地球海洋学科

シラバス

科目名

固体力学

区分・単位

必修・2単位

開講時期

2学年後期

基礎とする科目:物理学(力学)

発展科目:地球海洋実験・演習、

振動波動学、地圏環境科学、

海洋音響等の波動現象を扱う科目全般

授業の位置付けと目的

 すでに習ったであろう「力学」では、「質点」や「剛体」(いっさい変形しない物体)を対象としているが、実際の科学技術の対象となる物体は、大なり小なり変形を行うものとして扱う必要がある。この授業では、そのような変形の力学としての「弾性体(連続体)の力学」の基礎を習得する。物体が変位することによって力学的(弾性的)な波動が伝搬できる。すなわち、波動の理解には、連続体の性質とその数学的な表現方法を知ることが重要になる。数学的には、「ベクトル」を発展させた「テンソル」の知識を用いるので、その基礎についても学習する。

授業計画

週/章

授業内容

到達目標

1-5

線形代数学、規準(モード)座標系、振動モード

線形代数学の基本的な行列計算ができるようにする。座標変換ならびに固有値・固有ベクトルの概念を理解する。これに関連して、力学で重要な「規準(モード)座標系」や「振動モード」の概念を習得する。

6-8

テンソルの基礎

テンソルの基礎を学習し、ベクトルや行列との関連を理解する。テンソルの共変性・反変性、ならびに、直交行列・対称行列の性質とその重要性を理解する。

9-12

弾性体の力学の基礎

「ひずみ」と「応力」の概念ならびに弾性テンソルについて学習し、「応力テンソルで表現したニュートンの運動方程式」を導く。

13-15

弾性体を伝わる波動

応力テンソルで表現したニュートンの運動方程式から波動方程式を導出し、波動のモード(縦波(P波)、横波(S波))の変位の向きや伝搬速度を計算する方法を習得して、固有値と固有ベクトルの意味を理解する。「異方性」や「縮退」のある波動伝搬の具体例を計算できるようにする。

成績の評価:

次のとおりであるが、授業の進展により各評価項目の割合(%)を変更することがある。

中間試験(50%)、期末試験(50%)、+授業態度及び授業への参加度(10%:オフ゜ション) 再試験あり

教科書:資料配布

参考書:古典力学、弾性体力学、連続体力学、線形代数学、テンソルの関連図書

その他:

必要に応じて資料を配付する。