活動一覧

査読論文の刊行

2024年(令和6年)3月

書評タイトル クリストファー・ブラッドマン著(神月謙一訳)『戦争と交渉の経済学ーー人はなぜ戦うのか』(草思社、2023年、       456項)

掲載誌 『防衛学研究』第70号

筆者  統率・戦史教育室 准教授 小島 雅之 2等陸佐

本書評は、2022年に米国のヴァイキング社(Viking Press)から出版された原書Why We Fight: The Roots of War and the Paths to Peace の邦訳版について評したものである。
本書の最大の特徴は、これまで多くの研究者によって提示されてきた戦争の発生に関する諸理論を、集団を平和から戦争へと傾ける5つの要因として類型化するという野心的なプロジェクトに挑んだ点にある。また、類型化に当たっては、戦争による紛争の解決は交渉によって平和的に解決する場合に比べて期待利得が少ないため戦略的に行動する集団は戦争を回避しようとするという、ゲーム理論の考え方を基にして議論を進めているが、平易な表現を使って説明しているため、ゲーム理論を知らない初学者でも容易に理解できるようになっている。このため、戦争や平和について学ぶ際の入門書として好適な一冊である。
本書評では、まず本書の内容についてその概要を紹介した後、本書の意義と課題、特に戦争発生原因の類型論として見た場合の課題について評した。

 

2024年03月31日

査読論文の刊行

2024年(令和6年)3月

論文のタイトル SNSは権威主義に対する支持を高めるのか ー権威主義的パーソナリティー研究から考えるー

掲載誌 『防衛学研究』第70号

統率・戦史教育室 准教授 寺田 孝史 3等陸佐

 近年、民主主義の後退、政治の権威主義化に注目が集まっている。この動向に関して、権威主義的なリーダーや政党、そして権威主義体制を支持する者の心理については「権威主義的パーソナリティ」という概念がある。他方、デジタル技術、特にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が人間心理に及ぼす影響についての心理学的研究も進んでいるが、権威主義的パーソナリティとSNSとの関連性を扱った研究は限定的である。
そこで、本稿では、「SNSは権威主義に対する支持を高めるのか」を問いとし、権威主義的パーソナリティ概念の整理を行った上で、SNSが権威主義の支持にどのように影響を及ぼすのかを明らかにすることとした。そして、SNSのアルゴリズムが、フィルターバブル、エコーチェンバーという現象を生み出す結果、閲覧する人々の感情や思考を特定の方向に誘導する確証バイアスを生起させるというメカニズムが権威主義を支持する過程に影響を与えることを示した。
最後に、限られた条件下であるもののSNSが権威主義化に向かわない社会に対しても促進要因として果たしうる可能性について言及した。

 

2024年03月31日

図書の出版

2024/3/1刊行

著書のタイトル『Q&Aで読む日本外交入門』

戦略教育室 准教授 篠﨑 正郎 3等空佐

著書の内容

ペリー来航から米中対立の現在まで、日本の外交はどのように行われてきたのかを論じた図書です。戦前・戦後・現代の3部構成で60の問いにわかりやすく答えており、歴史・政治・経済・安全保障の諸問題を解説しています。未来の日本外交を考える手引きとなる恰好の入門書であり、高校生からお読みいただけます。
篠﨑准教授は、「戦後編」の「Q34:サミットへの日本の関わり方はどうなっているのですか」と「現代編」の「Q50:日本とヨーロッパとの関係について教えてください」を執筆しました。

 

2024年03月01日

図書の出版

2024/2/24刊行

著書のタイトル『国際安全保障がわかるブックガイド』

戦略教育室 教 授 坂口 大作 元1等陸佐
      准教授 篠﨑 正郎 3等空佐

著書の内容

 国際安全保障学会の創立50周年を記念して刊行された文献案内です。123冊の文献について、安全保障の観点から読み解くものです。本書は、国際安全保障学会員のしかるべきメンバーによって執筆されており、紹介されている書籍は、安全保障に携わる研究者、実務者、学生にとって必読に値するものばかりです。
坂口教授はハンナ・アーレント『新版 エルサレムのアイヒマンー悪の陳腐さについての報告』(大久保和郎訳)みすず書房、2017年を、篠﨑准教授は高坂正堯『近代文明への反逆―「ガリヴァー旅行記」から21世紀を読む 新装版』PHP研究所、1998年を紹介しています。圧巻ながら価格も2,200円(税込み)と破格です。

 

2024年02月24日

スウェーデンのシンクタンクへの論考寄稿

2024/2/14掲載

論考のタイトル

Japan’s Strategic Messaging for a ‘Free and Open International Order (FOIO)’: Can It Preserve its Indo-Pacific Achievements?

