あいさつ

防衛大学校長挨拶

防衛大学校長 久保文明

 本日はご多忙のなか、第72回防衛大学校開校記念祭にお越しくださいましてまことにありがとうございます。
 本校開校祭は昨年4年ぶりに平常通りの開催となりましたが、本年も引き続き新型肺炎感染症対策なしの開催となりました。学生諸君の士気も極めて高いはずです。
 本年の開校祭に臨む学生諸君の気概は、その統一テーマ「どうだ、防大。」によく表現されていると感じます。第68回から70回にかけての開校記念祭に対しては様々な制約が課されましたが、実はその中でも多種多様な新しい試みが実施されました。これは開校記念祭だけでなく、防大生活全般についても言えます。伝統とされてきたものの中でも見直し・廃止されたものもある一方で、新たに着手され定着したものもあります。例えば、乾布摩擦はなくなり、以前はもっぱら一学年が行っていた朝の清掃は全員で実施するようになりました。本年からは男子学生の棒倒しに相当する女子学生による競技も加わります。コロナ禍を切り抜けた防大では、貴重な伝統を継承しつつ、未来に向けて新しい姿を模索する作業が加速されています。本日はこのような防大とその開校記念祭をぜひじっくりご覧いただければ幸いです。学校側も入試や留学について説明する場や機会を増やしています。ご関心のある方はぜひご参加いただければ嬉しく存じます。
 防衛大学校では、一般の大学で必要されている単位数の学問を修めつつ、防衛学、訓練、TOEIC受験、寮生活、運動系の校友会活動等に従事すること求められており、それによって将来自衛隊を率いる幹部自衛官たるべきものを育成しています。防大生は普通の大学の2つないし3つ分くらい濃密な学生生活を送っていると言っても過言ではありません。開校記念祭はそのような学生によるエネルギーの発露の場であり、また日頃の学習・訓練の成果を世に発信する貴重な機会であります。
 自衛官は危険を顧みず、国民の命や国土を守り、また災害救助に尽力します。すなわち、自衛官は国民への奉仕の程度がきわめて高いという点で、「公務員の中の公務員」というべき性格を持っています。開校記念祭には、こうした高い志を持つ若者の情熱と想像力が凝縮されています。ぜひともお時間のある限り最後までじっくりご覧いただければ幸いです。

防衛大学校同窓会長挨拶

防衛大学校同窓会長 村川豊

防衛大学校同窓会は、第1期生を中心に昭和36年に設立され、各期生会を基盤として組織されています。主に本科卒業生を会員とし、その数は、2万6千名に上ります。先般、退職会員が、約1万4千名となり、現役会員を上回りました。
同窓会の役割は、「何よりも母校の充実・発展への寄与にある」との方針のもと、学校側と意思疎通を図りつつ、学生の意見を反映し、様々な支援を行っています。本開校記念祭支援はもとより、各種競技会支援、学生の部隊実習時の激励、校友会対外活動支援、学術向上策支援、国際交流支援等がその一例です。また、11月10日には、ホーム・ビジット・デー行事として第47期生が、学校長のお招きを受け、懐かしい小原台で旧交を温める予定です。
今年の開校祭のテーマである「どうだ、防大。」には、伝統の継承と新たな創造を通じて、現在の防大のありようを自ら再確認するとともに、広く再認識していただくという、学生諸君の強い意気込みを感じます。来場の皆様におかれましては、開校記念祭を通じて学生の溌剌とした姿をご覧いただき、応援していただけましたら幸いです。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境のもと、将来の国防を担うリーダーを育成する防衛大学校の使命は、益々大きなものとなっております。意思ある学びは全て誇りあるリーダーとしての活躍につながります。学生の皆さんには、新たな自分自身を発見するとともに、豊かな創造性を持った逞しい人材に成長されることを願っています。そのためにも、同窓会役員・事務局員一同、久保学校長をはじめ職員の皆様、そして会員の皆様と一層連携を深め、母校の伝統の継承と、さらなる充実・発展のために尽力する所存です。
第72回防衛大学校開校記念祭の開催を心よりお祝い申し上げます。
防衛大学校同窓会長 村川 豊

