学科長挨拶

 人間文化学科は、平成12年の開設以来、異文化理解と異文化コミュニケーション能力の涵養を学科理念として掲げてきました。本学科の教育は、人文科学の科目を基盤にし、歴史系、哲学・心理系、地理・文化系、言語・文学系の4つの分野に大別されています。学科理念をより効果的に教育内容に反映させるために令和4年度から新カリキュラムが導入されました。各分野の知見が相互補完的に作用しあうよう、必修・選択・演習科目を再配置し、英語による実践的なコミュニケーション力を修得するために3学年には英語研究という必修科目を新設し、外国語の文献講読にも力を入れています。

 本学科の英語名称は、Department of Humanitiesといいます。このhumanities(人文科学)は、古代・中世以来の「自由学芸」(liberal arts)が近代の学知へと転換されたstudia humanitatis(フマニタス研究・人文学研究)に由来します。この学問体系は、疫病の蔓延による社会・経済・精神的な影響に加え、政治と宗教が絡み合う激動の時代を予兆していたころ、ルネサンス人文主義の潮流において、よりよき人間を形成するための知識探求として発展しました。

 本学科には、哲学、心理学、歴史学(アジア史、日本史、欧米史)、地理学、宗教文化、言語文化(文学、メディア、異文化コミュニケーション)、語学の七科目群があり、人間の本質を多様な角度から探求し、人間・社会・世界について認識を深めることを目指しています。

 近年、自衛隊の任務は、国防の一環として国際社会における安全保障協力や国際平和協力活動、そして災害派遣など多岐にわたっています。多様な国、地域、宗教、文化、思想等において異なる背景をもった人たちと協働する機会が増えてきています。円滑且つ迅速にコミュニケーションをとり任務を遂行するには、多角的・多層的視点と柔軟な思考力に裏付けられた高度なコミュニケーション力が求められます。

 みなさん、人間文化学科でともに学んでいきましょう。

令和4年4月
人間文化学科長 小林麻衣子

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