掲載先リンク

PDFリンク

掲載媒体 スウェーデン安全保障開発政策研究所(ISDP)ウェブサイト Focus Asia

統率・戦史教育室准教授 相澤輝昭

 成蹊大学文学部国際文化学科 墓田桂教授、UAEハリファ大学 ブレンドン・J・キャノン助教授との共著により、本年1月、印シンクタンクORFに寄稿した論考をより分析的に記述したものであり、日本が提唱して来た「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と最近になって外交上のメッセージとして主用されるようになってきた「自由で開かれた国際秩序(FOIO)」との関係について考察、日本の戦略的情報発信の課題について論じています。

 


2024年02月14日

ベナン共和国への自衛官講師派遣

【ブリーフィング・メモ】 

国防論教育室 准教授 浦上法久2等陸佐               

令和6年2月

日本の対アフリカへの防衛協力
-ベナン共和国への自衛官講師派遣-

防衛大学校

浦上法久

ガーナ共和国のコフィ・アナン平和維持活動訓練センター(The Kofi Annan International Peacekeeping Training Centre : KAIPTC)は、2024年2月5日(月)~2月9日(金)の間、ベナン共和国のコトヌーにおいて「Preventing Violent Extremism, Radicalisation and Small Arms Proliferation in the Sahel and adjoining Coastal Countries in West Africa(西アフリカのサヘルと隣接する沿岸諸国における暴力的過激主義、過激化、小型武器(Small Arms and Light Weapons: SALW)拡散の防止)」をテーマとする能力強化コースを開催した。

 

教育コース開講式の様子

 浦上法久防衛学教育学群准教授・2等陸佐は、本能力強化コースに講師として派遣され(派遣期間は、令和6年2月2日(金)~2月11日)、「Terrorism: Why People and Societies Radicalise?(テロリズム-人及び社会はなぜ過激化するのか?)」をテーマに講義を行った。

 

 

講義景況

コフィ・アナン平和維持活動訓練センターは、現在の西アフリカ地域における安全保障上の課題-暴力的過激主義、コミュニティの過激化、小型武器の拡散-に対して2022年11月、西アフリカ7カ国(ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、ニジェール、マリ、ブルキナファソ)によって、テロ、暴力的過激主義、小型武器の拡散、密売の防止と対策に向けた多国間政策合意である「アクラ・イニシアティブ(Accra Initiative)」の履行に向け、能力強化プロジェクトを実施している。サヘル地域は現時点でテロの頻発地域のひとつであり、テロによる世界の死者数の43%を占めている。テロを引き起こす暴力的過激主義はマリからブルキナファソへと拡大し、この2カ国だけでサヘル地域で生起しているテロ事件の過半数(58%)を占める。
暴力的過激主義は、さらにコートジボワール、ベナン、トーゴといった沿岸諸国にも徐々に拡散している兆候が見られるようになった。暴力的過激主義グループは、マリ、ニジェール、ブルキナファソで軍の施設から小型武器を盗み出し、あるいは略奪するなどし、2017年以降では、即席爆発装置(IED)の使用が、サヘル及び西アフリカ地域へと拡がっているが、これは暴力的過激主義が南下・東進していることを示すものである。マリ北部で多用されたIEDがブルキナファソやニジェール、最近ではコートジボワールでも使用されるようになっている。懸念すべきは、こうしたIEDが中央アフリカのような地理的に隣接しない国でも使用されるケースが見られるようになっている点にある。このような暴力的過激主義の拡散と浸透は、コミュニティを過激化させ、社会的結束を分断させることになる。アクラ・イニシアティブに参加している西アフリカ諸国が、暴力的過激主義の拡散を食い止め、テロ事件の減少に務めようと努めているが、これはテロをはじめとする暴力的過激主義が、国家安全保障にとって脅威となっているためである。

