人工衛星は、たとえば通信や観測、測位など何らかの決まった目的をもって宇宙へ送り出すものですが、その目的をきちんと果たせるためには、前もって適切な軌道を選び、姿勢を保つ方法を考えなければなりません。特に、監視や偵察といった新しい働きを人工衛星にさせようとすると、軌道や姿勢に関する事前の検討がとりわけ重要になります。
一方で、宇宙空間で働く人工衛星の数は年々増加の一途をたどっていて、軌道上での衛星の混雑が心配されるようになりました。目的をもって働く衛星どうしがニアミスを起こす事例も決して希ではありません。軌道の力学には今後、このような問題への対応も求められるでしょう。
本分野では、このように軌道や姿勢の力学を基本に置きながら、将来的な人工衛星の利用について考えていきます。
人工衛星の軌道について調べるには、力学の理論に加えて、数値計算にたよる場合が少なくありません。その流れは次のようになります。
まず、地球の自転や地軸の向きの変化を押さえて、座標系を確立します。時間についても、年月日のように不連続な表現を、力学になじむ時系になおします。
衛星に作用するさまざまな力をモデルに作り、数値積分によって位置や速度を求めることで、衛星の力学を表現します。
衛星を追跡する手段としては、地上から距離や方向などを観測するほか、将来的には衛星上での観測も使うようになるでしょう。
観測から軌道を決定するには、一括型とフィルタ型の推定があります。軌道が分かればその過去と未来を予測でき、さらに色々な衛星システムの力学をシミュレートできます。
研究用ソフトウェアは改変が多いので、間違いなく、能率良く管理しなければなりません。コードを自在にリンク編集し、HTMLマニュアルを自動編集するなど管理手法を工夫しました。
このようなソフトウェアを、今後の衛星利用構想に活用していこうと考えています。
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