航空機では古くからオートパイロット(飛行制御装置)が装備され,パイロットに代わって操縦の一部を実行しています。パイロットは高度,速度,姿勢などを認識して,所要の操作を行います。それと同様にオートパイロットも高度計,速度計,ジャイロなどのセンサーから情報を得て,それをコンピュータが処理し適切な操縦を行います。このように機械が操縦(の一部)を行うシステムを飛行制御系と言います。飛行制御系は飛行を行うための頭脳であり,それによって航空機の性能を最大限に引き出し,パイロットの負担を小さくして安全性を高めることができます。また,グローバルホークなどの無人機では飛行制御系は不可欠です。今後,情報取得・処理技術や通信技術の進歩とともに知能を備えた自律飛行システムに発展すべく研究が進められています。 飛行制御の分野では,飛行制御系を設計するための基礎から応用,最新の技術の動向まで広く勉強します。
飛行制御システムを設計するためには,航空機の運動を表すモデル(運動方程式)が必要になります。また,飛行シミュレータにおいても精度の高い運動モデルが不可欠です。これらの運動モデルのパラメータは風洞試験や飛行試験により求められます。当研究室では,ハンググライダーの地上試験や飛行試験を実施し,その運動モデルの開発とパラメータを推定する研究を行っています。
風は航空機の飛行に大きな影響を与えます。アホウドリは風を利用して上昇と下降を繰り返し,長距離を飛行することが知られています。飛行機の離着陸でも風を利用して効率よく揚力を得るために常に風上に向かうように飛行方向や滑走路が決められます。気象情報が得られる空港周辺以外でも局地的な風速や風向を知ることは飛行にとって有益です。風を計測するには特殊なセンサが必要なため,標準的なセンサで風を推定することが,特に小型の無人機などでは望まれます。本研究室では,利用しやすいセンサを用いて風を推定する方法を研究しています。
制御設計を行うとき,できるだけ少ないセンサを用いて制御できれば制御システムの実装の費用が少なくなります。しかし,少ないセンサ(情報)を用いて多くのセンサ(情報)を利用できる場合と同等の制御性能を実現することは必ずしも簡単ではありません。航空機でもジャイロのみを用いて運動を安定化するシステムが広く用いられていますが,その設計は試行錯誤によることが多く,制御設計には多大な時間と労力がかかります。特に,F-2のような不安定な航空機では設計が難しくなります。本研究室では,そのような制御系を効率よく設計する方法を研究しています。
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