コフィ・アナン平和維持活動訓練センターによる本プロジェクトは、日本政府が国連開発計画(UNDP)を通じて進めている事業である。在ベナン日本大使館の一條基信臨時代理大使は開講式でのスピーチにおいて、日本はアフリカの平和と安定に貢献するため、2008年以降、UNDPを通じてコフィ・アナン平和維持活動訓練センターに対し、累計約946万ドルを支援してきたとし、2023年5月に岸田文雄首相がガーナを訪問した際に、サヘル地域とギニア湾沿岸諸国の平和と安定への寄与と、持続可能な成長を促進することを目的に、今後3年間で約5億ドルの支援を拠出することを表明したことを強調した。西アフリカ地域が抱える安全保障上の課題-テロや暴力的過激主義の拡散と浸透、小型武器の蔓延、IEDによる一般市民を巻き込んだ無差別な被害の拡大-など、西アフリカ地域におけるテロ対策の強化に日本の財政支援は大きな役割を果たしている。

教育コース参加者への履修証書の授与

同時に、日本による西アフリカ諸国への安全保障面での関与という側面では、ベニンへの自衛官教官の派遣は今回が初めてであり、眼に見える人的プレゼンスを以って防衛協力を示した点で意義が大きい。
日本が2019年にアフリカ開発会議(TICAD 7)において提唱した「アフリカにおける平和と安定への新たなアプローチ(New Approach for Peace and Stability in Africa: NAPSA)」を具体的な形のある政策として進めるうえで、民主主義の定着や法の支配の促進、司法・行政分野の制度構築、ガバナンス強化、海上法執行機能の強化、紛争予防・平和構築、特にアフリカPKOセンターへのPKO要員の能力強化といった分野での人的プレゼンスは継続的に進めていく必要があると思われる。防衛省・自衛隊としては、既に、国連三角パートナーシップを通じた能力構築支援を継続的に進めているが、国連の枠外での二国間及び多国間の防衛協力の推進は、NAPSAを具現化していく手段となり得るものといえよう。

教育コースの景況

 

2024年02月05日

印シンクタンクへの論考寄稿

2024/1/2掲載

論考のタイトル

"Japan's evolving strategic messaging to the Indo-Pacific and beyond"

掲載先リンク

掲載媒体 Observer Research Foundationウェブサイト Expert Speak

統率・戦史教育室准教授 相澤輝昭

 成蹊大学文学部国際文化学科 墓田桂教授、UAEハリファ大学 ブレンドン・J・キャノン助教授との共著により、 2016年頃から日本が主導し提唱して来た「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と 最近になって外交上のメッセージとして主用されるようになってきた「自由で開かれた国際秩序(FOIO)」との関係について考察し、 日本の戦略的情報発信の課題を論じています。

 

2024年01月02日

査読論文の刊行

2023/12/16刊行

論文のタイトル「戦時に紛争非当事国の海上交通が直面する脅威の変遷と対応 ―戦時に海上交通を確保するための具体策―」

掲載誌 『海事交通研究』第72集

国防論教育室 准教授 浦口 薫2等海佐

 戦時に紛争非当事国の海上交通が直面する脅威は大きく変遷してきた。第1次大戦前は海上経済戦が主たる脅威であったが、両次世界大戦では大規模な対商船攻撃や長距離封鎖等の伝統的中立法規の枠組みから逸脱した措置がみられた。第2次大戦後には海上経済戦措置と対商船攻撃の両方の国家実行が生じたが、国際社会は前者を許容した一方で後者を強く非難した。現代でも蓋然性は高くないものの大規模商船攻撃の可能性が存在し、伝統的な海上経済戦措置の生起も想定される。しかし、より蓋然性が高いのは軍事目標の要件を満たす商船への攻撃であろう。これらへの対処はそれぞれに異なる。 総じて有効なのは本国軍艦による護衛だが、各国の保有軍艦数の減少による制約を受ける可能性がある。

 

2023年12月16日

講演の実施

2023/12/16

演題「なぜいま論文を書くのか」

開催場所:東京都立白鷗高等学校 探究論文講演会

統率・戦史教育室 准教授 金澤 裕之2等海佐

講演の内容 同校の教育プログラム「探究論文」に関し高大連携の枠組で講演依頼を受け、研究者と実務者双方の経験を積んできた自身の経験を紹介しながら以下の3点を中心に講演した。 ①高校生の段階で論文を書く意義は考察の結果として導き出される答えや発見そのものではなく、リサーチ・クエスチョンの立て方、研究対象の考察、結論の導出などを通じた論理的思考のトレーニングという点にある。 ②こうしたトレーニングによって培われる学術知/論理的思考は、社会人になってからキャリアを切り開いていく際の知的基盤となる。 ③これらの能力は自分と異なる価値観や文化の持ち主を相手に仕事をする際、時として語学能力以上のコミュニケーション・ツールとなる。 また、これに加えて論文執筆に関して生徒から寄せられた質問・悩みへの回答・助言、希望者への個別指導を行った。

