書籍の刊行

2024年(令和6年)7月

書籍タイトル 陸上自衛隊員の心理的レジリエンス ―組織で働く人たちの強さと〈しなやかさ〉について考える―

出版社 風間書房

筆者  統率・戦史教育室 准教授 寺田孝史3等陸佐

 私たちは、毎日いろいろなストレスに直面しながら生きています。私は、陸上自衛隊員として、そして、メンタルヘルス担当者として明るく元気に厳しい仕事に取り組んでいた人がストレスを抱えて落ち込んでいく姿を何度も見てきました。そして、そこから回復していく姿も何度も見てきました。「どんな人にも限界はくる。そして、回復する力もある。この力は何なのだろうか。」これが、本書で取り上げる研究の出発点でした。そして、メンタル不調の予防に繋がる概念として「レジリエンス」に注目して研究してきました。
 本書は、筆者が身近な陸上自衛隊員をサポートするために何ができるかについて悪戦苦闘してきた記録です。本書で取り上げた研究では、様々な調査方法を用いました。インタビュー調査を行い、隊員の皆様から多くのことを教えていただきました。量的調査においては、縦断調査や警察職員・消防職員などとの間で職業ごとの比較も試みています。
 本書で取り上げた調査は、主に陸上自衛隊員を対象としています。しかし、そこには、陸上自衛隊員に限らず、組織の中でレジリエンスに基づくサポートを行う際にそこで働く人たちに合わせてどのようなことができるのかについてのヒントがあると考えています。

 

2024年07月25日