航空機・宇宙機構造力学は、機体構造が外力や環境に耐え、安全かつ確実に機能するよう設計する学問分野です。航空機の研究開発から発展しましたが、空と宇宙の連続性を踏まえ、現在では宇宙機も対象としています。本分野の特徴は、軽量化と強度・剛性の両立、信頼性、極限環境への耐性に加え、先進的なミッションを実現するために大型化・高精度・高機能化・展開/収納性なども追求されます。本研究室では、先進的な航空宇宙構造システム、特に「形状可変構造システム」を中心に研究を進めています。以下に代表的な取り組みを紹介します。
航空機に関する研究では、形状可変構造を適用した、新たな翼構造を提案しています。例えば、ラティス構造を適用したツイスト型モーフィング翼、コンベックスブームと蛇腹構造を用いた展開翼構造を研究しています。また、航空機に限りませんが、構造解析における計算効率化の研究(ラティス構造の縮約解析など)にも取り組んでいます。
宇宙機に関する研究では、形状可変構造などの研究を通して、高度な宇宙システムの実現に貢献することを目指しています。例えば、1. 形状可変鏡システム(国際宇宙ステーションによるアクチュエータの暴露環境特性評価、成層圏気球による成層圏環境での機能実証を実施済)、2. 高収納効率の展開アンテナ構造(シザー支持ペタル展開反射鏡)、3. 金属製銛を用いたスペースデブリ捕獲、4. 太陽電池膜(世界最軽量の太陽電池パドル)、5. 発電・アンテナ機能を有する軽量膜展開構造物HELIOS-R(2025年度に軌道上実証予定)、6. 可変形状膜による熱制御デバイスです。太陽電池膜やHELIOS-R等は、JAXAが進めるプロジェクトや研究開発に関わり、JAXA・大学・企業と連携して取り組んでいます。そのほか、宇宙ミッション・システムにも研究対象を拡大し、超小型衛星を用いた電波監視システムの研究などにも取り組んでいます。
なお、本研究室は、CanSatプロジェクトなどを実践し、超小型衛星の開発・運用を大きな目標に掲げる 宇宙システム技術研究同好会を支援し、次世代の宇宙システム技術者の育成にも注力しています。
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