 

2023年12月16日

査読論文の刊行

2023/12/13刊行

論文のタイトル「航空自衛隊における救難組織の創設経緯―急がれた部隊建設」

掲載誌 『安全保障戦略研究』第4巻第1号

統率・戦史教育室准教授 村上 強一2等空佐

 1954 年 7 月、航空自衛隊は発足するが、 1954 年度を初年度とする警備 5 か年計画をもと建設しようとした航空部隊は、 直接侵略に対処する装備を目指したものであり、航空機搭乗員の損耗を防ぐ捜索救難にも配慮したものではなかった。ところが航空自衛隊は 1958 年 3 月、 まだ計画になかった救難部隊を急遽、浜松基地に設立する。本稿は、国立公文書館に保管されている日本政府の記録等を用い、その理由が「航空事故の多発」、 「航空自衛隊による対領空侵犯措置任務の開始」、 「米空軍救難部隊の本国への撤退」、「ICAO加盟国としての義務」にあったことを再検証した。

 

2023年12月13日

コフィ・アナン国際平和維持訓練センターへの講師派遣

2023/11/18

国防論教育室 准教授 浦上 法久2等陸佐

 戦時に紛争非当事国の海上交通が直面する脅威は大きく変遷してきた。第1次大戦前は海上経済戦が主たる脅威であったが、両次世界大戦では大規模な対商船攻撃や長距離封鎖等の伝統的中立法規の枠組みから逸脱した措置がみられた。第2次大戦後には海上経済戦措置と対商船攻撃の両方の国家実行が生じたが、国際社会は前者を許容した一方で後者を強く非難した。現代でも蓋然性は高くないものの大規模商船攻撃の可能性が存在し、伝統的な海上経済戦措置の生起も想定される。しかし、より蓋然性が高いのは軍事目標の要件を満たす商船への攻撃であろう。これらへの対処はそれぞれに異なる。 総じて有効なのは本国軍艦による護衛だが、各国の保有軍艦数の減少による制約を受ける可能性がある。

 

2023年11月18日

講演の実施

2023/11/13、20、27開催

演題「幕末と海軍」

開催場所:横須賀市開国史研究講座 於、ヴェルク横須賀

統率・戦史教育室 准教授 金澤 裕之2等海佐

講演の内容 大学と地方公共団体の地域連携として横須賀市文化振興課から依頼を受け、 横須賀市民を対象に幕末期における日本の近代海軍建設の概要、横須賀と幕末海軍の関係、現在に至る後世への影響などについて全3回の講演を実施した。

 

2023年11月13日

国防論教育室准教授 浦口 薫2等海佐 猪木正道賞奨励賞を受賞

 

2023/10/23

国防論教育室 准教授 浦口 薫2等海佐

 防衛学教育学群准教授の浦口薫2等海佐が、日本防衛学会・猪木正道賞奨励賞を受賞し、令和5年10月22日(日)に実施された第6回猪木正道記念・安全保障研究会の中で受賞式が行われました。 猪木正道賞は、わが国の防衛と安全保障並びに国際平和に関する分野における学術研究の振興並びに広く研究者の育成に寄与することを目的として、優れた業績を上げた個人またはグループに対し授与されます。 今回の浦口2等海佐の受賞は、本年3月に出版した単著『封鎖法の現代的意義 -長距離封鎖の再評価と地理的限定-』(大阪大学出版会)が評価されたことによるものです。 同書は、2度の世界大戦で英国が実施した長距離封鎖の合法性と海上封鎖の現代的意義をめぐる論争に一石を投じ、海上封鎖の統一的な評価基準の提示を試みたものです。 浦口2等海佐は、現在も防衛学教育学群で教育と研究に精力的に取り組んでおり、今後、益々の活躍が期待されます。今回の受賞に際して、本人からのコメントは以下のとおりです。 「執筆に際しては、私自身の海上勤務で得た知見をふんだんに盛り込むとともに、通説に果敢に挑んで新しい理論を提示する等、実務的にも学問的にも十分な議論に耐えうるものを目指しました。この努力が受賞という形で評価されたことを大変嬉しく思っております。指導・助言をして下さった皆さまや長期にわたり応援して下さった皆さまに、この場を借りてお礼を申し上げます。今回の受賞を励みに今後もより一層真摯に教育と研究に精進していきます。今回の受賞が後輩達の励みになり、私のチャレンジ精神を受け継いでくれれば、これほど嬉しいことはありません。」

