
   『外交時報』1994年11・12月合併号)。 

 また、両同盟はともに反共主義が前提でしたが、
 日米同盟はソ連を共通の脅威と考えていました。
 一方、米韓同盟は北朝鮮を脅威とみなし
 南進阻止を最大の目的としていました。
 北朝鮮の核開発疑惑が浮上してからは、
ますますその性格を強めています。 

 さらに、日韓ともに大規模な米軍を国内に駐留させている点
 では同じですが、実際の軍事行動面となると、
 相互防衛の範囲や指揮関係などの点で様々な違いが見られます。

 引き続き、日米同盟についての問題です。
 冷戦が終わってソ連(ロシア)という共通の脅威が消失した後、
 日米同盟の役割はどのように変化してきたのでしょうか。
 なぜ、解消されないで残っているのでしょう。
 簡単なようですが、とても難問です。