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応用分析化学 国内学会等 海外学会等 NIST留学記 NDA留学記

【報告-第17回】 2000年12月15日掲載 

~ 走りつづける世紀末 ~

- 「ランナーズハイ」ならず -
ささやかな気分転換として、ここ数年、ランニングを続けています。
新聞記者にとって最も大切な体力の衰えを感じ、
忙しくてもわずかな時間でできるスポーツだと知り始めました。
シドニー五輪で高橋尚子選手が金メダルを獲得したこともあって、市中ではランニングが盛んです。
私が走っている多摩川でも、ジョガーの数が増えてきました。 





NAHAマラソンのゴール

12月の初め、沖縄県の那覇市や地元紙「沖縄タイムス」が主催する 「NAHAマラソン」に参加しました。 42キロ余りへの挑戦は3回目です。 同じ日にあった福岡国際マラソンでは、2時間6分台の日本最高記録が出ました。 私はもっぱらマイペース。 マラソン・フリークの郷ひろみさん(45)が、 昨年のニューヨーク・シティマラソンを3時間44分で完走した と知って驚きましたが、私の目標は5時間を切ることです。 コースは、那覇市内を起点に沖縄本島の南半分を時計回りに1周。 折り返し地点は平和祈念公園のある摩文仁の丘です。 NAHAマラソンの参加者は約22000人。 世界の大規模マラソンといえば、ロンドンの43000人、 ニューヨークシティの31000人、ホノルルの26000人などですが、 NAHAも世界10指に入るそうです。 ここの魅力は、何より沖縄の人々の温かい応援にあります。 今年も大勢の人々が沿道に並んで、沖縄の踊り・エイサーを披露してくれたり、 黒砂糖やタンカン(沖縄のミカン)、氷などを差し出して声援を送ってくれたりしました。 移転問題が難航する 普天間飛行場と宜野湾市の住宅街

当日の最高気温は東京より10度近く高い23度。 午前9時の号砲を合図に一斉に走り出しました。 中間地点まではずっと上りこう配。 ここまでは何とか走り抜きましたが、後半は歩いたり走ったりの連続。 何とか完走できたものの、タイムは5時間53分という惨たんたる結果でした。 ランニングには、「ランナーズハイ」といって脳が刺激され思考力が高まる効果があるといわれます。 走り始めから1時間くらいで瞑想状態になり、その瞬間に直観的なアイデアがひらめくそうです。 今回は格別、論文の表現や構想でひらめきを期待していたのですが、 どうやら個人差があるようで、成果はありませんでした。 東京に戻ってからは全身の痛みをこらえながら、また論文漬けの日々です。 - 修論は「終盤の壁」 - 私たち総合安全保障研究科学生の論文の進捗度は、マラソンに例えれば終盤の「30キロの壁」、 登山なら「8合目」でしょうか。 新聞記事の工程でいえば、締切15分前あたりで、一番苦しいときです。 18人のクラスメートは、最後の追い込みです。 ある学生の週間スケジュールには苦闘の跡が

学校に毛布と電気ストーブを持ち込んで寝泊まりする人、 資料の補足のために再度海外に出かけて収集する人、終日パソコンに向かい最終バスで帰っていく人など。 進み具合も個人差がはっきりしてきました。 すでに表紙をつけるばかりにまで出来上がった人、 逆に全体の半分くらいで筆が止まって苦悩している人……。 私も全4章だてのうち、まだ1章分が未着手のまま残っています。 担当の教授からは、先日、 論文の執筆要領についての詳しい説明がありました。 字数は原則として8万字以内とし、脚注や引用文の表記方法、 参考文献目録の付け方まで統一した書式が示されました。 年末の27日には、いよいよ各自の論文をプレゼンテーションする 「修論報告会」が控えています。 研究科の全教授・助教授30人余を前に、持ち時間15分、質疑20分を使って、 論文の骨子を紹介する場です。 概要を1枚のレジュメにまとめ、教壇でOHP(投影機)やパソコンを使いながら、 問題意識や準備した資料、立証方法などを説明します。 自習室はどこも追い込みの最中