 

2023年10月23日

自衛隊香川地方協力本部への講師派遣

 

2023/9/12

国防論教育室 准教授 浦上 法久2等陸佐

 令和5年8月19日(土)自衛隊香川県地方協力本部が主催した防衛大学校説明会に国防論教育室准教授・2等陸佐 浦上法久を派遣し、模擬授業と参加者との懇談を実施しました。 高松サンポート合同庁舎において開催された防衛大学校説明会では、21名の参加者を対象に、防衛大学校の概要や卒業後の勤務について説明が行われ、そして浦上2佐による模擬授業と懇談が行われました。 模擬授業では国際情勢と安全保障について取り上げましたが、参加者からは「入学後の授業がイメージ出来た」、「楽しかった」、「もう少し授業を受けたかった」など好評であり、防衛大学校への理解の促進し、参加者の入校への意欲の向上も図ることが出来ました。 懇談会はラウンドテーブル形式のフリースタイルで、参加者からは受験対策、学内での就学・生活環境、防大卒業後の勤務など様々な内容の質問が寄せられました。こうした取り組みは自衛隊や防衛大学校への理解を深めるうえで有意義であり、防衛学教育学群は引き続き講師派遣を進めてまいります。

 

2023年09月12日

査読論文の刊行

 

2023/9/1刊行

論文のタイトル「イギリスがフォークランド紛争から得た教訓―イギリス政府内での議論を中心に」

掲載誌 『軍事史学』第59巻第2号

戦略教育室 准教授 篠﨑 正郎3等空佐

論文の内容 1982年に発生したフォークランド紛争の教訓については、これまで様々な議論が交わされてきたが、 それらはあくまで識者の個人的見解に過ぎず、イギリス政府としてどう捉えていたかを明らかにするものではなかった。 本稿は、イギリス公文書館において公開された史料に基づき、①域外作戦、②抑止の失敗、③戦争指導、④兵站支援、⑤装備品に 論点を絞ってイギリス政府内での議論を解明した。

 

2023年09月01日

図書の出版

2023/7/4刊行

著書のタイトル「つなぐ世界史 2 近世」

統率・戦史教育室 准教授 金澤 裕之2等海佐

著書の内容

地域をつなぐ/過去と現在をつなぐ/歴史への様々な「思い」をつなぐ/最新の研究成果と市民をつなぐ/次世代の未来につなぐなど、「つなぐ」をテーマにした全3巻シリーズの第2巻。 第2巻は近世を対象に海賊、漂流民、銀の流通、種子島など日本と世界をつないだ人、モノ、地域を取り上げる。金澤准教授は第4章第6節「武器はめぐりくる―19世紀半ばの武器移転と幕末日本―」を担当した。

 

2023年07月04日

図書の出版

2023/4/21刊行

著書のタイトル「幕末維新史への招待」

統率・戦史教育室 准教授 金澤 裕之2等海佐

著書の内容

幕末維新史研究の最前線で活躍する気鋭の研究者が、それぞれの専門分野から、研究上の到達点を一般向けにわかりやすく紹介。 「時代を変えた英雄たち」といった視点ではなく、幕末維新期における朝廷・幕府などの諸勢力や当時の社会状況、事件・戦争について、「一般には○○と思われているが、研究上では△△ということがわかってきている」 という切り口で、当時の日本と日本を取り巻く国際環境を理解する。金澤准教授は第14章「幕府海軍は明治政府へ引き継がれたのか?」を担当した。

 

2023年04月21日

図書の出版

2023/4/20刊行

著書のタイトル「幕府海軍―ペリー来航から五稜郭まで―」

統率・戦史教育室 准教授 金澤 裕之2等海佐

著書の内容

ペリー来航などの「西洋の衝撃」を受け、1855年に創設された幕府海軍。長崎海軍伝習、勝海舟らによる咸臨丸の太平洋横断航海、幕長戦争などを経て日本初の近代海軍として成長してゆく。 鳥羽・伏見の戦いにより徳川政権は瓦解し、五稜郭で抵抗を続けた榎本武揚らも敗れてその歴史的役割を終えるが、人材や構想などの遺産は明治海軍へと引き継がれていった。 歴史研究者・現役海上自衛官の2つの視点を持つ筆者が、幕府海軍を歴史と軍事の両面から描いたもの。

