- フォーリー駐日大使の講演 -
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秋の防衛大学校は、行事が目白押しです。
10月中旬には、米国のトーマス・S・
フォーリー駐日大使(71)が来校。
「アメリカと日本・
新時代に向けての永続的な同盟」
という講演がありました。
米駐日大使が防大で講演するのは
初めてだそうです。
西原正学校長とは旧知の間柄
という事情もあって、実現したようです。
ヘリコプターで東京湾を
横切っておいでになりました。
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トーマス・フォーリー駐日大使
話題の中心は、冷戦後の国際社会の平和と安全に
日米同盟が将来どう関わっていくのか、でした。
大使が特に強調したのは、平和維持活動(PKO)や
人道援助活動に対する日本の積極的な参加です。
現状では、停戦合意などPKO参加のための5原則がネックとなっていて、
参加分野が制限されているというのが大使の認識でした。
警察官など限定的な人的派遣にとどまった東ティモールを例に挙げて、
「日本がPKOのいろんな側面に貢献することを国際社会は期待しています」
と述べ、5原則の凍結解除を含む積極策を日本政府に促していました。
確かに国内のPKO論議はこのところ低調です。
若き士官候補生を刺激する狙いからでしょう。
しめくくりにちょっぴり刺激的な言い回しもありました。
「これから先、何年または何十年の間には、
国際社会が人道援助または平和維持活動のために介入する義務がある
と感じるような危機が起きると思います。
この義務感は、罪のない被害者を助けようという
道義的な必要から来る場合もあるし、侵攻を阻止しなければ
みんなを脅かすようになるという認識から来る場合もあるでしょう。
いずれにせよ、日米が解決に手を差しのべる必要性を感じるような
危機が発生するでしょう。そのときのためにも準備をしておきましょう。
私たち日米がずっと支持してきた国連憲章の原則を守るために、
行動を起こせるような用意をすることが必要です。」
約1600人の本科生(大学生)は神妙に聞き入っていました。
しかし、大使は講演の中で、朝鮮半島や台湾海峡など
不安定な地域情勢を支える日米同盟の軍事的な側面には
あまり言及しませんでした。
ちょうど中国の朱鎔基首相が来日中だったこと、
また、南北朝鮮の対話プロセスが進行中だったためでしょうか。
さすがに、学生たちから質問が出ましたが、
慎重な言い回しでかわしていたのが印象的でした。
会場にいて一番おもしろかったのは、
講演を前に学生リーダーが
「今日の講師は超VIPなので、きちんと聞くように」
と号令をかけていたことです。
そうか、米国大使は「超VIP」か。
中曽根康弘元首相や弁護士の中坊公平さんが来校した時には、
こんな号令はかかりませんでした。
これも密接な日米同盟のたまものかもしれません。
- キャンパスで「アウトプット」 -
箱根駅伝で有名な山梨学院大学(甲府市)で、
今年も
「ジャーナリストの見た防衛庁・自衛隊」と題し、
小講話をするチャンスをいただきました。
たまにはアウトプットもしなきゃと思い、
10月中旬にうかがいました。
でも、やっぱり人前で話をするのは難しい。
いい勉強になりました。
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美術館のように美しい 山梨学院大学のキャンパス
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9月に摘発された自衛隊漏えい事件を取り上げました。
先月の「防衛大留学記 15」でも少し触れましたが、
国際政治や防衛問題などいろんな角度から
冷戦後の日本の社会を見るのに格好の素材でした。
「日ロ領土交渉」、「防衛庁の秘密」、「公安捜査」と
見方を大きく3つに分け、それぞれの背景にあるものを説明しました。
詳しい内容は割愛しますが、こんなレジュメを作ってみました。
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聞いてくださった学生さんはおよそ50人。
世界的に話題になっている
国際通信傍受システム「エシュロン」
(岩波書店の『世界』10月号参照)
をよく知っている人がいたり、質問も、
「小林よしのりさんの『戦争論』を
マスコミ界はどう受け止めたか」とか、
「どうして政府は高価な自衛隊装備品の
国内生産にこだわるのか」など、
いろいろ出ました。
話は変わりますが、この大学の
美術館のような美しさと
話題の豊富さにはいつも驚かされます。
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山梨学院大というと、最近ではシドニー五輪・競泳の萩原智子選手の活躍が
思い浮かびますが、五輪に参加したのは陸上選手や
レスリングの監督などを合わせると5人もいたそうです。
古屋忠彦学長から昨年お聞きしたところでは、
私立大学はどこも少子化現象で学生集めに苦心しているそうです。
この大学では、授業でもさまざまな工夫をこらしています。
私がお世話になった法学部の国際政治の授業(小笠原高雪助教授)では、
実社会で活動している様々なジャンルの講師を呼んできて、
体験を学生に紹介しています。
今年度は、外務省や防衛研究所、NGOなどから10人近い専門家が来校し、
ホットな話題を提供しています。
学生は、感想をレポートにまとめて、教官の講評をもらう仕組みですが、
マスプロ教育だったわが大学時代に比べると、うらやましい限りです。
- 冷や汗ものの「中間発表」 -
修士論文の作業は一進一退の迷走を続けています。
わがテーマは、米国にとって米軍の日本駐留や
在日米軍基地の意義が、冷戦終結をはさんで
どう変遷したかに焦点をあてるものです。
目下のところ、アカデミズムの世界で言う
「有意性」をどう盛り込むかに苦労しています。
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最近、横須賀市内にできた「hideミュージアム」
hideさんはロックバンドX-JAPANの元メンバー
「有意性」とは、他の研究にはないセールス・ポイントのこと。
自分の論文によって、
同じような研究分野に学術的な貢献ができなければなりません。
自分の知識を高めるだけではいけないのです。
膨大な日米研究のなかで、独自色を出すのは至難です。
12月に行われる学内の論文発表会まであと数カ月。
それを前に、自分の論文の全体構想(構想の骨子はこちら)と
論文の一部を持ち寄って、小所帯のグループで検討する
「プロジェクト科目」の中間発表が、10月下旬にありました。
この科目では、似たテーマを選んだ学生が1人ずつ、
複数の教官による猛烈な集団指導を受けます。
あらゆる角度から容赦ない批判を仰ぎ、その後の執筆の糧にするのが狙いですが、
努力不足だと再起までかなり時間がかかります。
私も1時間半に及ぶ指導で、山のような課題や注文をいただきました。
今回ご指導をいただいたのは、
主に日米関係を専門とする田所昌幸教授、神谷万丈助教授、
河野仁助教授の3人です。
ある教官いわく、
「米国のドキュメントの羅列ではあるが、
それに対する解釈の記述が少ない」。
また別の教官いわく、
「資料批判が足りない。資料がすべて正しいと思ってはだめ」。
さらに別の教官いわく、
「この論文には逆説がない。『だから、何?』となっちゃう」。
う〜ん、ご説ごもっとも。また、つらい日々が続きます。
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