クリスマスや忘年会だといって、20世紀最後の年の瀬を味わう余裕のある学生は、 恐らく1人もいないでしょう。 人によっては、生涯で一番つらい年末となるかもしれません。 - 防衛大もITずくめ - IT(情報技術)社会の実現をめざすIT基本法が、国会で成立しました。 防衛大学校での話題も、ITずくめです。 11月だけで、慶応大学の竹中平蔵教授、ニフティの渡辺武経社長、 在日米海軍のロバート・C・チャップリン司令官(少将)の3人が来校し、 ITをテーマに講演しました。 政府のIT戦略会議のメンバーでもある竹中教授は、 日本経済再生の起爆剤としてのIT革命の効用を熱心に説きました。 インターネットを普及させて、流通業界に幅広くデジタル情報を導入し、 産業を活性化して一気に赤字財政と低迷経済を解消しようという夢のような話でした。 しかし、日本の実状はまだまだお寒い限り。 ニフティの渡辺社長によると、インターネット利用者は米国が9700万人(昨年末現在)に対し、 日本は2100万人と人口規模を考慮しても開きがあり、アジアでは6位前後と低迷中です。 普及を阻む目下の障害として、渡辺社長は、 電話料金の高さと電話回線の通信速度の遅さの2点を挙げていました。 冷戦後、多国間の安全保障協力を推し進める米軍にとっては、 ITによる情報通信網の整備が最優先課題だそうです。 チャップリン司令官の前職は、カリフォルニア州モントレーにある米海軍大学院の校長。 コンピューター・システムの専門家で、長年、米海軍の艦艇の通信網整備の仕事に取り組んできたそうです。 当初は艦船ごとに機器の規格やソフトが異なり、船同士のスムーズな情報交換さえ難しかったのが、 今では太平洋海軍レベルでは効率的な情報交換システムが整い、次に米海軍・海兵隊全体のシステムや 米軍と同盟国間のシステム整備に取り組んでいるそうです。 振り返って防衛大学校の現状はというと、パソコン端末は比較的豊富ですが、電話回線数が乏しく、 インターネットを利用した情報の入手、交換がほとんどできないのが実状です。 ネットは自宅に帰ってから、という人が大半です。 学内に専門部会を設けて検討中ですが、私たちの在校中には改善は望めそうもありません。
Q and A
 冬のボーナス・シーズンです。
 今回の問題は、自衛官のお給料についてでした。
 公表されている「自衛官俸給表」(99年度)によると、1カ月の俸給の最低は、3士の15万5600円。
 逆に最高は、将(陸将、海将、空将)の134万6000円です。
 
 自衛官の俸給は階級と号俸によって変化します。
 同じ階級でも、私の同じクラスにもたくさんいる2尉(大卒組なら入隊6、7年くらいの初級幹部)では、
 25万1900円から50万2400円まで2倍の開きがあります。

 これに加え、 特殊な職種につく場合には各種手当てが上乗せされます。 
 例えば、自衛隊内部でもうらやましがられる航空手当の場合、
 ジェット機乗務なら最高で俸給月額の75%に相当する額が、
  また、航海手当の場合は最高1日3980円が加算されます。
 ちなみに、ほとんどの隊員がもらう宿直手当は、当直1回につき4000円です。
 大卒の標準的な幹部なら、税込みで年齢とほぼ同じ数字が目安といっていいかもしれません。 

 大手一流企業に比べれば若干低いかもしれませんが、
 民間の平均給与や地方企業などと比べればずっと上です。
 ただし、
 自衛隊の俸給は24時間勤務を前提に算定されていますから、
 どんなに働いても残業手当や休日出勤手当はありません。 

次回は、戦争犠牲者についての問題です。
今世紀に起きた戦争で犠牲となった人々のうち、文民死亡者が占める割合は、
第1次世界大戦、第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争とそれぞれどのくらいだったでしょうか。
また、どういう推移をたどってきたでしょうか。
民間人の戦争犠牲者の割合は、すさまじい勢いで増えてきました。
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