 

2023年04月20日

航空幕僚監部科学技術官講話「航空自衛隊の科学技術」

2022/1/28、2023/01/17

防衛大AVホール

防衛学教育の一環として、航空幕僚監部科学技術官(1等空佐大谷康雄)を招き、第4学年航空要員の学生へ講話を行いました。 講話は、「航空自衛隊の科学技術」として、学生に先端科学技術を取り入れた航空自衛隊の将来像を考察し、航空自衛隊の取組みについて理解を得ることを目的として実施されました。 講話では、次期戦闘機の開発をはじめとした装備品等の開発状況を紹介し、先端科学技術の動向を紹介するとともに、さらに、航空自衛隊のイノベーションに向けた活動について、事例を示しながら解説されました。 これにより、今後の航空自衛隊の装備品の方向性や、学生が卒業後に何をなすべきかについて動機づけの一つとなり、将来の幹部自衛官育成の資となりました。

 

2023年01月17日

エチオピア国際平和支援訓練研究センターへの国際コンサルタント派遣

2022/8/06~8/19

エチオピア連邦民主共和国国際平和支援訓練研究センター(Federal Democratic Republic of Ethiopia - International Peace Support Training Institute:FDRE-IPSTI)

統率・戦史教育室 准教授 2等陸佐 浦上法久

エチオピア平和支援訓練研究センターから、「紛争後復興コース」(2022年8月6日から8月19日の間アフリカ各国が参加)の 開催にあたり、防衛省・自衛隊に国際コンサルタント兼講師として派遣依頼がありました。 これに応じ、防衛大学校防衛学教育学群・准教授の浦上法久2等陸佐を派遣しました。 浦上2佐は、同センターにおいて「紛争後復興コース」の運営支援及び講義等を実施しました。 「紛争後復興コース」ではエチオピアをはじめとして5カ国から30名が参加し、紛争理論や紛争分析等の実践的内容を教育しました。 同センターからは、防衛省・自衛隊からの継続的な支援に対し、高い評価を得ており、今後とも取組を継続していきます。

 

2022年08月06日

令和4年度夏季防衛学教育学群教育研究発表会

2022/7/28

防衛大学校防衛学館

令和4年7月28日、防衛学教育学群は、所属教官による研究成果の発表会を実施しました。 8名の教官がそれぞれの専門分野における研究成果を報告し、活発な議論が行われました。

発表者とテーマ

山口勇准教授(2等陸佐)
〔テーマ〕米国モザイク戦研究成果の陸上自衛隊への勘合性について―懸念事項、概念、方策の観点から―

 

佐藤健教授(1等陸佐)
〔テーマ〕 警察予備隊制服組トップ人事の背景 ―軍歴がなく、警察官僚でもない文官はなぜ警察予備隊総隊総監(幕僚長)になったのか―

 

𠮷春隆史教授兼統率・戦史教育室長(1等陸佐)
〔テーマ〕 軍事組織リーダーの人間力に関する一考察

 

 

苅込勝也准教授(3等陸佐)
〔テーマ〕 防衛大学校のサイバー戦教育における国家資格の活用

 

 

中澤信一准教授(2等海佐)
〔テーマ〕 深海600mからの船体揚収と船内捜索の概要

 

 

佐藤伊知郎准教授(2等陸佐)
〔テーマ〕 認知領域での戦い―人間の思考システムからのアプローチ―

 

 

竹内健一准教授(3等陸佐)
〔テーマ〕 令和5年度防衛学シラバス策定に資する検討報告について

 

 

【講評】北川英二教授兼防衛学教育学群学群長(空将補)

 

 

〈実行委員長〉木原淳教授兼防衛学教育学群副学群長

 

 

 

〈司会〉佐藤健教授(1等陸佐)、佐藤伊知郎准教授(2等陸佐)、五十嵐隆幸准教授(3等陸佐)

 

