
情報数理
情報分野の最前線を、数理的視野で切り拓く。
情報数理講座では、暗号、通信分野などに現れる問題に対して、様々な数学的手法を用いて効率的に解決する方法を探索しています。 また、一見奇妙に見える物理法則「量子力学」を基盤とする量子技術の研究も行っています。
教官
氏名 | 職名 |
---|---|
渡邉宏太郎 | 教授 |
久木田真吾 | 講師 |
情報数理講座が目指すもの
本講座では、数理の立場から問題を定式化し、そこで得られた知見を社会に提供することを目指します。例えば、
- どうすれば計算を効率よく行えるか?
- 安全に情報を送るにはどうするか?
- 量子力学という物理法則をどう通信や計算に有効活用するか?
これらは全て数学的な問題として定式化できます。数理的視野から問題にアタックすることで、新たな気づきや解決法が得られることもたくさんあり、その知見を社会に提供することで情報社会の発展に貢献します。
サイバーセキュリティと暗号
近年、世界各国で量子コンピュータの研究が進んでおり、近い将来量子コンピュータの時代が来ると言われています。量子コンピュータによる攻撃を受けると、現在広く普及している暗号が突破され、通信の安全が崩壊し、最新の装備や重要インフラなど様々な機能に影響します。通信の安全性の確保はサイバーセキュリティを考えるうえで核となる重大な要素です。
通信の安全を確保するために、量子コンピュータの攻撃に耐性を持つ耐量子暗号の開発・運用が課題となっています。また、未知の量子攻撃に備えるため、量子力学について深く理解することも重要です。本講座では、「量子」と「耐量子」の二正面から研究を行い、サイバーセキュリティの強化に取り組んでいます。
情報数理講座って何するの?
情報数理講座では近年、量子および耐量子に関する研究を行っています。昨年度(防大69期生)の研究は以下の通りです
〇 量子
・ 情報因果律から導かれる量子論の特徴
・ コース割当問題への量子アニーリングの適用
〇 耐量子
・ 深層学習によるQC‐MDPC符号暗号用複合器の設計
情報数理講座で得られる経験
暗号や通信、量子技術。これらの数理的背景がどうなっているかを学ぶことができます。また、問題を数理的な視点から見直すという姿勢は普遍的なものです。
「数理」という言葉は小難しく響きますが、あなたの生活、大げさに言えば人の世界の基盤には、いつも背景に「数理」が存在しています。本講座で数理的な視点から「量子」と「耐量子」を学び、サイバー、AIをはじめとした情報分野の最前線を切り拓いてみませんか?