岡田 雅志(Okada Masashi) 教授

最終学歴
2012年 大阪大学大学院文学研究科文化形態論専攻博士後期課程修了
学位
博士(文学)(2012年3月)
「18−19世紀ベトナム・タイバック地域ターイ(Thai)族社会の史的研究」
教育科目等
アジア史概論、アジア史特論、多文化社会論、人間文化研究I、文献講読I・II、歴史学、日本・アジア史研究、地域研究、卒業研究
専門分野
東南アジア史(山地世界史)
キーワード
山地民、タイ族、近世史、移住、資源利用と流通、火器技術移転
主要所属学会
東南アジア学会、史学会、高大連携歴史教育研究会
著書・論文等
1. 「近世後期の大陸部東南アジア」(弘末雅士・吉澤誠一郎責任編集『岩波講座世界歴史12 東アジアと東南アジアの近世 : 一五〜一八世紀』、 岩波書店、2022年)
2."The Link Between Global Market Change and Local Strategy: The Case of Vietnamese Cinnamon in the Eighteenth and Nineteenth Century," (Shigeru Akita et al. eds., Changing Dynamics and Mechanisms of Maritime Asia in Comparative Perspectives, Singapore: Palgrave Macmillan, 2021)
3.「世紀転換期のインドシナ北部山地経済と内陸開港地:「華人の世紀」との連続性に注目して」(秋田茂(編)『「大分岐」を超えて:アジアからみた19世紀論再考』、ミネルヴァ書房、2018年)
4.「山に生える銃:ベトナム北部山地から見る火器の世界史」(秋田茂・桃木至朗(編)『グローバルヒストリーと戦争』、大阪大学出版会、2016年)
5.『越境するアイデンティティ:黒タイの移住の記憶をめぐって』(ブックレット《アジアを学ぼう》32)(風響社、2014年)
教官からひと言
ベトナム西北地方のタイ族社会を中心とする大陸部東南アジアの山地世界の歴史研究を専門としています。文献調査とフィールド調査を組合わせ、これまで辺境とされてきた山地世界をグローバルな歴史の中に位置づけなおす作業を進めています。国家を中心に歴史をみたとき、この山地世界は周辺の遅れた地域とみなされますが、視点を国家の外におけば、山地世界は国家の桎梏から離れ、諸民族が躍動し、各地域を結び付ける役割を果たし、世界ともつながっていたダイナミックな歴史の舞台です。グローバル化が進展し、国境を越えた諸事象が多くの問題を国家に突きつけている現在、むしろ我々は山地世界の歴史から学ぶことは多くあります。
他地域の文化、歴史を学ぶことはすなわち我々が生きる世界を理解することにほかなりません。異なる価値体系で動く社会とその歴史を学び、現代の複雑な世界を的確にとらえる目を養いましょう。