開校祭実行委員長挨拶

開校祭実行委員長 岡部 暁

防衛大学校第72回開校記念祭に興味をもっていただき、誠にありがとうございます。今年度の開校記念祭実行委員長を務めさせていただく岡部学生です。私たち実行委員一同、開校記念祭を迎えるにあたり、多くの準備と努力を重ねております。皆様に楽しんでいただけるよう、心を込めて運営しておりますので、当日はどうぞ心ゆくまでお楽しみください。
今年度の開校記念祭の運営において、私たちが最も大切にしたのは、「今の防衛大学校を知っていただくこと」です。皆様は防衛大学校に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。規律に厳しく、生真面目な学生ばかりという印象、あるいは体育会系の学生が多いという印象をお持ちかもしれません。しかし、防衛大学校はそれ以上に、多様な個性を持つ学生が集まっている場所です。私たちはこうした防衛大学校の新しい側面を、来場者の皆様に知っていただきたいと考えています。
今年度のテーマ「どうだ、防大。」には、自信をもって防衛大学校の現在の姿を発信し、来場者の皆様に見て感じていただきたいという意味が込められています。このテーマの背景には、伝統を尊重しながらも変革を遂げている防衛大学校の姿があります。近年、防衛大学校は柔軟な改革を進めております。そこで、私たち防大生が直接皆様に防衛大学校の魅力を伝える機会を設け、その魅力を知っていただきたいと考えています。
観閲式や棒倒し、訓練展示は、防大生の凛とした姿や力強さを象徴するイベントです。こうした伝統的な行事を通じて、私たちの士気や連帯感をぜひご覧いただきたいと思います。今年度からは、女子学生による棒引きも新たに加わり、これまでの伝統を大切にしつつ、新しい試みも取り入れた内容になっております。 また、学生ひとりひとりの個性も大切にされています。規律のもとで団結しながらも、個性豊かな学生が集まっているという点は、文化部の発表や学生舎の見学、学生との交流通じて発見できるでしょう。
この2日間で、私たちがどのように成長し、未来に向けてどのように歩んでいるのかをぜひ感じ取っていただければと思います。学生たちの展示や行事を通じて、防大生の姿が皆様に新しい印象を与えることを願っています。当日多くの皆様が足を運んでくださることを学生一同楽しみにしております。

学生隊学生長挨拶

学生隊学生長 酒井 隆行

開校祭ホームページをご覧頂きありがとうございます。学生隊学生長の酒井学生です。
学生隊学生長と聞いて困惑をする方も多いと思います。学生隊学生長とは、約2000人の学生で編制をしている「学生隊」を学生の代表として指揮をする役職です。学生隊は、将来の幹部自衛官を養成するという防衛大学校の目的の下で、自主自律を持って部隊指揮能力、業務処理能力、学生間の繋がりを強化するために編成されています。学生隊学生長という名誉ある立場で開校祭に携われることを光栄に思います。
中期の学生隊では1人1人が防衛大学校学生としての自覚の下に考え動ける組織を目指し「考動」を方針としました。開校祭では、実行委員長の岡部学生が掲げた「どうだ、防大。」という統一テーマの下で約2000名の全学生が、それぞれ役割をもって開校祭成功のために動いています。
開校祭で見ることのできる、棒倒し、棒引き、訓練展示、Best of Cadets、恋の片道切符など全てのイベントで学生の責任者が存在しています。彼らを中心に開校祭の成功を追い求め、それぞれが自らの役割を認識し「考動」をすることが幹部自衛官としての資質育成と開校祭の成功に繋がっていきます。  防衛大学校と聞くと体育会系のイメージが強いかもしれません。しかし、開校祭では吹奏楽部や音楽部の演奏、アカシア会のダンス、留学生の文化紹介(防大の約5%は留学生なのです)など防大の文化的な側面も楽しんでいただけると思います。 72年の伝統を継承しつつ、より良い防衛大学校を目指し変革の中にある学生隊であるからこそ皆さんにお届けが出来る最高の2日間になると確信をしています。
 日頃は学科、訓練、校友会、学生舎生活に励み部外との接点が少ないため、謎多き大学校かもしれません。小原台のキャンパスに足を踏み入れて頂ければ、防衛大学校の魅力を皆さんに体感して頂けると確信をしています。
 来場の皆様を楽しませると共に我々も楽しめるよう、全学生が日頃から準備をしてきた成果を開校祭にぶつけます。
11月9日、10日の2日間で未来の自衛隊を担っていく我々のエネルギーと防衛大学校の魅力を感じて頂きたいです。皆様のご来校を心よりお待ちしております。