第3回コロキアム開催
2025年9月1日(月)、AVホールにおいて、政策研究大学院大学 戦略研究プログラムディレクター、教授の岩間 陽子先生をお迎えし、グローバルセキュリティセンター主催の令和7年度第3回コロキアム「NATOの核政策・核共有の歴史と現在」を開催しました。60名を超える参加がありました。
岩間先生からNATOにおける核政策の歴史や各国の考え方等をご講義いただいたのち、質疑に移りました。
ウクライナ戦争など世界の安全保障環境が大きく変化する中で、非常に重要なテーマである核に係るご講演で、参加者の関心も高く、多くの質問や活発な議論が行われ、大きな成果を得られた会となりました。
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第1回セミナー開催
2025年8月26日、令和7年度第1回セミナー「ロシア・ウクライナ戦争をめぐる抑止の課題」が実施されました。このセミナーは、ロシア・ウクライナ戦争が提起している抑止の課題を多角的に検討するため、地政学・戦略論を専門とする多摩大学大学院客員教授の奥山真司氏、ロシアの外交・安全保障を専門とする防衛大学校総合教育学群の岡田美保氏の報告に対し、航空自衛隊幹部学校航空研究センターの佐久間一修1等空佐が作戦・実務の観点から、航空自衛隊幹部学校航空研究センターの田代明彦1等空佐が現地経験・実務の観点から討論に立ち、パネル・ディスカッション形式で行われました。まず、抑止の起源・定義を確認したうえで、脅しを通じて戦略目的を達成しようとする抑止には、懐疑論も根強く存在していることが指摘されました。
また、核兵器の登場後、米国を中心に進展した抑止論では、いかに武力を行使せずに戦略目的を達成するかに関心が寄せられてきたが、ロシアでは、抑止政策の立案において武力行使は排除されておらず、先んじて行動することによって有利な戦略環境を形成しようとする発想があることが指摘されました。さらに、抑止による脅しを相手がどのように受け取って対応するかという、戦略的コミュニケーションの問題に十分な注意が払われていないのではないか、との問題提起がなされ、誰が何を抑止しようとしているのか、明確にして議論することが抑止の有効性につながるとも指摘されました。
開戦前後の主要アクターの動きは、ロシアの侵略を阻止するという観点から適確な発信であったとは言い難く、相手が行動に出る前に、軍事だけではなく外交・経済を含めた戦略的コミュニケーションを行うことの重要性も指摘されました。
そのために、相手国の思考・行動特性、他国の言動の受け止め方をよく知ることが不可欠である等、抑止を有効なものとするための指針が数多く示されたセミナーとなりました。
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第2回コロキアム開催
2025年7月4日(金) AVホールにおいて河西 慎太郎 氏(ソフトバンク(株) 執行役員 次世代戦略本部 本部長),丹波 廣寅氏( ソフトバンク(株) 執行役員 次世代技術開発本部 本部長,SB Intuitions(株) 代表取締役社長 兼 CEO),井尻 善久氏 (SB Intuitions(株) 取締役 兼CRO),鈴木 邦佳氏 (ソフトバンク(株) AIプラットフォーム開発本部 クラウド・AIサービス第1統括部 統括部長,次世代技術開発本部 連携推進統括部 担当部長)をお迎えし、グローバルセキュリティセンター主催の第2回コロキアム「AI技術は世界・社会をどう変えるのか? 進化の最前線とこれからの展望」を開催しました。80名を超える参加がありました。
まず,基調講演として河西氏,丹波氏から生成AI,LLMの基本から,SB Intuitions社で開発されているLLM,Sarashinaについて丁寧にご紹介いただき,さらにソブリン性の重要性をご解説いただきました。その後,井尻氏より「技術的な側面でソブリンAIを紐解く」と題して,生成AIの技術開発の歴史や象徴的な研究についてご講演いただいたあと,鈴木氏より「最先端AIの活用事例のご紹介」として,生成AIを用いた業務改善等の活用事例をご紹介いただきました。
ご講演に関する質疑では,日本のAI技術に関する将来展望や,LLMの技術面,さらにはデータセンターに関するものなど,多岐にわたる質問がありご回答いただきました。また,ご講演時間終了後も個別に質疑が続けられました。AIという安全保障においても重要なテーマのご講演で参加者の関心も高く、大きな成果を得られた会となりました。
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