学科長挨拶

 人間文化学科は、自衛隊が近年、国連の平和維持活動や災害派遣などに活動分野を拡大し、新たな役割に対応した新たな教育が必要となってきたことを背景に、2000年に創設され、翌年4月から学生(防大48期)の受け入れを始めた、防衛大学校で最も新しい学科です。

  海外で刻々と変化する現地情報を収集し、現地の人と円滑なコミュニケーションを取りながら部隊を運用するためには、英語と現地語を知る幹部自衛官が必要です。また、平和維持活動は自衛隊単独でなく、他の数カ国の軍隊と共同で実施しますから、他の派遣国の言葉を知る幹部自衛官も必要です。

 しかし、言葉だけで相手を理解することは出来ません。相手国の文化、歴史、民族、宗教、タブーなどについて最低限の知識がなければ、小さな行き違いから大きな誤解を生じさせてしまうかもしれません。また、相手を理解するだけでは一方通行になってしまいます。相手に日本のやり方、考え方を理解させ、受け入れさせる力も持たねばなりません。そのためには、日本文学・文化や日本史の学習で培われる日本人の感性やものの考え方、価値観についての洞察、異文化の目から見た日本の姿についても知る必要があります。

 それと同時に、人間とは何かという哲学的洞察、どうしたら部下や外国人を理解し動かせるか、異文化環境や極限状態に置かれると人はどう変わるかについての心理学的知識、地域環境が人に与える影響についての文化地理学的知識も必要です。

 人間文化学科では、異文化理解と異文化コミュニケーションを柱にこれらの教育を行い、幹部自衛官となるべき防大生のニーズに応えようとしています。64期生は9人が在学中に海外に派遣される予定です。卒業生がこれらの知識を基に、自衛隊の各種部隊や各派遣先において、日本のために優れた貢献をしてくれることを望んでいます。

平成30年4月
人間文化学科長 濱村良久

↑ ページの上部へ