卒業生の活躍

安保研前期15期 後期8期

駿河台大学 大澤 傑

安保研での日々

他大学の大学院に在籍し、途上国開発関連の就職先が決まっていた私にとり、防大安保研で特別研究員として働きながらもう一つの修士号を取得することは想定外の選択肢でした。しかし、当時、実際にフィリピンのミンダナオ島の内戦を目の当たりし、まずは平和について徹底的に学ばなければならないという思いが、安保研への入校という選択を後押ししてくれました。結果として安保研で幹部自衛官の学友や安全保障の第一線で活躍する先生方から知識を浴びるように得ることができたことは代えがたい経験となっています。特に机上の空論に終始しがちな大学院生活において、実務を深く経験された方々と日々議論を重ねることができたことは、現在も安全保障を研究する上での礎となっています。


学問の道へ

もともと学問の道に進む気がなかった私をその方向へ導いてくれたのも防大での研究生活でした。指導教授の武田康裕先生をはじめ、安保研の先生方が作り上げてくださった闊達な雰囲気は研究の楽しさと奥深さを十分に感じさせてくれました。結果として、三年の実務を挟んで再度安保研後期課程に入校し、防大の先生方のような社会に資する研究に取り組みつつも、未来ある若者に教育を実践できる研究者・教育者を志しました。


博論執筆

三年という限られた期間で博士論文を仕上げるという作業は厳しい道程でしたが、安保研の仲間や先生方に支えられ、無事それをクリアすることができました。防大はデータベースや図書などの研究資源も豊富で、個別に研究室が割り当てられており、素晴らしい環境のなか論文執筆に集中することができました。また、特別研究員として給料をいただけたことは研究に打ち込む心理的負担を軽くしてくれました。


卒業後

卒業後は駿河台大学法学部に採用していただきました。おそらく防大や実務での経験を評価していただけたのだと思います。駿河台大学では現在、政治学や国際関係論科目を中心に担当しています。教育に際しては、防大の先生方のような温かさと厳しさをもってそれにあたり、学生の皆さんに政治学の面白さを知るとともに、社会問題を読み解く力を身に付けてもらえるよう努めています。以後は良き研究者・教育者となることで安保研の先生方や学友に恩返ししていきます。


略歴

愛知県出身。国際NGOスタッフ、地方自治体職員を経て、2019年防衛大学校総合安全保障研究科後期課程卒業(博士(安全保障学))。同年、駿河台大学法学部助教。政治学、国際関係論、比較政治学等を担当。

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