防衛大学校は、将来の幹部自衛官として必要な識見および能力を与え、かつ、伸展性のある資質を養成することを目的とする防衛省の教育訓練機関であり、「広い視野を開く」、「科学的な思考力を養う」、「豊な人間性を培う」ことに留意しています。特に、現在の自衛隊に直ちに役に立つ教育よりむしろ、予期せぬ安全保障環境の変化に柔軟に対応できる21世紀の幹部自衛官にふさわしい知的な器作りのための大学教育に力を入れています。本校を卒業するときに、必要な単位を取得し審査に合格すれば、独立行政法人大学評価・学位授与機構から学士の学位が授与されます。このように幹部自衛官に必要な大学教育を実施していくために、FD(Faculty Development)活動を推進しています。具体的なFD活動としては、講演会の実施、新着任教官への研修、シラバスの作成と学生による授業アンケートの実施、授業の優れた教官の表彰等があげられます。このたび、このようなFD活動を紹介するホームページを作成し、本校に関心を持っている方々へFDに関する情報を発信することにしました。
本校のFD活動は、多くの大学がそうであったように、一部のFDに熟知した先生が関心の低い先生を啓蒙する時代から始まり、シラバスの作成と学生による授業アンケートの実施を経てFD活動が次第に普及し、現在はFD委員会と高等教育開発官を中心とした組織的な活動へ進化しています。「継続は力なり」という言葉がありますように、FD活動も持続させることが重要であります。ただ、それが前例踏襲による形式的実施や儀礼的のものに陥ってはいけないことは当然のことであります。このような観点からもホームページに新しい情報を発信し続けることは有意義なことと考えています。
次に本校のFD活動の歴史を簡単に振り返ってみます。
平成3年に大学設置基準が大綱化され、一般教育内の科目区分が廃止され各大学が独自の教育制度を展開することが可能になる一方、各大学は自ら教育研究活動を点検し評価することが求められました。本校においても、自己点検、自己評価に関する調査・研究を行い、新しい教育体系の検討および教育方法の改善・向上策を議論するために、教育向上推進委員会が発足しました。この委員会の答申に基づいて、平成5年度からシラバスの作成と学生による授業アンケートの試行が実施され、平成8年度には一般教育に代わる総合教育(現在の教養教育の前身)が導入されました。当初の授業アンケートはマークシート用紙を用いて希望する先生だけが行うものでした。シラバスも内容や書式が不統一でありましたが、その後改善が重ねられ、現在ではかなり完成されたものになっています。
平成12年度から校内の教職員を対象にしたホームページにFD活動を紹介することが始まり、平成15年から紙媒体のFDニュースを発刊し、学校長の巻頭言、講演会等の参加報告、教育奨励賞受賞者の授業方法の紹介等が掲載され現在も続いています。
平成16年度から、学生教育に対する教育内容および方法の改善・向上への取り組みが顕著な先生を対象にした「教育奨励賞」が財団法人防衛大学校学術・教育振興会から贈られるようになりました。選考方法を改善しながら現在も継続しており、毎年度末には表彰式と懇親会が行われ、受賞された先生がたの授業の工夫などを披露していただいています。
平成17年度には副校長(教育担当)を委員長とする全校的なFD委員会が設置され、教官のみならず自衛官である指導官や事務官も一体になって、学生教育の改善のために必要な施策を議論しています。さらに、平成21年度にはFDを主担当する高等教育開発官が教授ポストとして設けられ、新着任教官に対する研修、FDに関連する講演会への参加や本校での実施の企画などをとおして、FD活動のエンジンの役割を果たしています。
このように本校のFD活動は多くの教官による長年の努力により充実してきましたが、まだまだ解決するべき課題はあります。これからも教育に直接携わる教官、教育をサポートする事務官および学生の生活指導をする指導官が一体となって、将来の自衛隊を担う優れた防大生を育成してまいります。
最後にこのホームページをご覧になり、本校のFD活動にご意見のある方、質問をお持ちの方は下記のメールアドレスまでお問い合わせください。