2022年07月28日

図書の出版

2021/9/17刊行

著書のタイトル「大陸反攻と台湾―中華民国による統一の構想と挫折」

国防論教育室 准教授 五十嵐 隆幸

著書の内容

米中両大国のはざまで見落とされてきた台湾の「大陸反攻」をはじめて解明した。 大陸奪還と中国統一を目標に展開された軍事・外交政策の実像とその変容を、「蔣経国日記」など最新の資料から浮き彫りにするとともに、 今日の東アジア国際政治の最大の焦点となっている台湾海峡危機の全体像を歴史的視野で描き出した

 

2021年09月17日

令和3年度夏季防衛学教育学群教育研究発表会

2021/7/27

防衛大学校防衛学館

令和3年7月27日、防衛学教育学群は、所属教官による研究成果の発表会を実施しました。11名の教官がそれぞれの専門分野における研究成果を報告し、活発な議論が行われました。

発表者とテーマ

吉村一彦教授(1等空佐)、甘中晴彦准教授(2等海佐)
〔テーマ〕作戦関連教育の見直しについて

 

天貝崇樹准教授(3等空佐)
〔テーマ〕WW2英独電子戦を中心とした電子技術と応用について

 

横尾欣彦准教授(3等陸佐)
〔テーマ〕満洲中央銀行の機能及び役割に関する研究

 

 

中澤信一准教授(2等海佐)
〔テーマ〕尖閣周辺海域における中国海警局に所属する船舶の派遣行動パターンについて

 

 

高橋一成准教授(2等陸佐)
〔テーマ〕領域横断作戦における陸上戦力の役割

 

 

山口勇准教授(2等陸佐)
〔テーマ〕「陸上作戦」教育資料改訂について

 

 

大谷正道教授(1等陸佐)
〔テーマ〕ボードゲームを使用した効果的な学生教育の研究

 

 

佐藤健教授(1等陸佐)
〔テーマ〕平成末期における自衛官募集難の状況について―何が自衛官募集難を生起させたのか―

 

 

川嶋隆志准教授(2等海佐)
〔テーマ〕自衛隊のオペレーションへのWPS(女性・平和・安全保障)の導入-マッキンゼーの7Sによる豪国防軍と自衛隊との比較・分析から―

 

 

寺嶋太郎准教授(2等海佐)
〔テーマ〕第10回新任教員セミナー参加報告

 

 

司会 佐久間一修准教授(2等空佐)、五十嵐隆幸准教授(3等陸佐)

企画 田中誠教授

講評 北川英二教授(空将補)

 

2021年07月27日

令和2年度統率・戦史教育室研究発表会

2021/3/16

防衛大学校防衛学館

令和3年3月16日、統率・戦史教育室では教官の専門性の深化と教育の質的向上を目的に教官研究成果発表会を実施しました。 5名の教官がそれぞれの専門分野において研究成果を報告し、他の教育室や総合安全保障研究科からの聴講者から多くの質問やコメントなどあり、活発な学術的議論が行われました。

時程及び発表者

1310~1345 矢動丸敦3等陸佐「セキュリティ・リソースの制約を考慮した施設警備モデル」 施設の警備、特に監視を行う上で最小人員の配置パターンをゲー ム理論と数理モデルを使って均衡解(ナッシュ均衡)を解析し、 検証した成果について報告。

 

1425~1500 高橋哲一郎2等海佐
「明治初期の海軍志願兵と地域の関係」 日本海軍の創設以降、海軍兵員の募集はどのように進められたの か。国民意識の変化や地域社会と海軍との関係も視野に入れた研 究成果を報告。

 

1500~1535 相澤輝明准教授
「戦後安保史(自衛隊史)研究の課題―史料保存と行政文書管理 の関係から―」 戦後の自衛隊史の研究上の課題として行政文書の管理体制、個人 保有の日誌などの資料価値を見直し、歴史的な政策評価や研究が 行える体制の必要性を指摘し、解決すべき問題を整理して報告。

 

 

1535~1610 五十嵐隆幸3等陸佐
「目指せ!査読付きジャーナル掲載―「ミリタリー・メソッド」の 紹介―」 研究を進めるうえで、学会発表や査読論文の掲載までのプロセス について紹介・普及。 司会・進行 2等陸佐 浦上法久
発表会講評 統率・戦史教育室長1等陸佐 貴島康二

 

 

2021年03月16日

脚本協力(『ゴルゴ13』)

