あいさつ
防衛大学校長挨拶

防衛大学校長 久保文明
本校開校祭は昨年4年ぶりに平常通りの開催となりましたが、本年も引き続き新型肺炎感染症対策なしの開催となりました。学生諸君の士気も極めて高いはずです。
本年の開校祭に臨む学生諸君の気概は、その統一テーマ「どうだ、防大。」によく表現されていると感じます。第68回から70回にかけての開校記念祭に対しては様々な制約が課されましたが、実はその中でも多種多様な新しい試みが実施されました。これは開校記念祭だけでなく、防大生活全般についても言えます。伝統とされてきたものの中でも見直し・廃止されたものもある一方で、新たに着手され定着したものもあります。例えば、乾布摩擦はなくなり、以前はもっぱら一学年が行っていた朝の清掃は全員で実施するようになりました。本年からは男子学生の棒倒しに相当する女子学生による競技も加わります。コロナ禍を切り抜けた防大では、貴重な伝統を継承しつつ、未来に向けて新しい姿を模索する作業が加速されています。本日はこのような防大とその開校記念祭をぜひじっくりご覧いただければ幸いです。学校側も入試や留学について説明する場や機会を増やしています。ご関心のある方はぜひご参加いただければ嬉しく存じます。
防衛大学校では、一般の大学で必要されている単位数の学問を修めつつ、防衛学、訓練、TOEIC受験、寮生活、運動系の校友会活動等に従事すること求められており、それによって将来自衛隊を率いる幹部自衛官たるべきものを育成しています。防大生は普通の大学の2つないし3つ分くらい濃密な学生生活を送っていると言っても過言ではありません。開校記念祭はそのような学生によるエネルギーの発露の場であり、また日頃の学習・訓練の成果を世に発信する貴重な機会であります。
自衛官は危険を顧みず、国民の命や国土を守り、また災害救助に尽力します。すなわち、自衛官は国民への奉仕の程度がきわめて高いという点で、「公務員の中の公務員」というべき性格を持っています。開校記念祭には、こうした高い志を持つ若者の情熱と想像力が凝縮されています。ぜひともお時間のある限り最後までじっくりご覧いただければ幸いです。