理工学研究科

防衛大学校理工学研究科は前期課程と後期課程から成り、それぞれ一般大学の修士課程(博士前期課程)と博士課程(博士後期課程)に相当します。

前期課程の修学年数は2年で、防衛大学校本科を修了した者、その他防衛大臣の定める者に対して、自衛隊の任務遂行に必要な理学及び工学に関する高度の理論及び応用についての知識並びにこれらに関する研究能力を修得させることを目的として、昭和37年4月に開講されました。開校以来、これまで1600名を越える卒業生を陸・海・空各自衛隊及び技術研究本部などに送りだしています。

後期課程の修学年数は3年で、高度化・ハイテク化していく防衛装備・技術に対応し、これら分野における自立した研究開発能力を有する人材を育成するため、専門的かつ高度な研究能力及びその基礎となる幅広い学識を修得させることを目的として、平成13年4月から開講されています。

これらの過程の教育課程はいずれも大学院設置基準に準拠した内容であり、前期課程は7専攻16大講座、後期課程は3専攻12教育研究分野から構成されています。以下に、機械システム工学科を修了した者に関係する講座、分野を紹介します。

理工学研究科前期課程、機械工学専攻

本専攻は、機械工学に関する高度の知識を付与するとともに、技術的諸問題を解決するための素地を育成し、将来装備品の研究開発を担いうる人材を育成するため、以下の3つの大講座から構成されています。

材料・加工システム大講座

機械材料、固体力学、精密工作の3つの教育研究分野から構成されており、機械要素に用いられる鉄鋼材料、耐熱合金、アモルファス、先端複合材料などの強化と材料創製プロセス、機械構造物の強度設計に不可欠な弾塑性力学及び座屈、疲労、破壊などの強度についての理論と実際、精密機器の設計・生産に関わる精密加工、計測と位置決め制御、表面の特性とトライボロジなどに関する専門知識を付与するとともに、研究・開発能力を育成します。

熱・流体応用工学

エネルギー工学、流体力学、船舶海洋工学の3つの教育研究分野から構成されており、動力機械とエネルギー変換の基礎工学である熱力学、流体力学、伝熱工学に関する原理とその応用、大型・高速化した流体機械、船舶・海洋構造物に関する流体力学、構造力学、それらを統合化させる設計論などについて教育し、高度の専門能力を養成します。

動力学システム

機械ダイナミックス、自動制御、車両工学の3つの教育研究分野から構成されており、各種機器、ロボット、車両、構造物の運動、振動、制御に関する動的性能の解析、数値シミュレーション並びに設計理論を修得させるとともに、メカトロニクス、ソフトウェア工学、人間工学などの新しい工学を適用した動力学システムを研究・開発・設計・製作・管理するための高度な専門能力を育成します。

理工学研究科後期課程、装備・基盤工学系専攻

本専攻は4つの教育分野から構成されますが、機械システム工学科を修了した者に関係する分野は以下の2つです。

装備システム工学

艦船、車両、知能機械などの装備システムにおいて、その性能を最大限に発揮するには、基本性能、操作性並びに整備性の優れた設計が不可欠です。そのためには熱・流体力学的性能、エネルギーシステム、強度評価および運動特性とその制御システムなどの高機能化・高性能化及び高信頼性化を必要とします。本分野では、これらの領域における、先進的理論の修得と開発を目的とした教育、研究を行います。

装備生産工学

生産工学的な側面から、防衛装備品の高機能・高精度・高信頼化を目指すもので、構造材料、破壊力学、弾塑性力学、計測工学、加工学などを包含し、高強度部材、複合材料などの創製とマクロな強度・信頼性・抗たん性解析、材料の超高速変形と衝撃破壊機構の解析、原子レベルでの変形挙動の究明、超精密加工法と計測・加工システムの開発などに関する教育、研究を行います。

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