2020/9/10・2020/9/25

掲載雑誌 『ビッグコミック』 2020年第17号及び第17号

国防論教育室 教授 渡邊 優

原稿作成

(アルゼンチン軍政時代の精算を めぐる復讐劇)

 

 

2020年09月10日

令和2年度防衛学教育学群教育研究発表会

2020/07/03

防衛大学校防衛学館

統率・戦史教育室 准教授 徳田3海佐 
「軍令の運用実態に関する研究(明治40年-昭和12年)」

国防論教育室 教授 長合1陸佐 
「無人装備研究開発の現状と日本における課題と提言」

戦略教育室 准教授 甘中2海佐 
「太平洋戦争期の日本の海上交通の崩壊と経済統制」

戦略教育室 准教授 亀田3陸佐 
「統率(リーダーシップ)における産業カウンセリングの活用」

防衛学群所属教官に対し、教官教育研究の成果を発表

 

2020年07月03日

図書の監修

2020/6から2021/3まで

著書のタイトル「SDGsのきほん 未来のための17の目標」

国防論教育室 教授 渡邊 優

著書の内容

SDGsとはなにか、なぜ今SDGsが必要なのかを 1巻でまとめ、SDGsの17個の目標ひとつ ひとつを、2~18巻で各1冊かけて手厚く解説

 

2020年06月01日

図書の出版

2020/03/10

著書のタイトル「グアンタナモ アメリカ・キューバに刺さった棘」

国防論教育室 教授 渡邊 優

著書の内容

「グアンタナモ海軍基地」をめぐる米国と キューバの関係について調査した成果を まとめたもの

 

2020年03月10日

エチオピアPKOセンターへのコンサルタント派遣 

2020/03/06~3/15

エチオピア平和支援研究センター(FDRE-PSTI)

統率・戦史教育室 准教授 2等陸佐 浦上法久

 エチオピア平和支援研究センター(FDRE-PSTI)から、同センターの機能向上の一環として「対話・交渉・仲介コース」の教育コースの実施に向けた基本カリキュラム作成の要請がありました。 これに応じ、防衛大学校防衛学教育学群・准教授の浦上法久2等陸佐を国際コンサルタントとして2020年3月6日~15日の間、同センターへ派遣しました。 浦上2佐は、同センターにおいて「対話・交渉・仲介コース」の教育カリキュラムの作成し、完成したカリキュラムをセンター長に手交しました。 同教育カリキュラムは、エチオピアをはじめとするアフリカ各国が地域内の紛争に対応する要員育成のため、エチオピア平和支援研究センターで実施する教育とあわせ、 紛争理論、紛争分析、国際法及び紛争解決のための対話・交渉・仲介など実践的内容を教育する内容となっています。 同センターからは、防衛省・自衛隊からの継続的な支援に対し、高い評価をいただいており、今後とも取組を継続していきます。

 

2020年03月06日

エチオピア国際平和支援訓練研究センターへの国際コンサルタント派遣

2020/3/06~3/15

エチオピア連邦民主共和国国際平和支援訓練研究センター(Federal Democratic Republic of Ethiopia - International Peace Support Training Institute:FDRE-IPSTI)

統率・戦史教育室 准教授 2等陸佐 浦上法久

エチオピア平和支援訓練研究センターから、「紛争後復興コース」(2022年8月6日から8月19日の間アフリカ各国が参加)の 開催にあたり、防衛省・自衛隊に国際コンサルタント兼講師として派遣依頼がありました。 これに応じ、防衛大学校防衛学教育学群・准教授の浦上法久2等陸佐を派遣しました。 浦上2佐は、同センターにおいて「紛争後復興コース」の運営支援及び講義等を実施しました。 「紛争後復興コース」ではエチオピアをはじめとして5カ国から30名が参加し、紛争理論や紛争分析等の実践的内容を教育しました。 同センターからは、防衛省・自衛隊からの継続的な支援に対し、高い評価を得ており、今後とも取組を継続していきます。

 

2020年03月06日

募集広報のための職員派遣 

2020/03/01

愛知地方協力本部

国防論教育室 准教授 2等空佐 中村 鋭介

防衛大学校最終合格者に対する防衛大学校の説明及び懇談

 

2020年03月01日

株式会社 電通の依頼に基づく特別講演

2020/01/15

株式会社 電通

国防論教育室長 教授 1等海佐 河上 康博

電通内研修プログラムにおける電通社外研修者及び電通社員に向けた特別講演

 

2020年01月15日